第二章 第1話「外界の脅威」
---
第一章から数日後。
透真――篠原透真は、学園での連携訓練を終え、屋上でフェトラルの鎖を腕に巻きつけながら考え込んでいた。
(学園内の戦いは乗り越えた……でも、外の世界はどうなんだ?)
黒光の鎖が微かに震え、意志を示す。
戦いの中で鍛えられた感覚は、外界の危険をも察知できるかもしれない。
---
その時、学園の通信室から警告が鳴った。
モニターに映るのは、都市部で発生した異常現象の映像。
黒い影が建物を覆い、異能者が苦戦している様子が映し出される。
「これは……異常現象の規模が大きい」
学園長の声が通信に響く。
外部勢力による襲撃の可能性が高いという。
しかも、影の動きは学園で見た闇影に酷似している――だが、規模は数倍。
---
透真は詩音と天城に目配せする。
互いの表情は引き締まっている。
「……俺たちが行くしかないな」
「ええ。学園を守る力を手に入れた私たちなら、外の戦いにも対応できる」
天城が雷光を両腕に纏い、詩音は水流の刃を握る。
透真はフェトラルを展開し、黒光の鎖が腕に巻きつく。
---
学園を飛び出した三人は、都市部に急行する。
空気には不穏な振動が走り、街灯の光が微かに揺れる。
黒い影が建物を覆い、民間人は逃げ惑っていた。
「……これは……」
透真の胸に緊張が走る。
学園内の模擬戦や闇影との戦闘では感じなかった、現実の恐怖。
だが、フェトラルが腕で微かに光り、意思を示す。
『主よ、共に戦え』
黒光の鎖が腕を締め付け、全力の準備を告げる。
仲間と共に戦う力が、透真の心を落ち着かせる。
---
都市部での戦いが始まる。
触手のような影、黒い霧、異能を持つ外部勢力――
数は圧倒的だが、三人の連携は昨日以上に完成している。
透真は鎖を伸ばし、影を絡め取り、天城の雷光で追撃。
詩音の水流が攻撃を補助し、街を破壊させずに敵を封じる。
戦闘の中で、透真は改めて感じる。
(フェトラル……お前がいれば、どんな敵でも戦える。
でも、俺たちは一人じゃない……仲間がいる)
---
戦闘の最中、影の中心に巨大な異能者が姿を現す。
赤い瞳、複数の黒影を操るその姿は、学園で見た黒咲怜二のようでもあり、より禍々しい。
「……やはり、外の世界も甘くはない」
透真は握った鎖をさらに力強く振るう。
都市部での七つの宝具を巡る戦い――
無能力者と呼ばれた少年が、仲間と共に、初めて本格的な外界の脅威に立ち向かう瞬間だった。
---




