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54話

 商店街の真ん中を歩く二人の学生が居た。そして彼らと距離を置きながらずっとその様子を観察している人物がここにいた……。


「今のところ、現段階では問題ないよなーってかさくらのやつ、あいつ衛のこと見つめっぱなしだし……」

 彼はとある女子生徒の命令により、この二人を監視していた。そしてその監視対象となっている椎名さくらは命令を下した生徒にとって「友達の恋敵」という位置づけとなっている。まぁ、冷静に考えれば勝手に首をつっこんでいるだけなのかもしれないが。が、しかしそんなことを言っていると「じゃああんたは親友の彼氏彼女が取られる危機を目の当たりにしても何にも思わないの?!」とかなんとか言われそうだ。


 この、何とかしようとする彼女だが、結局のところ彼を通じてもただその様子を見ているだけで何の接触も行ってはいない。なので、周りから見ると今、監視対象の二人を見ている彼はただのストーカーとなっている。任意同行やら事情聴取やら、そんな大事(だいじ)には至っていないのが幸いか。


 平沢家、善人お泊まり生活二日目。

 この日は、4人で買い物に行くか。ということになっていたのだが……何故か二手に分かれて別行動になった。


 【お兄ちゃん大好き!チームA】平沢有二&平沢こよい


 【え、言うことなんてないよ?チームB】平沢咲月&有川善人


 チームAはお菓子を担当することに、そしてチームBは夕飯の食材を担当。チームAは今お菓子売り場にいた、有二とこよいだ。



「お兄ちゃんの腕をロック!!」

「こよい、痛い、痛いよ、こよい」

「これがこよいの愛なんだ……分かってくれお兄ちゃんよ」

「……なぁ、ポッキーどこだっけ?」

「ス、スルーされたっ!」


 うきうき気分のこよいは大好きな兄の腕にぎゅっとしがみついて離れようとしない。当の兄はそんなこと二手に分かれた瞬間に悟っていたので「あぁもう好きにしろってんだ」と覚悟していた。



 ……にしてもやばい、俺の腕にしがみつくこよいがだんだん可愛く思えてきた、だめだって、こよい。いや、あえて冷たく接しているんだけど……出来ればそのままで、って咲月さんが居ながら俺はなんてことを。


 俺の腕にしがみつき、ほぼ等間隔でこちらを見ては、えへへと微笑む妹を横目に俺はフリーの腕に掛けたカゴにどんどんお菓子を入れていった、それにしてもこよい……上目遣いすごいな。同じくらいの身長の咲月さんにはコレが出来ないから悲しいところだったりするんだよなぁ。


 そんな事を思っているとまたこよいがじぃっと上目で、

「お兄ちゃん大好き」

 なんてことを言ってくる。だけどやっぱり俺は、

「う、うるせえよ」

 としか返事できない。昔はこよいのこと好きだったんだけどやっぱり咲月さんが現れてからはそういう目では見ていない、と思う。正直それは言葉だけかもしれない、やはり自分のどこかではまだコイツのことが好きなのかも知れない。でもやっぱ来年になったら大学進学とか進路について考えたり目指したり、いつかはこよいと離れ離れになる日が……ってなんだこよい?


 そんな真面目なことを考えていると何やらこよいがぐいぐいと俺の腕を引っ張っている、そしてあれを見てくれと言わんばかりに指を指している、が、どうもその指がビクビク震えている。まるで怖いものを見るかのように。俺はつーっと嫌な汗が出てくるのを感じた、そして嫌な予感がするのを感じた、こよいの顔をみてその不安は更に勢いを増す。そう、事態は急変したのだ。


「な、なんだよおい……何だって言うんだよ」


 最後にこよいの引きつった顔を見て俺はこよいの指指す方へと目を向けた、

「うそだろ……おいおい、なんだよありゃあ」


 そこには2人の男女がいた、男は30代前半というところか、そして女の方男に比べてとても若い、俺たちと同じくらいの子だろうか……それにしてもどこかで見たような顔、ここからの距離が遠いのもあって一体誰なのかよく思い出せない。近づけばよく顔が見えてこのモヤモヤが晴れるのだろうが、しかしこの状況を見て果たして近づく何なんてことが出来るだろうか。


 事態は決して生易しいものではなかった。


 男は自らの右腕を女の首へとぐっと押し込み、左手に持ったナイフを女の首に突きつけていた。勘弁してくれよと、それを見た俺は背中に冷やりとする何かが流れていくのを境に意識をしっかりと持ち、そしてすぐさまカゴを置いて更に強く腕にしがみつくこよいを一旦引き離し、直後こよいの腕を強く掴みその場を離れようとした。しかし、


「待って……待って!」


 二度も、待てとこよいは言った。一体何を考えているんだ、思わず俺は、声を荒げて言い放つ。

「馬鹿か!?早く逃げないと危ねーだろうが!!」

 他の誰でもなくコイツのために俺は早くこの場を離れたい、でも何でコイツは踏みとどまるんだ。もしかしたら巻き添えを食らうかもしれないってのに。


 乱れる息を整えながらも切羽詰った様子で唾を飲み込み、こよいはこう言った。

「あっ、あそこに、居るの【美咲】だよ……!何とかしないと、早く何とかしないと……!!」


明けましておめでとー!!((全くもってシリアスブレイカーな一言。


今年も始まりました【俺と彼女と妹と。】年も明けたということでね、特に、特別なことはないんですが。((ないのかよΣ


まぁ前話と時間が空いたということでほんの少し長めにしてあります。

ってか急展開ですいません、でもトラブルはいつも突然だと思うんですよね、もし仮に伏線なんてあったら、予期した事態になってしまった……!なーんて……どこのギャグですかコレ。


というわけで今年も頑張りますよー!なので感想よろしくお願いします!評価も待ってます!では失礼します!!

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