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閑話 勇者の功績

魔族は元々引きこもりのような生活をしている者が多く、エルフ族並に他種族との交流はなかった。


そこに突然魔王という存在が現れ、魔族は性格どころか種族が変わったかのように凶暴になった。


しかし、勇者が魔王を討伐したことで、呪いが解けたかのように元の温厚な性格に戻った。


しかし、他種族との交流がなかった魔族の性格など知る者が少ない。


他種族は挙って魔族の残党を退治し始めた。


魔王を崇めていた時の記憶がすっぽりと無くなった魔族は逃げ惑い、最後に辿り着いたのが奇しくも魔王城のあるリグレイ島だった。


そこに小さいながらもいくつかの集落を築きひっそりと生活する魔族達。


追い込みをかける各種族は、勢いを衰えさせず我先にと、魔族たちの最後の砦であったリグレイ島に侵攻を始める。


しかしそれを阻止したのは誰あろう勇者その人だった。


勇者がなぜその島にいたのかは記されていないが、一節によると偶然その島を訪れた際に魔族たちの話を聞いたそうだ。


自分も責任の一端であると感じた勇者は、侵攻してきた部隊を撃退する。


そして、リグレイ島を自分の管理地とすることを世界に向けて宣言した。


これに反発したのが人族と獣人族。


世界を救った勇者に対し、魔族に与する者として討伐命令を出す。


しかし、魔王討伐後、各地に散っていった仲間たちが勇者に呼応。


幾度となく激戦を繰り返すが、この激戦による死者が0であることは現代まで語り草になっている。


勇者達は決して侵攻はせずに、侵略者達の撃退のみを行った。


そうしている間に、民衆や討伐隊に参加している者たちからも侵略戦への反発が強まり、中には勇者達の味方をするものも増えてきた。


侵攻して領土を広げたい王族たちと、侵略中止を訴える民衆が激突し、小国ではクーデターが成功する国も出てきた。


王国、帝国、獣王国の王子や皇女たちは非公式に密約を交わし、侵略中止を世界に宣言。


勇者達と和解の場を設けることとなった。


これに対し勇者からの提案は、全種族が参加する世界国家会議の開催。


これには和睦を提案した国々も頭を痛めた。


王族の中には、勇者は会談など行うつもりはなく、我々をからかっているだけだという意見も出た。


再度の勇者討伐を出そうとした国もあったが、竜王と妖精女王が参加を表明。


勇者が内密に竜王と妖精女王に参加を打診し、両者はこれを快諾したと言われる。


これに慌てた他国は早急に国内の代表者を決定した。


勇者が開催を提案した3か月後に会議は開催され、魔族による弁明と謝罪、リグレイ島をリグランド公国と改名し、各種族の代表者による合議制の国が誕生した。


但し、リグランド公国は旧魔王城が近く、深淵の森と呼ばれる密林には今でも強力な魔物や魔獣が存在するため、防備のために各国が協力して防衛も行うこととなった。


人族や獣人族は、魔族が魔物や魔獣を操っていると信じて疑わなかったが、リグランド公国には魔物や魔獣の被害も多く、会議に参加した代表者達は目を疑ったと伝えられる。


こうして第1回世界国家会議は閉会し、各国の代表者はそれぞれの国へと戻った。


その後、5年に1度の頻度で開催されているこの会議は現在もリグランド公国で開催されている。


これにより種族間のわだかまりは薄くなったが、いきなり手を取り合えるはずもない。


そこで勇者は、リグランド公国に滞在し、国起こしの起爆剤とするべく秘伝の料理を魔族たちに振る舞った。


これまでの料理の根幹を揺るがす勇者の作る料理の数々は、訪れる冒険者達を瞬く間に魅了し、噂が噂を呼び、各国の料理の腕自慢たちが揃ってこの国に集まりだした。


料理人の中には王宮に仕える宮廷料理人も多くいたと言われているが、誰もがその料理に感銘を受け、料理を振る舞う魔族たちに弟子入りしたと言われる。


ここで作られる料理の数々は後に勇者の晩餐と呼ばれ、その調理法は秘伝中の秘とされる。


こうした経緯もあり、魔族とそれ以外の種族の溝は徐々に埋まっていき、魔族の中にも他国を旅するものも増えてきた。


各地では未だに魔族を敬遠するものも多いが、それでも概ね好意的に受け止められることとなる。


リグランド公国に復興のための礎を与えた勇者は、誰に告げることもなくこの国を去ったと言われるが、勇者の残した料理の数々は、今でも脈々とリグランド公国内の食堂や調理場にて受け継がれている。


リグランド公国は歴史の浅い国であり、礎に勇者が関わったことからその歴史と記録はしっかりと残されている。


それは現代にも受け継がれており、リグランド公国は種族や職業に対する貴賤のない国として受け入れられている。


また、リグランド公国に料理の修行に出たものは、祖国に二度と戻ることは無いことから、その業界では料理人の墓場としても怖れられている。


こうした歴史もあり、リグランド公国は別名『美食の大国』と呼ばれているが、他の国では未だにその恩恵を受けることができていない。



閑話です。

うちのウサギが入院でいなくて寂しいです。



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