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2話目です。

攻略対象の少年(青年)が出てきますー。

よろしくお願いします。


「えっと…」

非常に困った。

というかすごく迷惑。

何故、私にそのセリフを言う?

話した事のない私に。

貴方にはその言葉を言うべき幼馴染がいるでしょう?


「ごめんね?いきなりでビックリしたよね?

まずは自己紹介からかな。

私の名前は御影(みかげ) 皐月(さつき)

この学校の生徒会長です」


黒髪の美少年はニコッと綺麗な笑みを浮かべてから頭を下げてる。


えぇ。知っています。

貴方の事はよく知っています。



御影皐月。

攻略対象の1人。

正統派のイケメンである。

硬派である事で有名だが、ヒロインに対しては甘々になる。

黒髪黒目のイケメン。

彼には幼馴染(攻略対象の1人)がいる。

ヒロインに惚れた理由(コンセプトのようなもの)

『退屈な日々に光をさしてくれた貴方の笑顔がとても素敵だったから』だっけ?


……あれ?私、入学してから笑ったっけ?

素敵な笑顔、浮かべてたっけ?

…笑顔は浮かべてないよね?

ニヤニヤはしてたけど。

それに攻略対象の少年達に目をつけられないように無表情のはずだし。


あれ?え、何、皐月くんはニヤニヤしてる私の顔を見て『素敵な笑顔だ』って惚れたの?

おかしくない?

なんかフィルターでもかかってる?


…どうしようかな。


「すみません。会長である事は知っています。入学式でみましたから。でも、私は貴方の事を会長である事以外知りません。貴方も私の事をよく知らないかと思います。それに、私恋人を作る気は無いので。だから、すみません。お付き合いできません」


そう言って私は頭を下げる。


……すみません。皐月くんの事はよぉーく知っています。なんせ推しCPだったので。


「え、えっと…頭を上げてくれないかな?君に頭を下げさせたくて、困らせたくて言ったわけでは無いんだ。私が貴方の事を思っていると知っていて欲しかっただけなんだ。…でも、」


そう困ったように笑ってから、


「…付き合ってみて、お互いのことを知るのもアリだと思うんだけど、難しいかな?」


と、言った。


…はい。難しいです。

それに、言ったよね?恋人を作る気はないって。

私は、付き合う気が、全くもって、これっぽっちも無いから。

てか、凄いぐいぐいくるな。

硬派設定どこいった。


「すみません。そんないい加減な気持ちで付き合えません。それに、先程言ったように、私は恋人を作る気はないです。…貴方には、もっと相応しい人がいると思うのです」

はい。私は貴方と幼馴染さんとの絡みが見たいのです。


「………そっか……」


皐月くんは残念そうに眉を下げる。

それはもう、ほんと、残念そうに。

その顔はやめてほしい。

違う意味でゾクゾクしてくるから。


「…おい。皐月…彼女困ってるだろ。この辺でやめとけ。しつこいって嫌われるぞ」

藍色の髪の美少年が現れた。

皐月くんの頭をポンポンと叩きながら現れた。

大事だからもう1度言う。

頭をポンポンしながら現れた。


「…う、弥生…やめてよ」

ちょっと鬱陶しそうに手を払いのけようとした。

けど、その手は頭から離れる事は無い。


…待ってましたぁぁあーっ


(やなぎ) 弥生(やよい)

生徒会副会長。

攻略対象の1人。

皐月くんの幼馴染。

藍色の髪と瞳をもつ美少年。

そして、皐月くんのカレシ。(私の中ではデキている)


「あー…えーっと、ごめんな。皐月が迷惑かけて」

弥生は皐月くんの頭を押しながら2人で頭を下げる。


なんで貴方が謝るんですか夫婦ですかありがとうございます。


「いえ、大丈夫です」

ホント来てくれてありがとうございます。

ご馳走さまです。


「そう言ってくると有り難……」

頭を上げた弥生は私の顔を見て固まる。

…何故、固まるのです?

私の顔になんかついてる?


「っつ…」

弥生は小さくそう発して顔をそらしてしまった。


……なんで顔をそらすのです?

何故、顔が赤いのですか?耳まで真っ赤ですよ。

何処に、この会話の何処に赤くなる要素ありました?


「あの、どうかしましたか?」

凄い気になったので、聞いてみた。


「ぅえ?あ、…えっと……なんでもない!」

もっと私から顔を背けてしまった。


え、凄い吃ったんですけど?

皐月くんもビックリした顔で貴方の事を見てますけど?

そりゃぁもう、こんな反応ありえないって顔で。


弥生は完璧人間ですからね。

質問した事は直ぐに答えてくれる。

普段は笑わないけど、ヒロインと皐月の前だとよく笑う。

凄く、嬉しそうな、優しい笑顔で。


そんな彼が直ぐに答えられないどころか吃ってしまうなんて。

皐月くんがビックリするのも頷ける。

私もビックリしたから。


…ヒロインに恋した理由、なんだっけ?

…あぁ、

『ずっと抱えていたモノを打ち砕いて、狭まっていた世界を広げてくれたから』だっけ?

ちゃんと覚えてないわ。


でも、今回は私、何もしてないよね?

だって、話したのだって初めてだし、打ち砕くもなにもないわ。

よって恋愛フラグは立てていない。


それに打ち砕いてくれる人、隣にいるでしょ?

なんで、そっちを好きにならないのさ。

性別?

そんな壁ぶっ壊しちゃえよ。

私は男同士とか気にしないからさ。

むしろウェルカムだから。


「と、とりあえず皐月が困らせたようで悪かったな。…ほら、行くぞ?皐月」

顔の赤みが落ち着いた弥生が皐月の背中を押す。

…とりあえずってなんだ。


「え、あ、うん…

一ノ瀬さん。またね?あ、これから友達って事でよろしくね」

皐月くんはそう手を振りながら弥生に連れられて行った。


…ホントぐいぐいくるな。

ていうか、今、友達って言った?

私、これから金輪際関わる気なかったのですが。

影から貴方がたの絡みを見る気満々だったのですが。


「はぁ…。ヒロイン補正なんて、いらないんだよ。私は影に…空気になりたい」


なんで、スタートから攻略対象の少年と関わってるのさ。

関わる気なんて無いのに。

影から見守るつもりだったのに。

あ、私、当て馬にならなきゃいけないからどの道関わらなければいけ無いの…か…?

めんどくさいな。


あぁ、今日が終わる=明日がくる。じゃん?

明日がくる=教室に行かなきゃ。じゃん?

嫌だなぁ。教室行きたくないなぁ……

何故かって?

居るからだよ。教室に。しかも隣の席に。

私が1番嫌いなキャラが。

…攻略対象の1人が……



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