異世界生活-9
体調不良で更新遅くなってしまい、すいませんでしたm(。≧Д≦。)m
「おはようございます」
「お、直人おはよー」
「始める」
『いきなりかい! 挨拶くらいしよーよ……って何、この格好……可愛いんだけど……』
「何見てる」
「今日はホッシーヌがいないからって、ホッシーノで妄想かなー」
「ばっ、してねーし」
『こいつは何ですぐに話を変な方向に持っていくんだよ』
「キモい」
「いやいやいや、ホッシーノさん。してませんからね」
「いい、始める」
「あ、はい。お願いします!」
『って、何の "いい" 何だろう?』
そんなバカ話しも終わって、ホッシーノさんとの組手。
「直人は魔法も使っていい」
「分かりました。ホッシーノさんは……」
「体術、体技だけ。体技での攻撃はしない」
『ハンデがあって良かったよ』
オレは体術、体技は勿論、魔法の使用まで許可された。
いよいよ組手開始!
「かまえ」
『思ってはいたけど、やっぱり道着だったんだ。格闘キャラのコスプレでも流行ってるのか?』
「ボーッとするな」
すごいスピードからの飛び膝蹴りが来た!
「うおっ」
「アチャッ、ホォーォアチャッ」
『マジかよ! この叫び声って』
伝説のアクションスターの様な叫び声に驚くオレ。
『ヤバイ、なんか色々と雰囲気が違う』
「ホォーォホホホォー、フゥー、ハッ、アチャッ」
『下段蹴りと見せ掛けて上段か?』
「アチャッ」
「うぐっ」
『クソッ、そのまま下段だったか』
「遅い」
『このまま距離を詰められたらヤバイな!』
そう思ったオレは魔法を使った。
「バーニングウォール」
「無駄」
『上から来たか!』
体技で後ろに回避しようとしたが発動しなかった!
「ホォーォ」
『クソッ、こんな時に』
「バーニングショット」
『ウソだろう! この距離で避けれんのかよ』
「ホォーォアッチャッ」
上空から落ちて来るようなかかと落としを腕2本で防御した!
『ぐっ、重い!』
防御されたホッシーノさんは、空中で後ろにくるりと一回転して着地しようとしている。
着地と同時にホッシーノさんに回し蹴りをした!
それを難なく右手だけで防御された。
逆にホッシーノさんの回し蹴りを腹部にもらってしまった!
「アチャッ」
「ぐはぁ」
ズザザー
2~3メートルは吹き飛ばされた!
立ち上がろうとして顔を上げた瞬間に顔面への蹴り!
足にしがみついて、何とか威力を殺してダメージを軽減させた。
『容赦ねーな! こっちも形振りかまってらんねーな』
「アチャッ、ホォーォアチャッ、アチャッ、ハッ、アッチャッ、アチャッ、アチャッ、ホォーォ、ハッ」
ホッシーノさんの猛ラッシュ!
脳天に肘打ち、顔面に膝蹴り、フラフラのオレを無理矢理立ち上がらせて、突きの連打!
「ホッシーノ! ストーップ、ストーップ! それ以上やったら直人が死んじゃうよー!」
「あ」
「"あ" じゃないよー」
意識が遠のく中ホッシーナの叫び声が聞こえた。
オレは膝から崩れ落ちて意識を失った。
「直人! 大丈夫かー」
ペシペシ
「ホッシーノ、直人動かないよ。死んじゃったんじゃないの!」
「大丈夫」
「いや、これどうみても大丈夫じゃないでしょう」
意識を失ってから何時間経ったのか……
「うう、あ、いってー」
「おぉ、直人! 目が覚めたのね。良かったよー」
「オレは……そっか、倒れちまったんだな……」
「あ、あれはしょうがないよ。ホッシーノがやり過ぎなんだよ」
「これが実戦ならオレは死んでたな……ハハハ。参ったよ」
「直人……」
『こいつがしょんぼりするなんて、なんか調子狂うな』
「よし! あ、いってー」
「まだ動いちゃダメだよー! ホントは怪我を治癒してあげたいんだけど……ホッシーノがダメって言うんだよね。なんか折角の経験が無駄になるとか……」
「そっか……ホッシーナ。ありがとうな。オレは大丈夫だ!」
「なによ……改まって」
「ちょっとだけ一人にしてくれないか?」
「あ、うん、わかった。じゃあアタシはホッシーノの所に行くね。なんかあったら呼んでね」
「ああ、わかった。ありがとう」
一人になって考えた。
この世界に来て数ヶ月が経ち、特訓も真面目に続けて、自分でも強くなったと実感して、どこか甘く考えていたのかも知れない。
漫画やアニメの様に主人公は死なず、最終的には敵を倒してハッピーエンド!
正直こんな考えだった……。
だが、組手をしてみて良く分かった。
こんなんで魔人だの魔獣だのと戦えるのか?
『オレは死んだらどうなるんだ?』
怖い、怖い。怖さが芽生えて来た。
『こんなんで大丈夫なのか? 考えても分からねー』
「あっ、直人。もう歩けるの?」
「あぁ、何とかな……ホッシーノさん、すいません。もう大丈夫何で続きをお願いします」
「直人は今日はもう無理。これ飲んで帰って休んで」
「だけど……オレ」
「迷いもある。そんなんじゃダメ」
「直人、今日はホッシーノの言う通り、帰って休んだ方がいいよ」
「分かりました! 明日からまたお願いします」
オレは一礼して宿屋に向かった。
「らっしゃい! って、にーちゃんじゃないか! おいおい何だよ血だらけじゃねーか! どうした? 大丈夫なのか?」
「ああ……えっと、森で昼寝してたら魔獣に襲われて……アハハハ」
「森で昼寝たぁーていしたもんだな! 兎に角無事で良かった。命あってのもんだからな」
「あ、はい」
「流石に血だけの体で風呂に入られちゃ困るから、後で湯とタオル持っててやるから今日はそれで我慢してくれな」
「助かります。お手数かけてすいません」
「良いってことよ」
コンコン
『宿屋のオヤジさんはさっき来たし、誰だ?』
「はい」
「直人、アタシ」
『ホッシーナ?』
ガチャ
「ここに来るなんて珍しいな」
「うん、ホッシーノがコレを直人に持って行けって」
「新しい道着か」
「今まで着てたの血だらけで汚れちゃったでしょう」
「助かるよ」
「体はもう大丈夫なの?」
「ああ、貰った薬みたいなの飲んだら楽になったよ」
「あ、そうだ! コレも飲めって」
「さっきのと同じなのかな? あれ不味かったんだよな……」
「さっきのと違うと思うけど味は……ねえ」
「不味いんだな! ちょうど良かった。ホッシーナに聞きたい事があるんだ」
「なーにー?」
「正直に答えてくれ! オレは死ぬのか? 死んだらホッシーナと出会った、あの日のあの時間に戻るのか?」
「前にも言ったけど、元居た世界には直人は存在してるの」
「違う! そうじゃない……ハッキリと言ってくれ」
「……分かった。直人は死んだらそれまで……此処に居る直人は存在しなくなる……」
「そうか……分かった。ありがとう」
「あ、うん」
「因みに元居た世界に存在してるオレはどうなるんだ?」
「もしも直人が死んだらもう一人の直人が、本来直人が歩む筈だった人生を代わりに生きるの」
「何の為に?」
「突然直人が居なくなったら家族や友人が悲しむでしょう」
「そうかも知れないけど、オレはよ! お前ら都合なんだな」
「最初にちゃんと説明したじゃんよ……」
「あれがか? あー、もういいや。もう寝たいからまた明日な」
「うん、じゃあね……」
本当は自分も悪いと分かっていた。
願いを叶えてくれると言われて、自分の欲望を満たす為にこの世界に来た。
この世界で暮らして魔人を倒す! そう聞かされた時に断る事だって出来たはず……
どこか英雄だの勇者気分だった。
『そんな浮かれた気持ちのオレが、ホッシーナに八つ当たりなんかできねーよな! 話も途中で終わらせて追い返したみたくなっちまったな…』
自分が死んだらどうなるのかもハッキリと聞けた。
甘えも反省した。
吹っ切れたとか、もう後悔は無いとまではまだ言えないが、でも、それでも、もう迷わずやれる事はやる! 腹決めた! ヨシ! やるぞ!
組手2日目!
「おはようございます。昨日はすいませんでした」
「ふーん」
『えっ?』
「ホッシーノさん、何ですか?」
「始める」
「えっ、あ、はい! お願いします!」
結局2日目も3日目もボロボロにされて終了……。
3日間の組手特訓が終わったあと、ホッシーノさんから指摘されたのが……
「魔力放出がヘタクソ」
「す、すいません。自主練します……」
「体術はそれなりによかった」
「ありがとうございます!」
『おぉ、ホッシーノさんからのお褒めの御言葉! ヨッシャー』
ホッシーノさんとの3日間の組手も終わり、お次はホッシーヌさんとの模擬戦。
ホッシーヌさんに、ホッシーノさんとの組手はどの様に行なったのかを聞かれたので、対人、対魔獣、複数人の相手を想定した組手を、1日ずつ行なったと話した。
「それでは、私との模擬戦もその様に行なう事にします」
「分かりました。よろしくお願いします」
読んで頂きありがとうございます(^o^)/
約束では魔獣戦まで書くと言ってましたが……
すいません(;´д`)
そこまでいけませんでした……
体調も良くなったので頑張りますので、応援お願いします!( ̄- ̄)ゞ