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異世界の彼方で  作者: 牛丸
異界異端編 第一章
4/10

1-2 前兆

高令学校へ入学してから早1年も経とうとしていた。


ミチカ:湯苑=阿島に取っての高校生活、四六時中四苦八苦する生活であった。


都立エルセル魔導高令学校に入学するのだって、なんとかギリギリと言う始末であったが。


そのギリギリさは。なんで合格、入学できたんだ?と思わせる実力で。


要するに彼女は、極端な落ちこぼれ。と言う話になる。


だから必然なのか、入学早々から自身の実力は周りに露呈し、級友から向けられる目線は。


大概ミチカを馬鹿にし、見下す目線であった。



今日も、浮かない気分で学校へと登校した彼女が教室に入ると。彼女より先に来ている生徒らがこちらに顔を向けて。早速、彼女を見下す目線を向ける。


それはまぁ、彼女に取って日常的な(いつもどおりの)事なので。軽く無視して、そそくさと自分の机に座る。


溜息を尽いて、カバンを机に掛け、カバンから機械的な魔具を取り出し。中に閉じてある術式を始業ギリギリまで最終確認を行う。


彼女の居る、三方壁に囲まれ、一辺は窓で縁取られ、机が均等に配置されてる長方形の教室。


前方には黒板が付けられており。今日行われる予定や、昨日の事が流れている。


他に生徒らは、色々と含みを持って黒板に近づき見て調べたりするが。


そんな事してる余裕のない彼女は。黙々と、組んだ術式に不備が無いか点検する。



彼女に取って今回、一番重要な試験であるから。熱意は凄まじいものであり。


ここを無事に通らないと、良くて留年。普通に退学しなければならない事案なのである。


彼女の魔法実技能力は、変な感じで低い事が有名で。


知識面における学力は、特に問題ないのだが。何故か、実技に関してはからっきしで。幾度とやらかし

ている過去を持つ。


しかも、初等教育級までの魔法までならなんとか繰り出せるが。


中令教育課程の魔法になると、3回に一回は失敗する事が日常茶飯事で。


高令教育課程になると、不発ばかりで碌な事に成らず。10回に1回成功すれば良いと云う状況である。


故に、今回の試験はなんとしても成功しないといけないので。彼女は必死になって術式を構築して、ギリギリまで無事に動作発言できるかどうか、不備が有るのかどうかを確認する。



熱心に、一心不乱 に術式を見つめる彼女を、後ろから男子生徒が陽気に声を掛けて来る。


「よっ。また、そんな無駄な事してんのかよ。んな事しないで、お前は駄目なんだから」


肩を叩いて馬鹿にして通り過ぎるそこそこガタイが良い男子生徒。


他を二人を連れて、三人組で行動する。このクラスで、彼女を馬鹿にする筆頭格の生徒である。


そんな彼に、ミチカは顔を嫌な顔をするが。した所で意味無しと、静かに術式に目を向ける。


それを見て、何時も通りの彼女に、はぁと溜息を尽き歩き出し。


「まぁ良いさ。無駄に頑張って無駄だけど。精々頑張れよ」と意地悪い笑みを浮かべて立ち去った。



入学してから暫く経った時は、彼女の学力(じつりょく)の低さで、虐められる事が多かったが。


彼女の他者の意を固くなに感じない行為に。周囲の苛めは激化すれど、直ぐに沈静化して、今では馬鹿にして来る程度になっていた。

そんなことの経緯すらも興味の無い彼女は、今日の試験をなんとか成功させようと。集中して、念入り念入りに術式を確認する。


熱心に取り組むが、始業の時間を知らせる音が鳴り、教室受けの教師がやってくる。


ミチカは眉を顰めて、確認していた術式を閉じて、魔具をカバンに仕舞い込んだ。



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