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異世界パチンコ経営記  作者: 大野英幸(ひでこう)
9/9

3「鈴の少女」②

客とのダベりパート

 店員さんはそこにいる。そこにいる少女に打ち方を、パチンコの遊び方を教えている。

 ここは異世界で運営している店だ。外見が未成年に見えようが数千歳とか行ってる人もいる。まあ、そのようなことを言われても確かめようがないのだが。数百歳生きていると言っても、それが事実であるかどうか、はっきり言えば確かめようがないのだ。石板でも残っているのだろうか?

 数百年前の文字でさえ何が書いてあるかわからない、わかるように解読する手間が必要であるというのに。 

 残っていたとして、それは読める文字で、文体で、文法で描かれているのだろうか? 魔法、魔術が長けていれば読めるという力業の話なんだろうか?

 と、言うわけで考える時点で無駄なことで、そこだけははっきりとした事実である。

 

 店員さんは教えている。異世界でのパチンコ店なので玉の貸し出しはどういう風になっているのかというところから。

 パチンコとは何かというところから。端折れば、異世界のパチンコというものだけで説明をするしかないのだが。

 


 玉の貸し出しはどうなっているのかと聞かれれば、もちろん紙幣など存在しない世界もある。貨幣ですら存在しないところもある。現物の物々交換というのが言葉としてそのままだろう。

 

 よくわからない生物の皮やらは直接は無理だが、例えばそれの加工品だった場合は交換に応じるといったところだ。そしてその加工品はそのまま景品として陳列されることになる。

 

 古物商? いえいえ、ここは異世界のパチンコ屋さんです。


「お兄さん。これはどういうことなの?」

 店員さんが頭の中で誰かと話し、説明していると、不意に少女が声をかける。

 画面を見ると、少女が鈴を手に祈っている場面だ。

 

「演出についてはよくわからないですね。少女さんがなにかをする、している時、こういう時があったということを、この台、パチンコは演出として拾っているわけですから」

 少女は自分のしていたことの映像を見せられているのだ。

 少し考えてみれば、これはホームビデオのような感じなのだろうか。第三者視点で撮影された自分の姿を見る圧倒的な違和感という感じの。自分の声を録音して聞いて見た時の違和感というもののなにかを。


 店員さんとしては、知らない人がお客さんとして着ているので、それに当たり障りのない接客をする程度の認識であるが、例えば自分の姿が映し出されてそれがパチンコになっていたとなると、そういう契約、仕事でもないとなかなか恥ずかしいものなんだろう。

 

 今店員さんがいる、この異世界のパチンコとは一体どういう風にできているのか、という点から始まる話なんだろうか?

 もしかしたら、今のこの店員さん自体もパチンコとして見られているのかもしれない。

 

 と、考えるだけで終わらせておくのが、この異世界のパチンコ店としては正しいだろう。

 

「祈って目を開いてこっち見たら当たりってヤツですかね」

 と、言い出したすぐに、画面の中の少女は目を開ける。

 開けたらすぐに仰々しいエフェクトが少女の周りを駆け巡り、壮大なBGMと共に澄んだ青空が広がり、緑生い茂る草原が広がり、鳥が羽ばたき少女の脇を通り過ぎ、上から333と数字が振ってくる。

「なにこれ」

 少女は呆れたように声を出す。

 店員さんは知らんがなと思いつつ、画面に対して「なんだこれは」と突っ込みをいれつて。

「あなたが何かを知った時、考え付いた時想像はこういう感じって、こう、それをこう……大げさに考えたらこうなる的な……やつですね」

 店員さんは聞かれたことに対しては率直に、できるだけわかりやすく答える。

「ふぅん……周りの人から見たら、こうなるんだ」

 

 パチンコの演出とは基本的に大げさなもんである。今は特に、昔よりはるかに。


 少女に大当たり時の説明をして、わからないことがあったら読んでくれと、データランプの横のボタンを、ここを押してくれれば来るからと言い、店員さんはその場から離れる。


 

この話はフィクションです。

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