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ついに侑ちゃんと初デートすることになったけれど、日付を1週間後だと勘違いしていた。それでうっかりサークルの下調べの予定を入れてしまったのだ。サークルの下調べで**寺にいたとき、スマホに多くの着信が入る。
こんなときに誰だろう。そう思って出てみると、侑ちゃんが不安げな様子で「もしもし、今どこにいるの? ずっと駅前で待ってるけど来ないから電話しちゃった」と言う。まさかと思うけれど、日付を間違えていたのかと焦る。
「今サークルの下調べで**寺。ごめん、来週だと思ってた。今から行くから待ってて」
侑ちゃんはなんと30分も待っていたそう。俺は慌ててタクシーを拾い、現地に向かった。デパ地下まで必死に走る。
改めて侑ちゃんから「今どこ?」と連絡があり、デパ地下にいると答えた。侑ちゃんが前方から駆けつけてくるのが見える。
「心配したんだから」
侑ちゃんは怒り気味だった。そりゃそうだろう。俺のせいで30分も待たせてしまったのだから。
「ごめん、3つ下の子に心配させてたとは……。怒ってるかなって思った」
俺がそう言うと、侑ちゃんの表情が少し和らいだ。