7/30
7
日曜日ということもあり、路上は多くの人で溢れ返っている。「人多いね」と侑ちゃんがつぶやいたので、俺は「こうしたらはぐれないよ」と侑ちゃんの手を繋ぐ。女性とデートするのは久しぶりだったので緊張していた。
侑ちゃんはパンプスを履いていたこともあり、予想よりも背が高く見えたのだ。そのことを伝えると侑ちゃんは少し驚いていた。カフェに向かうまでにいろんな話をしたのだけれど、お互い緊張していることが判明する。
カフェに到着し、俺たちは横並びで座った。店員さんが来て、俺はレアチーズケーキとコーヒー、侑ちゃんはチョコレートケーキと紅茶を注文する。注文したものが来るまでの間も他愛のない話をした。侑ちゃんは横並びの方が緊張しないので良いと言っていたけれど、俺は向かい合って話す方がより仲良くなれそうな気がしていると伝える。
ケーキや飲み物を楽しんでいるうちに時間が過ぎ、お会計する時がやってきた。侑ちゃんは自分が飲み食いした分のお金を俺に差し出したけれど、俺は
「3つ下の子にお金出させるわけにはいかないし、俺が出すよ」
と言って受け取らなかったのだ。