48話
もう一回だけ少しだけ長い文章量でお送りします。これでオーバーした2週間分は取り戻せた…のか?
ではサービスが混じっている48話をどうぞ
こよいと善人で何やらおしゃべりをしている様子だった。
「善兄は、妹に何かされてみたいことってある?」
「やっぱお兄ちゃーんって抱きつかれたいよなーあと抱きついて離さないからねとか言われたらやばそう」
そんな二人を、ったく、さっきから一体何の話しをしているんだとテーブルの備えイスに座り、咲月がじーっと眺めていた。
それにしても意外なことに善人とこよいの話が進むことにちょっぴり驚いた。この間は善人にきつい事言っちゃったけどもういっその事こよいちゃん貰ってくれないかなー。そしたら有ちゃんと二人っきりなのに……ってなに考えてんのよあたしは。
はぁ、と、ひとりため息を付き咲月はどこかへ行ってしまった。
ほぼ入れ替わるかのように、自室から戻った有二が、お風呂の存在に気づいた。
とりあえずお風呂に入らなきゃ、でも今日は先に善人を入らせるべきだよな。そう思い、有二は先にお風呂入ってこいよ。と善人に言った。
「それじゃお先に!悪いな、一番風呂だぜ」
少しにやけた善人がそう言う、嬉しいのだろうか、そんな彼に対して有二は、
「おう、行ってこい、もちろん着替えは持ってきたよな?」
と、少しからかい口調でそう言った。すると、善人はふふん、と鼻を鳴らし、
「なめてんのか?あぁ?フハハ、ちゃんと持ってきたぜ!俺のパジャマは『パンダさん』なんだ!」
と、もう見たまんまパンダという感じのフードつきのパジャマを有二の目の前に掲げた。白と黒の2色で彩られ、フードの部分にはそれの特徴とも言える目が、そして、それをかぶるとちょうど頭頂部に耳が来るようになっていた。とにかく、『かわいい』のだった。
しかし、そのパンダを見るや否や有二が、
「おま、その趣味どうなんだ!?」
と善人に喰らい付く。ちょっと黙ってはいられなかったようだ。
しばらく、二人の口論が続く……。
「うっせー!白黒の、いや、『パンダさん』の一体何処が悪いんだよ?!」
「白黒じゃなくて高校生になって『パンダさん』って!小学生かお前は!」
「へっ!『パンダさん』は良いんだよ!良いじゃねーか『パンダさん!』」
「だから!俺が言っているのはパンダ以前にその子供っぽい趣味止めろよ!って遠まわしにだな……」
「残念だったな!俺はもう、かれこれ5年はこのシリーズを愛用してんだ!」
「5年!?ってかシリーズかよ!!?」
「あぁそうさ『フード付きアニマルパジャマ!』このパンダさんはその一部なのさ!」
「他にもあるのか……ってか普通の、いやもうそれ以外にパジャマはないのか?」
「ない」
「ねーのかよ!」
その口論は突如終わりを告げる、終止符を打ったのは、
「―――ふたりともうっさい、こよいが蹴っ飛ばしてあげようか?あぁん?お兄ちゃんは特に強く蹴ってあげるよ、気絶でもしてくれたら……へへ、まずシャツから脱がそうか……」
こよいだった。そしてこよいはソファーから起き上がった。それを見て二人は『こんなことしている場合じゃない』と直感した。
「よ、よーし善人!ふ、風呂行ってこい!そ、それから『パンダさん』になって戻って来い!」
「よ、よっしゃ行ってくるぜ!……なんだかこよいちゃんの裏側を見た気分……」
少し動揺する有二を置いて善人は、とはいえ自分も動揺しているわけなのだが……まぁとりあえず風呂場へ向かうことに。過去に一度雨に濡れて使わせてもらったことのある善人に案内など必要なかった。
懐かしいな、いつ以来だっけ?そんなことを思いながら善人は服を脱いでいった。
そして、浴室のドアを開けた。すると、
「ってうおぁおおおあああ!!」
「よっ善人!?……きゃぁあああ!」
という風に二人は遭遇してしまった。コレはまずい。
「ご、ごめん!悪気はないしそれに見てませんって!とっ、とにかくスイマセンでしたっ!」
言い訳うんぬんは程ほどにして早くここから立ち去ることに善人は必死になった。
「…バスタオル巻いておいて良かった……」
そんな善人の判断が良かったのか、自体は小さいまま収拾した。
まぁとにかく、大事には至らなかったようだ、しかし咲月は何故タオルを巻いていたのだろうか……その辺は謎である。もしかしたら有二の待ち伏せでもしていたのだろうか……しかし、やはり謎である。
一方、その声を聞いた者が少し不安がっていた。
「一体何事?善人ってあんな声高いっけ?ちょっと様子伺ってこようかな」
その声の主は有二だった。するとこよいが、、
「それよりお兄ちゃん、こよいと一緒にランデブーしない?」
と、風呂場へ行こうとする有二を引き止める、あいにくな事に、また『二人っきり』になってしまった。前回は咲月に助けられたが一体その咲月はどこへ行ったんだろうか。ともあれ、そんな妹に対し兄は、
「しねーよ!ってかお前、客が居るのに何で普段より増して積極的なんだよ」
と、全力で俗に言う『フラグ』というものを回避しようとしていた。
「ふふ、お兄ちゃん大好きだよ」
「俺、お前のお兄ちゃん辞めて良いですか?」
「ふふ、ダメに決まってるじゃない」
「ですよねー」
その後、怪しく光ったように見えたこよいの目を見て有二は慌ててその場を出て行った。
サービスって一瞬じゃねーか!そんな方居ると思います。
でもこちとらまだ15歳、そんな上手いこと書けませんて(汗
では失礼します。