22話
お久しぶりです!
感想や評価をどうかお願いします。
感想なんですが、良いところと加えて批判してくださるとありがたいです。
用は非の打ち所がないよう作っていけばいいんですから。
協力お願いします。
「お兄ちゃんはいこれ!」
そう言ってこよいに長方形型の紙を渡された。
「んじゃこよいはこれ持って書いておきな」
お返しに俺はこよいにペンを渡した。
「ありがと」
ペンを受け取ると早速こよいは紙にお願い事を書き始めた。
願い事か。何にしようか。
「有ちゃんはなんて書くんだい?」
そう言って咲月さんが現れた。私服なんかかっこいいクールだなー。
「あぁ咲月さん。いや、まだ決めてないんだよね」
ホント何書こうか書かなかったらそれはそれでもったいないと言いますか……
「あたしはもう決めてるけど教えなーい」
「妹にも同じ事言われたよ」
こよいは何を書くんだろうか……いや予想は付くんだけどね。一体何を書くんだろうねー。
「マジかあははっ案外こよいちゃんとは気が合いそうだねー」
気が合いそうって、いやいややめた方が良いよ?マジで。
「そうかぁ?こよいは敵対心を持って接して来ると思うけど」
そんなことを言ってるとそのこよいがこちらへやってきた。
「こんばんはーお兄ちゃんのお友達ですか?」
うげー来たよ、うちの妹来たよ、もう書いたのか。何書いたんだ?
「うん。そうだよーこよいちゃんだよね」
「あ、はい平沢こよいです。兄がいつもお世話になっています」
ん?『あんた誰……!?』って予想をしてたんだけど……考えすぎだったか。
「おぉ、なんて礼儀正しい子。あたしの名前は姫川咲月、よろしくねこよいちゃん」
名前を告げられ咲月さんもこよいに名前を告げた。
「姫川さん。珍しい苗字ですね」
そういやそうだな、咲月さんの苗字ってなかなか聞かないよな。
「そうだね~あんまり聞かないよねーってかあたしの事は『咲月さん』…じゃ被るから……有ちゃんどうしようか」
急に振ってきた!
「て俺に振るのかよ!?もう何だっていいじゃん『姫川さん』とか俺みたいに『咲月さん』って事でよくない?」
被る。って『咲月さん』って呼ぶのは俺だけか?
「え~?じゃとりあえず『姫川さん』でいいや」
何か不満そうにそう言った。
「じゃあ姫川さん。改めてよろしくお願いします」
「ふふっこちらこそよろしくね」
この二人。実は一度は面識があるんだよね。ほら、手を怪我したときに。
「じゃ有ちゃん。ちょっとこよいちゃん借りていくね~」
「ん?……まぁいいけど」
何をするつもりなんだろう?まさか……女同士の激しいバト……んなわけあるかよ。
「こよいは別に良いよ?お話してみるのにいい機会だし」
あぁーやっぱ疑ってるよなー咲月さんが何者なのか。
なんかおなか減ってきたなー。
「こよいちゃん、何食べる?あたしもお腹空いちゃってさー」
「こよいは別に大丈夫ですよ?」
ふーむ、遠慮してるねー。
「またまたーそんなこと言って~あたしの好意が受けられないのか~?」
「いえいえそんなことじゃないですよ?……でもそう言ってくれるならありがたく頂戴します」
おぉーいい子だ流石有ちゃんの妹ちゃん。
「よし来た、じゃあ適当に何かを買うから付いてきなー」
「あ、はい」
人も多いけど屋台も多いんだよねーったく。
「なーんかいろいろあるねー」
「りんご飴、綿菓子、チョコバナナ、焼きそば、焼き鳥、焼きイカその他諸々……」
お金はあるけど何買うか迷うなーって、やっぱ敬語止めさせようかー。そうしよう。
「これだけあると困っちゃうよねーってかあんまりあたしに敬語は使わなくて良いよーいつも通りで良いよ?こよいちゃん」
「いつも通りは流石に……」
遠慮するなよー。仲良く行きたいんだよ?こっちは。
「そっかーじゃあ……ジャンケンポン!」
ふっ……勝った。
「え?!え!?……負けた。ってずるいですよ~姫川さん」
!?今の上目遣いは何?!萌えた。ヤバいなんか込み上げてきたよ……!?いやいや落ち着けあたし。
「テ、テイクアウトできないの?この子……」
「へ?何ですか?」
落ち着け、もちつけ、ぺったんぺったん……とりあえず敬語を解除しなくては。
「いやいや何でもないよ?よし。罰として敬語を禁ずる!」
「えー!?気が引けま……気が引いちゃうよー!」
「おぉー早速修正起動を利かせたか。おぬしやるではないかーでは行こう~!」
かわいい~!やっぱこの子かわいいー!
こよいちゃんの手を引いて焼きそばと書かれた看板を立てている屋台にあたし達は入った。
「すみませーん焼きそば1つ、割り箸二つお願いします」
「割り箸二つね、いいよ400円になります」
「ちょうど400円で」
「はい400円お預かりしました。はいどうぞ」
「ありがとうございまーす」
焼きそばゲット。
「おーぷん!そして箸どうぞ」
「ありがとうございま……ありがとう」
敬語が解除されるのにはちょいと時間がかかるかな~?
「そう。敬語は禁止、まだまだ続けるよー!じゃいただきまーす」
焼きそばを食べようとした瞬間こよいちゃんが真剣なまなざしで質問をしてきた。
「姫川さん。一つ聞いてもいい?」
「ん?なんだい?」
「姫川さんって彼氏居る?」
……あっちゃーどう答えようか。いやいや待てよ?……これならイケる。
「彼氏?……いないけど。あっ居ると思ったんでしょー!?」
「だってこんなに優しくしてくれるしモデルさんみたいに整った顔……。絶対彼氏居るよね?」
「あはは~まったくー彼氏は居ないっての」
いや、いるけどさ。いないよ!ちょっとおかしいね。
「じゃあお兄ちゃんは姫川さんにとってどんな人?」
「うーんそうだねー。『好きな人』って所かな」
「……ちょっと待って『彼氏は!いない!?』『は』!?」
『は』を強調してきたね。気づいたかな?気づいたほうが話早くていいんだけどー。
「鋭いねぇ。こよいちゃん」
「えっ!?明らかに姫川さんに対して好意を持っているお兄ちゃん。そしてそのお兄ちゃんの事が好きな姫川さん。二人は彼氏彼女じゃないとしたら一体……!?」
「まぁまぁその事は置いておこうじゃないかこよいちゃん」
……さぁ喰いついてくれよ?
「気になる!気になる!お兄ちゃん絶対言わないもん!」
よっしゃ釣れた!これでイケる。
「はぁ……じゃあ教えておくね。ちなみにこれのせいで有ちゃんにとってなにか悪い事が起きたらその時は有ちゃん拉致しちゃうかもって事を前提にだよ?」
「え、ええ……ええええええ!!!!んぐぅぅぅぅ!」
「こよいちゃん声大きいって……!」
周りの視線が一斉にこっちへ集まった。迷惑になると考えてこよいちゃんの口を手でふさいだ。
「ごっごめんなさい……で、でも婚約者?!」
やっぱびっくりだよね。
「こよいちゃんが不安になるような事は一つもないから安心して~」
「あるよ!婚約なんかしちゃったらお兄ちゃんこよいのそばから消えちゃうもん!そんなの嫌だよ……」
やっぱこの子にとって有ちゃんは大切な存在なんだねー。
「へ?……だから不安な事は一つもないって。誰が『二人暮らしをする』って言ったの?」
「え?どういうこと?」
説明してやんよこよいちゃん。
「じゃああたしが考えているみんながハッピーになる事を教えてあげよう~!」
「みんなが……ハッピー?」
「そ!【あたしは有ちゃんと二人暮らしはしない】要するにこよいちゃんも一緒に暮らそうよって事。そしたらこよいちゃんは大好きなお兄ちゃんと一緒に居られるでしょ?まぁあたしが有ちゃんを占領していない間だけどねーあははっ」
最低条件としてこよいちゃんから有ちゃんを離さなければこよいちゃんはそれだけで不安な事はないんでしょ?つまり一緒に住んじゃえばいいんだよ。
「は、はぁ……姫川さんって何かすごい人だなぁ」
「これならいいんじゃない?ってかあたし以外の女の人と結婚なんかしたらそれこそずっと会えなくなっちゃうよー?」
まぁ独り占めは無理になるけどそこは妥協してもらうしかないよね。
「う……確かに」
「だからあたしとは仲良くしようね?ホントに有ちゃん独り占めにしようと思ったら出来ちゃうんだから」
「……う、うん。仲良く」
よし、説得終了ー!
「はぁー!しゃべったら喉が渇いた!ほら飲み物買いに行こ!」
「…………うん」
七夕祭りに出向いていたのは有二たちだけではなかった。
数日前から、美咲は衛をこの祭りに誘っていたのだ。
「おーい衛!こっち来いよ!」
数名の男子が衛を呼ぶ、中学の生徒たちだ。
「あ!ダメ!今日は前からあたしが予約してたんだから!」
そこへ割り込むは美咲であった。
「んだよ美咲!お前衛の事が好きなのか?」
男子生徒が美咲をからかい始める。
「はぁ!?うっせーよバーカ!」
「バカはお前だヴァーカ!!」
「バカはすっこんでろバーカ!」
小学生のようなやり取りをしていると衛は
「ちょ……俺の存在空気化」
と呟き、それを聞いた美咲は衛の手を取って
「さぁ行こ!衛君」
と衛をどこかへと連れ出した。
強引にも美咲は衛の腕にしがみつき引っ張りながら皆が書いたお願い事を見ていく。
そして面白いものがあれば衛にも教えていった。
「こ、これは……」
衛が立ち止まった。美咲も立ち止まり
「へ?どれ?衛君」
と衛の見る短冊を探す。
「これ……書いた人思い当たる節があるんだけどまさか本人?」
「えっと?【お兄ちゃんと一生幸せになれますように!】……うん。多分あの子だ」
「こよ」
「あー!もう言わなくてもいいよー衛君」
そう言って美咲は衛の口をふさぐ。
「おっ合格祈願してる人もいる。あとは恋愛成就かー」
「あー【合格しますようにー】とか【彼女、彼氏が出来ますようにー】って?」
「うん。そうそう」
美咲はそれ以外の類のお願い事を見つけた。
「ふーん【有ちゃんの子供が出来ますように】子供かいいね~」
そう言って美咲は衛に視線をぶつける。
「何?その視線。俺?」
「べっつにー?さぁどんどん見ていこう」
「すごいたくさん書かれてるよこれ」
若干呆れながら衛はそう言った。
「どれどれ?【彼女が出来ますように、受験に合格できますように、できれば先輩が彼女になってくれると嬉しい……あと神崎先輩のロリコンが治りますように!父さんの浪費癖が治りますように!母さんが家に帰ってきますように!】……なんか悲惨な事が…衛君。見なかったことにしよう?」
「……賛成。なんか後半が悲惨だね」
まさかこれを書いた人が高校時代を共にすることになろうとは美咲も思ってもいなかっただろう。
少し長いですね。2週間分って事で先週投稿しなかった事を許してー。
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ではこの辺で