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カフェから出て、俺たちは周辺を歩く。俺があらかじめ腕を組んで歩いてほしいと伝えていたこともあり、侑ちゃんはそうしてくれた。人が少ない川沿いに着いたとき、侑ちゃんは立ち止まる。
「そうくんに言いたいことがあるの。文句じゃないからね?」
侑ちゃんは俺に告白したそうな様子だ。こういうのは男から言うべきだと思った俺は、自ら主導権を握った。
「いや、ここは俺が……。きょうデートしてみて、もっとお互いを知りたいなって思った。だから……付き合ってもらえる?」
俺が告白すると、侑ちゃんは「はい、よろしくお願いします」と言ってくれた。こうして俺と侑ちゃんは彼氏と彼女の間柄になる。
こうして恋人同士になり、次のデートの話を切り出した。
「次のデート、親子丼食べに行くのはどう? あと、いつ空いてる?」
どうやら侑ちゃんは親子丼が苦手とのことで、「言ってなかったけど、私親子丼苦手なの。バイトのシフトわかったら連絡するね」と言われてしまった。