33話
過去編突入です、3回にわたって完結させます。ちなみに土曜(今回)、火曜、金曜の3つで終わらせます。なぜこんなに急ぐのかというと、先が気にならないからです。また来週って言って、同じ内容の続きを見せられても新鮮さは落ちるし、ましてや内容が酷いと更にマイナス効果だからです。
だから一気に出します。初めて闘う事になる短編ですがどうかよろしくおねがいします。出来れば『必ず』感想が欲しいです。いつもとは違う事をするので余計に面白かったか、ダメではないかが気になっています。どうかよろしくお願いします。
「咲月、今度の日曜映画でも見に行くか?」
お父さんがあたしに新聞を読みながらそう言って来た。
「ホント?なに見に行くの?」
「何でもいいぞ。今回は咲月の卒業記念だ、ぁでも女の子向けの劇場版アニメは」
「ふふ、そういうのもあたしは卒業したから大丈夫だよ」
あたしは久しぶりのお出かけにワクワクしていた。
映画なんてとても久しぶり、去年の……確か中学2年になった頃以来だと思う。
進級おめでとーってお母さんとお父さんが祝ってくれた際に映画を見ようってなった気がする。
だからほんとに久しぶり。ちょうどテレビで宣伝してある感動モノの映画が気になるからそれを見ようかな。多分見たいって言ったら見ようって言ってくれるはず。お父さんってあたしの言うことはあまり反対しないから……それもやっぱりあたしの学校生活の事を知っているからなのかな。
◆
「おい、姫川。ここの掃除やっとけ、俺ちょっと用事あるから」
「うん、分かった。やっておくね」
あたしはよく押し付けられ役になっていた。
だからこうやって掃除をあたし一人にやらせることもたくさんあった。
それに授業終わりの黒板消しなんかホントは日直の仕事なのにほとんどあたしがやっていた(やらされていた)
そんなある日だった。
「姫川、少し話があるから職員室に来てくれ、少し先生と話をしよう」
担任の先生から呼び出しを受けてあたしは昼休みに職員室に入った。
職員室はいつもコーヒーの匂いがする、あたしはこの匂いは好きだけどここに来るほかの生徒はコーヒー臭いと言っているのを耳にしたことがある。
でも最初はあたしも臭いと思っていた、でも慣れた、しかも嫌な臭いを良い匂いと感じるほどに。
それからあたしは先生の席まで行って先生、来ました。と告げた。
「おお、来たか。早速なんだが姫川、お前いじめに受けているとかあるか?」
そのときあたしはびっくりした。先生に気づかれたのかと心配した。
なぜ心配するのか。先生に助けてもらえるのではないか。そうじゃない。
もし、先生が注意したとすればあたしが先生に告げた、とそこからまたからかわれてしまう。
だからあたしは心配した。またいじめられるかもしれない。そう思うと昔傷付けられた背中の患部が疼く。あたしの背中には小さな縫い跡が残っている。至近距離だとすぐにばれる程度の跡。
そのケガはあたしを押し倒してその際にガラスが衝撃に耐えられず割れ、そしてあたしの背中に突き刺さり押し倒され更に深く突き刺さった時に付いたもので、跡が残ったと知るとショックだった、でもそれより先週まで仲が良かった友達になんでこんなことをされるの、というほうがあたしにとって大きなショックだった。