異世界生活-7
「あっ! ホッシーヌからの連絡だ」
何やらホッシーヌさんと会話しているようだけど、ホッシーナがガクガク震えている。
「い、今からホッシーヌ戻って来るって」
「そうなんだ。もう交渉終わったの?」
「みたいよ…」
『おーおー、ホッシーナが怯えてる怯えてる。ケッケッケ』
「上手く交渉出来て良かったな」
「そ、そうね」
『いいぞいいぞー』
「早く来ないかなー」
「アンタはなんか嬉しそうね」
「嬉しそうに見えるか?」
「あー。そーゆーことねー」
「何がそーゆーことなんだよ」
『何なんだ…』
「2人共お待たせ」
ビクッ
『おっ、今ビクッたぞ』
「ホッシーヌさんお帰りなさい」
「ホッシーヌお帰り。ホッシーノ来てくれて嬉しい…ちょっとタンマタンマー」
『ん? なんだなんだ?』
「ほら、ホッシーノ。先ずは挨拶して」
「わかった。7番星担当ホッシーノよろしく」
『えっ、めっちゃ棒読み何だけど…怒ってるの? ダルいの?』
「あ、直人です。此方こそよろしくお願いします」
『あれ? もう居ないんだけど…シカトってことかなぁ』
「ホッシーナ! 覚悟」
「ちょっとホッシーノ待って待ってよー。ちゃんと謝ったし、反省もしてるー」
「ダメ! ポコポコにする」
『何これ? てかポコポコって…』
「ほら、2人ともいい加減にしなさい。直人さんが困っているわ」
「そ、そうね。直人が困ってるわね」
「あ、いや、オレは大丈夫だから」
「こう言ってる」
「直人ー」
『ポコポコ見てみたいな』
「2人共、ホントに止めないと」
ビクッ
「やめますやめます」
「やめる」
『今2人共ビクッたぞ! ホッシーヌさんてホントは怖いの?』
「余り時間が無いんですから、その辺で終わりにしてくれないかしら」
「わかった」
「分かって貰えて嬉しいわ」
「それでこの人間を鍛えればいい?」
「そうよ。それに、この人間ではなくて、直人さんですわよ」
「直人、わかった」
『ホッシーノさんて大丈夫なの?』
「ホッシーノ…直人をよろしくねー」
『珍しくしおらしいな』
「あそこの木からあそこの木迄を往復100」
「えっ?」
「始め」
『いきなり言われてもわかんねーよ! どの木よ』
「あの~。もう一度、どの木か教えて下さい…」
「あの木とあの木。始め」
「100ですか?」
「始め」
『人の話し聞こーよ』
言われた通り走り込みを始めた。
「ハァハァ。ハァ…もう走れない」
30往復して少し休んだ。
スーッ
「おわ!」
突然目の前にホッシーノさんが現れて蹴り飛ばされた!
ズザザー
「ゲホゲホ、いっってー。何するんですか!」
「休んで良いって言ってない」
「いや」
「1からやり直し」
「だから」
「やり直し。始め」
「話を」
「始め」
『ホント人の話し聞かねーな』
「分かりましたよ!」
『あー』
結局あれから2回蹴り飛ばされて、何だかんだで200往復以上した…。
「やっと、やっと終わったー」
「次は腹筋100」
「いや、あの、少し」
「始め」
『やっぱこうなるよな…』
腹筋を始めて暫くすると…ホッシーノさんがオレをずっと見てる。
『なんか嫌な予感がすんだけど…怖えーよー』
そんな事を思っていたら!
「ズッこい」
そう言った直後。
「ぶへぇ」
マウントで殴られた!
「ちょ、ちょ、止めて下さいよ」
「インチキ」
「してないですよ!」
「やり直し。始め」
「説明くらいして下さいよ!」
「腹筋はこうやる」
ホッシーノさんが実際に腹筋をして、手本を見せてくれた。
『あそこまで上体起こさなきゃダメなのかよ…』
終わるまで結局200以上かかった。
「もうムリ…休憩させて下さい」
「まだ、次は腕立て伏せ100」
「休憩くらい取らせてあげないと、直人さんが倒れてしまいますわよ」
『ホッシーヌさん…ありがとう』
「わかった。5分休憩」
『たった5分かよ!』
「あ、ありがとうございます」
「これ飲みなー」
「おお、サンキュー。ってこれ何?」
「ス、スポーツドリンクみたいな物よ」
「スポーツドリンクにしては色がピンクって…」
『ホントに飲めるのか…? まぁ、茶色とかよりはいいか』
「飲めば分かるわよ。早く飲んで」
『急かすとこが怪しいよな…』
覚悟を決めて飲んでみた!
「梅味でウメーよ」
『ダジャレになっちゃった…ハハハ』
「でしょーでしょー。ダジャレは下手だけどねー」
『やっぱ言われた…』
「5分」
「あぁ、まだ飲んで…」
「休憩終わり」
まだ飲んでるスポーツドリンクを取り上げられた。
『この人ドエスとかじゃなくて、性格に問題ありでしょう… ホッシーナの方がましだな。うん』
特訓再開!
腕立て伏せは順調に進んでいた。はずだった…
『お! 50迄やったけど指摘されないぞ!』
そう思ったのもつかの間。
「うぉっぷ」
思い切り背中を足で踏みつけられた!
案の定と言うか、もうお決まり!
「ダメ。やり直し!」
「何がダメ何ですか?」
『ずっと同じやり方だったのに、今更とか絶対狙ってるよね!』
「こうやる」
またまた、ホッシーノさんが手本を見せてくれる。
胸と顎が水平になる感じで、やや顎が胸より出てて、地面に顎が当たるまで下がる。
そして腕がちゃんと伸びるまで上がるらしい。
言われた通りにやってみたけど、これが結構キツイ!
『マジかよ…もう腕がプルプル何だけど…』
それから3回踏みつけられてようやく終わった。
「ハァハァ。お、終わりました」
「次、反復横飛び100」
「少しでいいので…」
「足は休憩してた」
「はいー?」
『足は休憩してた…? どういう事?』
「始め」
「せめて最初に手本見せて下さい!」
「ダメ。始め」
「何でですか?」
「始め」
「分かりましたよ!」
『あれ? 終わっちゃったけど…』
「お、終わりました…」
『いいんだよね? ok何だよね?』
「ホッシーノー。少し暗くなってきたし、今日はこの辺で終わりにしないー……」
『ホッシーナ。良いこと言うじゃないか! 今日はもう勘弁して下さい!』
「今日は終わり」
『やったー』
「有り難う御座いました」
「直人。一人で宿屋さんまで帰れる? 送ろうか?」
「ダメ! 宿屋に戻る迄が特訓」
「頑張るよ!」
「ムリしないでねー」
『何だかんだ言ってもホッシーナって優しいな』
「直人が倒れたら、次の人見つけるの大変なんだから倒れないでよー」
『前言撤回しますよ!』
「ひでー奴だな」
「ジョーダンよ。ジョーダン」
「本気」
「ほらほら、遊んでないで解散するわよ」
「わかった」 「ハーイ」
「直人、じゃあねー」
「直人さん。また明日」
「明日」
疲れた身体に鞭を打って宿屋に帰るオレ
「明日から地獄じゃないか…トホホ」
読んで頂き有り難う御座います(^o^)/
ちょっと変わった巫女登場!
もう少し特訓にお付き合い下さい(^o^ゞ