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1:ひとり

そりゃフィクション

薄暗い部屋にいると何故か安心する。

部屋だけじゃない、この家の明かりはほとんど点けていない。


視界が狭くなる事で、広さを感じないからだろうか、


ひとりで暮らすには広すぎる。


あらゆる生活感を感じる家具や飾りが目に毒だ。


瞼の裏に残る記憶を甦らせない様に、何も見ない。



とは言え、何も見ないのでは話にならん。

漫画・雑誌・ゲームを購入しては飽きるの繰り返しを惰性で続ける俺。

あー生きるって何て面倒なんだろう。と思う。

大変さは無い。金なら手に余る程あるからな。遺産万歳だ。


さて、今は何時かな。一応三食決まった時間に食べているもんでな。

お、丁度お昼か、シャッターやブラインドのおかげで日の入らないこの家は昼でも暗い。

夜は照明を足元だけ薄暗く点ける。真っ暗でもOKだが何となくだ。

最初は鏡が怖かったが今や恐れるものなど何もないぞ。本当だ。

寒いと気分的に良くないので暖房ガンガンにしてひたすら寝る。

これがまた気持ち良い。そんな経験誰しもあるだろ?

俺は昔からこうだ。

飯は何しよう。ピザの出前をとるのは負けな気がするから寿司にしよう。そうしよう。



特上でも無い寿司を口に放り込みながらパソコンに向かう。

いや、それ以外することないしな。何をすると言ってもオンラインRPGぐらいだ。

これがなかなか時間を潰せるのだ。終わりってもんがないんだよ。

まぁ単調だからすぐ飽きちゃうんで違うゲームもするんだ。もちろんRPG以外もな。

・・・



・・・一息入れてみると時計が午前2時だと主張していた。

時間を守って四六時中ネトゲ三昧を規則正しく続けるこのA型の俺が!

夜飯も食ってなかったと同時に気づくが仕方ない。このまま寝てしまう事にしよう。

パソコンの電源を落しベッドに滑り込む。

しばらくして、睡魔もほどほど近づいてきた頃。異変を察知した。

何やら金属音がしている。電源を落し損ねたか、それか家電機器か何かか、

確かにこの家は空調設備や防犯装置、電化製品が家中に上手い事詰めてあるので

通常ならばそんな音がしないでもない。だが、それはこの家の場合有り得ない。

お休みモードのおかげだ。念の為、壁のパネルを確認するか・・・。

おい・・・。体が動かん。これは、何だっけ、金縛りってやつか!

小学生の時怪談とかで読んだな。終いには息まで苦しくなってきやがった。

ここで何か幻覚でも見ちまうのだろうか、御免被るんだがコレ・・・。


何とか出来ないかものかと足掻くがどうにも動けないので終に全身の力を抜いてみた。

要するに諦めて寝る事にした。その時だ。


急に眼の前が真っ白になった。目が〜目が〜!!違うっ。眩しすぎる。これは。

数分もの間をおいてやっと視界が鮮明になってくる。

おいおい、明かりがMAX点いてるじゃねえか。ちくしょう。

ゆっくりぼやけた頭を振りつつ立ち上がり壁のスイッチに手をかける。

消えにゃい。どうなってやがる。何度押しても消えない。壊れたか?

とりあえず1度システム再起動させるか・・・。

ブレーカーを落としてまた点けるだけでOKだ。無理なら明日業者を呼ぶしかない。

とにかく、今の状態は非常に精神的に悪いのだ。

あまり周りを見ない様にしながら家の中心へと歩を進める。

リビングにそれはあるのだが、扉を1つ1つ開けながらテーブルと椅子を視界の端に捉える。

一番見たくないこの場所、以前なら一家が揃うはずの家の中枢。

ダメだダメだ!寂しいとか全然無い!

ブレーカーのある所へは手が届かないため椅子を脚立代わりにし、

って椅子が重い、筋肉落ちたなあ。よいしょと力いっぱい引きずる。

そしていざ上に乗ろうわあああああああああああああああああああああああああああああああ


椅子を踏むと生暖かくて柔らかい感触がした。

思わず目を開けてしまった。が、普通に椅子をしている。

ナマコでも乗ってたのかと思ったぜ・・・。だが、本当に生暖かいな。暖房のせいか?

椅子に乗るなんざ普段しないものだし気に留める事も無いかと嫌な感触を振り払いながら

椅子に立ちブレーカーへ手を伸ばした時、バランスを崩してしまった。

ちょ、危ねー!!見事に背中から落ちていく。これ死にはしないが相当痛いぞ。きっと。


気づけばまだ明るかった。というか気など失っていない。

どうやらクッションがあったようだ。そんなものあったっけな?

手で触るがクッションではない。これ人肌じゃね?明らかに。

両手で触ると膝の様な感触だ。さては膝枕だな。


目を開けるとそこには事故で両親と共に死んだはずの妹がいた。

「おー、久し振りだな。俺あんなので死んだのか?」

俺が当たり前の様に言うと妹は優しい目をしながら口を開いた。

「あんた、目瞑りながらゴソゴソしてアホちゃうか。落ちるに決まってるやろ」

これ関西弁。紛う事無き関西弁。お笑い芸人以外で喋ってるの初めて聞いたぜ。

妹は普通に標準語だ。まさかあの世の言葉は関西弁だったのか

「何を言うてるの?ちゃんとキャッチしたげたんやけど、頭打った?」

妹は俺の頭をポンポンと叩くと俺を起こさせた。

「ほら、ここあんたの家。まだ死んでへん。」

「そうだったか、で、妹よ。あの世からわざわざ俺に何の用か」

「妹ちがうしー」見た目だけか、なら。

「死神だな。君が来るのを待っていたよリューク」

「死神でもないわっ!」痛っ殴ったこの子・・・。だって黒い服着てんじゃん・・・。

この妹でも死神でも無い少女はよく見れば薄いピンクかかった髪をしていて、

身の丈に合わない大きな黒のフード付きのパーカーを着ていた。

下、何も履いてない様に見える。白と黒のボーダーニーソックスは履いてるが

「その格好。とってもダサいぜ。」また殴られた。

「いや、うちの趣味でも無いんやけどな(怒)」

(怒)って・・・。じゃあ、何でそんな格好してんだ。

「させられてるんよ」誰にだ。

「ひみつー」あっそ。

「で、何か用か、不法侵入者よ。てか何者?」

曲者であり、人間でも無い様な感じがする。だって妹の顔してるし

「うちはね。あんたに生きるチカラを与えにきたんよ」

え?なんだって・・・??


桜散っちゃった;;

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