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注文した食事が出てくる。侑が急いで食べていたので、「そんなに急がなくても大丈夫だよ、あと1時間はあるから」と声をかける。侑が先に食べ終わったけれど、俺も食べ終わり、会計を済ませて店を出た。トロッコ列車の時間まで30分しかなかったので、急いで駅に向かう。そして指定された席の番号が書かれた場所で列車を待ち、人ごみをかきわけて列車に乗る。日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語でアナウンスが流れ、景色に関する説明が始まった。侑が俺に景色の写真を撮っても良いかと聞いてきたので、俺は了承する。付き合っているんだし、そんなに気を遣わなくても良いのにと俺は思っていた。
帰りの列車で田んぼが多い田舎町を通り、地方出身の俺たちは田舎もいいねと話しながら地元の話で盛り上がった。それから列車は嵐山に到着する。列車から降りて再び嵐山を散策した後、俺たちは帰りにベビーカステラを2袋買った。露店の男性店員が気を利かせてくれ、「これお兄さんの分ね」「これはお姉さんのね」と2人それぞれに1袋ずつ渡してくれる。その後は俺の家に泊まることになった。俺たちは買ったばかりのベビーカステラを食べながらバスを待ち、それからバスに乗る。




