栗まんじゅうが異世界に来ました
あの栗まんじゅうが異世界に来たらすごくね?ということで書きました。
とある世界で――――
ある国は干ばつで作物どころか雑草まで干からび
ある国では洪水で何もかも流された
ある国では大量発生した害虫が草木だけでなく動物や人間まで食べだした
世界中なんやかんやで飢饉が発生し人類は滅亡の危機に立たされた
エーイ王国ボウ町教会にて
「神様、どうかこの町をお救いください。私はどうなってもかまいません。何とぞ食べ物をお恵みください。」
もはや神父もいなくなった教会で一人の女が熱心に祈りをささげていた。
突如謎の光とともに声が響いた
「えー?人一人と町一つってつりあわなくねー?」
熱心に祈る彼女にその声は届かない。ここ数日水しか飲んでいないせいもあって頭がろくに働いていないのだ
「もしもーし聞こえてないのー?」
ぶつぶつと意味不明なことを訴え続けている。
ざんねん!!かのじょの しょうきは これで おわってしまった!!
「しょーがないなー、五分毎に増える栗まんじゅうあげるから食べな。あるていど増やしたらちゃんと最後まで食べきるんだぞ」
声と光がおさまった後、教会には意味不明な祈りをささげる女と、甘いにおいのする栗の実が残された。
「なにやら甘いにおいがするぞ」
「栗だ!栗があるぞ!」
「どうやって食べよう」
「まずは皮を剥け」
「茹でてから剥いたほうがいい」
「やわらけえぞ!そのまま食えるぞ!」
教会から漂って来る甘い匂いに誘われて人がたくさんやってきた。それらによって次々と栗が持っていかれる。町中の人が栗を持っていってもなぜかそれは減るどころか増えていた。
こうして町は救われた。
熱心に祈っていた女は、がっついて栗をのどに詰まらせて生死の境をさまよったが、それ以外に被害はなかった。
「ぎゃあたすけてーつぶされるー」
「もう食いきれないよ」
「なんで町中総出で食べてるはずなのに増えるんだ」
「い、家がー」
増え続ける栗はあっというまに町を飲み込んでいき、国の知るところとなった。
王はこれ幸いと飢えた国民に栗を食わせて、あとわずかというところまで食べつくした。
すべて食べつくしては新しい作物ができるまで食べるものがなくなってしまうので、一つだけ城に保管しておくことにした。この判断がエーイ王国の滅亡につながるとは、このとき誰も気づいていなかった。
そして よが あけた。
神に与えられた栗まんじゅうは
5分後に1個が2個となり、一時間後には4096個となります。
二時間後には1677万7216個
三時間後には、687億1947万6736個
五時間後には、115京2921兆5046億0684万6976個
八時間後には、1予9342垓8131京13834兆0667億9529万8816個
城の中にそれだけの栗まんじゅうがあふれたら、単純に城が壊れます。中の人も無事ではすみません。
ほとんどの栗まんじゅうはつぶれて増殖能力を失ったが、わずかに無事なものから倍々に増えていきました。
城が崩壊して中にいた人が全員圧死して国中が混乱しました。
城跡を見て食べるだけではなくつぶせば増殖が止まると知った国民は次々と栗をつぶしていきましたが、見落としてしまった栗が増えてしまいどうにもなりませんでした。
つぶすのに疲れていった者が倒れていき、国中が栗に埋め尽くされていきました。
こうしてエーイ王国は滅んでしまいました。
「ククク・・・エーイ王国が滅んだようだな。食料がなければ肉体を維持できないとは、人間は脆弱だな」
「よくやったぞサイジャーク。これでこの世界は我々魔族のものだ。」
「魔力さえあれば生きられる魔族にとっては食料などというものは意味を成しません。」
「死体が腐ると臭うのが困るけどナー」
「ガオー」
どうやら飢饉は魔族のせいだったようです。しかし、エーイ王国が滅んだのは神の栗まんじゅうのせいなのですが、そのことは魔族にはわからなかったようです。
「グアアアアア」
魔族四天王の一人サイジャークの悲鳴が響きます。
「どうした、サイジャーク」
そこには大量の栗らしきものがサイジャークを押しつぶしていました。
「「「なんじゃあこりゃああああ」」」
様子を見に来た残りの四天王もつぶれました。
「ぐふっ」
魔王もつぶれました。
こうして魔族も栗まんじゅうにつぶされました。
この話のオチも栗まんじゅうにつぶされてしまいました。誰かオチをください。




