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ある晩秋の土曜日の朝。
前日の夜からパソコンに向かい、信じられない集中力で一気に完成させて
勢いままに投稿しました。
徹夜明けである事と、投稿した興奮のせいでしょう、
視界が妙に冴え渡り、あらゆるものがギラついて映りました。
カーテンの隙間から漏れる朝の光が、
馬鹿らしいと思われるかもしれませんが、
天からの祝福のように思えました。
そして、大きな達成感と少しの不安が入り混じった
複雑な気分も強く記憶に残っています。
どのくらい再生数は伸びるだろうか?
サムネイルは少し地味すぎたかもしれない。
スルーされたらどうしようか?
コメントはつくのだろうか。
マイリストには登録してもらえるだろうか。
もしかしたら、ひどい曲だって叩かれたり荒されたりするかもしれない。
そう、僕の不安を煽る色々な要素、その中で大きなものの一つが
「叩かれ」たり「荒され」たりするという可能性でした。
不特定多数のユーザーがいるニコニコ動画。
動画の内容には全く関係のない酷いコメントを浴びせ、
投稿者や他の視聴者を不愉快な気分にさせる、そんな人達が存在します。
投稿して多くの人目に晒す以上、そういった人達に絡まれる可能性も
覚悟しなくてはなりません。
そのような所謂「荒らし」に迷惑被った場合、
その後の活動に悪影響となる事も多いようです。
僕もある程度は覚悟しなくては。
覚悟・・・覚悟・・・。
そして翌日、自分の動画の状況を恐る恐る確認してみました。
鼓動が早まるのをハッキリと感じ、マウスを握る手は汗ばんでいました。