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二十二話

 皿洗いも終わって、テーブルに置いてもらったみかんを手に取った。 少し傷がついているが、確かに他のみかんと比べると綺麗だ。

 みかんを手にソファーに腰を下ろした。 テレビのチャンネルを変えて、おもしろい番組を探すも見つからなかった。 仕方なしに、ほのぼのしている旅番組を見ながらみかんを食べることにした。

 小さいころ、みかんを食べるたびにお母さんから『白いスジは栄養あるから食べなさい!』と言われてた。 今ではもう違和感なしに食べれるけど、当時は口に残るものがあって嫌だった。

 その点、将は俺と似ている。 せっせとスジを取ってからみかんを口に運んでいる。


「友達とうまくやってるか?」

「みおちゃんとは、なかよしだ。 ただへんなこがいる」


 将とみおちゃんが遊んでいたら、変なしゃべり方をする子たちに「一緒に遊びたい」と言ってからんできた。 しかし、みおちゃんが嫌そうな顔をしていたから断ったらしい。 それ以来、二人で遊んでいるとちょくちょくからんでくるという。

 俺としてはみんなで仲良くすればいいと思うわけだが、それだけだと無責任に感じる。


「将はどうしたい?」

「ショウは、いちどあそんでみたいとおもっている。 それであうか、あわないか、わかるとおもう」


 しっかりとした考えを持ってることに驚く以上に、これからの成長に期待してしまう。


「だったら、みおちゃんにもそのこと言って、一緒に遊んでみたらいいんじゃないか?」

「でも、みおちゃんがイヤっていったら……?」

「イヤって言っても一緒に遊ぶべきだと俺は思う。 たぶん、みおちゃんは話し方からその子たちのことを判断しているんじゃないか? つまりは第一印象で決めている、というやつだ」

「せんにゅうかんをもってはいけない、というわけか」


 察しが良くて助かります。 「そういうこと」と頷く。 それに、見た目だけで人を判断するのはすこし勿体ない気がする。

 変なしゃべり方をするから悪い人なんて決めつけるのは間違ってると思う。 実際に話して、一緒に遊んで、それから決めてもいいじゃないか。 話して初めて分かることもある、一緒に遊んで気が合うかもしれない。 そうやって、友達というものはできていくと思っている。

 将もみおちゃんもまだ友達が少ない。 これを機に友達の輪を広げてほしい。


「嫌だって言っても、なんとか説得してみてくれ」

「ガッテンしょうちのスケ!」

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