7話
そろそろネタが尽きる頃です。最悪の場合来週で強引に終わってたりして……(笑)
クンクン、スゥーハァースゥー…ハァー
こよいは今、有二のベッドで寝ていた。そして有二のにおいが付いた布団をにおっていた。
「やっぱお兄ちゃんのにおいだ」
布団を抱きしめてゴロゴロと動き回るこよい。
しかし調子に乗ったせいでコロンとベッドから転げ落ちてしまった。
が、布団のおかげでダメージはなかった。
「落ちちゃった」
そう言いつつ布団を元の場所へ戻すこよい。
◆
パンを焼いてかじりつき、こよいは辺りをきょろきょろし始めた。
「あれ?お兄ちゃんは?」
分かりやすく思いつくところを総当りしていくこよい。
しかし探してみても何処にも居なかった、ケータイを開いてみると一件のメールが届いていた。
「お土産買ってくるから許してくれ…?」
有二のメールを読み、こよいはソファーにめがけて思いっきりケータイを投げつけた。
「昨日あれだけの事があったのに何も分かっていないのかな…?!!」
こよいの怒りはプチ爆発し、近くにあったフォークでパンをぶすぶすと刺し始めた。
「何でお土産?!そんな夜遅くに帰って来た旦那さんじゃないんだしさぁ!!…ん?旦那さん…?………旦那さん!」
そう叫ぶとこよいはテーブルをバンッと叩いた。
その衝撃で牛乳が零れ慌ててこよいは拭くものを探し始めた……。
◆
掃除が終わった後、こよいはまた当然の如く有二の部屋に入り仰向けになっていた。
「旦那さん…ハァー…こよいにとってはずっと先の話だよね……」
こよいは結婚できないことを自覚していた。有二以外に好きな人なんてできないと思っているからだ。
でも諦めきれなかった。
こよいが小学4年生のころ慣れない手つきでパソコンに向かい
兄妹 結婚 というキーワードでよく検索していた。
こよいは現実を逃避せずにはいられなかった。
それからというもの、こよいは結婚は出来ないが傍にいることは出来ると考え他の女に取られまいとがんばって自分をアピールして来た。
それゆえ、昨日聞いた咲月という名前がどうにも気になっていた。
◆
有二は咲月の家に居た。
「咲月さん、いつから俺の事好きだったの?」
今日はあまり話が発展していなかった。なので有二が頑張って話題を探していた。
「うーん、えっとね…あたしが男子に囲まれてる時に有ちゃんが手を引っ張ってくれたことあったよね?」
「うん。…ってもしかしてそれからッ?!」
驚きのあまり有二は立ち上がった。
「うん。それから~」
有二としてはすごく意外だった。まさかあれが決め手になるとは・・・
◆
「だから、いつも周りには男子が居るだろ?だからそこから助け出すんだ」
「ふ~ん、で?」
「いや、そこは『で?』って言われても俺には答えることが出来んぞ」
善人と有二は作戦会議をしていた。
善人は男子の中に飛び込み、ボロボロになる有二を見たいがためにこの案を出した。
有二は善人がそんな事考えてるとは知らずに聞いていた。
そして事件は昇降口で起こった。
「ありゃりゃーまたラブレターか~」
咲月の靴箱を開けるとありえない量の手紙が入っていた。
そしてそれをカバンの中に入れているとようやく靴が見つかった。
……ちなみに有二はそこにラブレターを入れようとして大量のラブレターを床にばら撒いた経験がある。その時善人は腹を抱えて大笑いしていたんだとか……。
咲月が靴を見つけ、ようやく帰れると思っていたその時---
『咲月さん、今日こそ答えを!』
『俺の気持ち…受け取ってください!』
『絶対に幸せにします!だから付き合ってください!』
とこんな風に咲月の周りにたくさんの男子が集まってきていた。
…中には掃除用具のロッカーに隠れていた生徒も居た……。
「おいっ…!有二!行け!」
善人奴らを見ると次の瞬間に有二の背中を思いっきりバンッ!と叩いた。
「お、おう、行って来る!」
そして有二は咲月めがけて走り出した。
男子共は意外と掻き分けやすかった。
皆頭を下げているものだから横からグッと押せばすぐにバランスが崩れる。
順調に男子共を掻き分けて行く有二。
そして難なく咲月のところまでたどり着いた。
しかし前にして見ると、ドキドキせずにはいられなかった。
しかし今はそんな場合じゃない。連れ出せたらそっからは2人きりだ。そう考えた有二は
「咲月さんっ!ゴメン!」
とそれだけ言うと咲月の手を取り、近くに居た奴をなるべく【カッコ良く】蹴っ飛ばし
ドミノの如く倒れた男子共を後に咲月と一緒に何処かへと逃げ出した。
「成功ー!やればできたなぁ」
「成功って?」
「あぁいやいや何でもないよ?ただ単に、困っている咲月さんを少なからず助け出せたなって」
「ふふっそうだねー助かったよ、ありがと~有二君」
「いやいやとんでもない、これぐらい当たり前ですよ~」
有二君と呼ばれ有二は急にデレ始めた。
咲月はその時の有二の顔を見て胸がドキドキし始めたのだった……。
あれ?有二君ってめっちゃいい人…あんな奴らとは全然違う……。あれ?もしかして好きになっちゃったかも……。いや、まさか……ねぇ?
その瞬間から咲月は初めての恋を迎えた訳だった。
「有ちゃんかっこよかったなー」
「ええー?そう?…いやぁ照れるなー」
「照れんなって、全くぅ~」
口を尖らせいかにもからかい口調で咲月は有二をおちょくってみる。
効果は抜群だったようだ。
それから2人はしばらく思い出話をした。
それから買い物へ行くからついて来て~と咲月が言いだし
いいよーと有二は軽く答えて2人は立ち上がった。
いつも行き慣れたスーパーも好きな人と来るとなんだかいつもとは違う感じがする。
咲月が前を歩き、その後ろからカートを押しながら有二がついて行く。
やっぱり、周りから見るとカップルに見えたりするのかな?
とかなんとか考えていると前方に見慣れた人が商品とにらめっこをしていた。
やべぇ…ばれないように…とゆっくり歩いたのだが気づかれてしまった。
「この感じ…お兄ちゃん―――?!」
お前は何者だよ……。
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