第二章 第4話「影の深淵」
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都市部の夜。
透真――篠原透真は、戦闘で疲労を抱えながらも、フェトラルの鎖を腕に巻きつけ、仲間の御影詩音と天城零司と共に街の廃屋に身を潜めていた。
(影の正体……一体何者なんだ?
あの赤い瞳、そして触手の動き……学園での黒咲怜二と同じ……いや、それ以上だ)
黒光の鎖が微かに光り、腕を締め付ける。
フェトラルは意思を持ち、透真に警告を伝える。
『主よ、警戒せよ……影はより深淵から現れた』
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遠く、煙の向こうで巨大な黒影がうごめく。
赤い瞳が光り、無数の触手が都市の建物を覆い尽くしている。
その異様さは、昨日の戦闘をはるかに超える威圧感を放つ。
「……やはり外界の脅威は、学園内の比じゃない」
天城が雷光を拳に纏い、透真に目配せする。
詩音は水流の刃を整え、深呼吸をして戦闘の準備を整える。
「三人で行くぞ……!」
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戦闘開始。
透真は鎖を宙に振るい、触手を絡め取りつつ、天城の雷光で攻撃を補助。
詩音の水流が追撃し、敵の再生力を封じる。
都市部全体が戦場となり、黒光、雷光、水流が入り混じる光景はまさに異世界のようだった。
しかし、影の中心に立つ赤い瞳の異能者――巨大な敵が次々と触手を伸ばし、三人を囲む。
威圧感は圧倒的で、街の建物も揺れるほどだ。
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透真は鎖を全力で伸ばす。
黒光が渦を巻き、触手を絡め取り、天城の雷光で一気に弾き飛ばす。
詩音の水流が残る敵を分断し、三者の連携攻撃で押し返す。
(……これが、深淵の力か。
でも俺たちは負けない。仲間と共に戦う力を手に入れたんだ)
三人の連携は昨日よりも格段に強化され、都市部の戦場で敵の動きを完全に封じる。
だが、影の深淵はまだその全貌を現していなかった。
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戦闘後、透真は屋上に戻り、夜空を見上げる。
遠くに赤い瞳が光る影が消え去ったわけではなく、深淵からの敵はまだ潜んでいる。
「……七つの宝具を巡る戦いは、これからもっと大きくなる」
黒光の鎖が腕に巻きつき、微かに脈動する。
フェトラルの意思が、透真に次なる戦いの予感を伝える。
無能力者と呼ばれた少年――篠原透真は、仲間と共に外界の脅威に立ち向かう覚悟を固めた。
七つの宝具を巡る戦いの深淵が、今、目の前に広がっていた。
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