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そろそろ、彼女を作り上げたのは僕だと言う事を明かしてもいいころです。

もちろん彼女自身の存在は「秘密にしたまま」で。

ところが・・・というか当然でしょうか。ここで問題が起きました。

彼女がそれに不満を表しました。自分も表に出て自分を語りたいと。

・・・今の、自分の状況を良く理解していないようです。

どうしてネット上で、まるで天使のような存在として扱われているのかを。

初音ミクの顕現に等しい・・・少なくともそれに近い存在になれたのかを・・・。

あくまで彼女の出自詳細は謎のままであるべきで、

それが自分の「立場」を保つに必要な条件であるのに。

事実を明かしてしまえば、その場限りの人気者で終わってしまうということも。

普段学校であまり良く扱われていない事の反動でしょうか。

それは今回の計画を成し遂げるに功罪あったようです。

彼女がここまでのぼりつめる上での大きな原動力となりましたが、

最後の最後で面倒を起こしてもくれました。


なるほど、確かに彼女が名乗り出たとしても、真実は真実。

彼女を、この状況を作り上げたのは間違いない僕です。

彼女もそれを良くわかっています。

だたら僕はもう、彼女を、初音ミクの顕現をこの手におさめていると言えます。

だけどしかし、だからこそ、僕が今の彼女を、

「本当」のアイドルを生み出し、コントロールしてきた・・・

言ってしまえば僕の「モノ」だと言う事を示したいのです。

それが、苦労して進めてきた計画の大切な目的の一つです。

そして、とても重要なことですが、僕が欲しいのは、

あくまで「神格化された」彼女です。

ただの人気者ではない、架空の生き物のように曖昧で、

語り継がれるに資する存在であることが大切なのです。


一言でも「肉体」を感じる情報を発した瞬間に、それは簡単に崩れ去ってしまいます。



僕は初音ミクが「欲しかった」

みんなのミク?

冗談ではありません。僕のもです。

ミクの姿・声はもちろん、ネットを漂うその存在感全てが欲しかった。

そして、もし可能ならば、その体に触れてみたかった。

現実と空想の境を見失った人間の、馬鹿げた話なのはそのとおりです。

でも、だからこそ、とり得る事の出来る次善の策として今回の計画を組み上げました。

誰かにミクを「かたがわり」させるしかない。

ミクと同じ意味を持つ、ミクそのものと言えるまでに同質化させた、

少なくともそれに近い、そういう存在を作り上げるしかないこと。

僕はそれに、完全とは言えないかもしれませんが概ね成功したと思っています。

少なくともネット上での反応を見る限りはそう思えます。

そして、彼女をミクとして生まれ変わらせたのは僕で、

それは彼女も同意する二人の真実です。


だからそれは僕のもの。


しかし今のままでは、以前に陥った、思考の中で完結し満足を得ようと

足掻き苦しんだ挙句に失敗した、その経験を無駄にして繰り返す事になります。

だから、僕の彼女への関わりを、彼女を創り上げたのは誰であるのかを、

彼女の神性を保ったままで世に知らしめる必要があるのです。

真実は、多くの人に共有されてようやく事実となりえます。




つづく


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