あ
基本不定期更新になります。なるべく3日に1話は投稿するよう努力致します。ご了承ください。
また、予告なしに本編を修正する場合がございます。
ここはどこだろう。
手も足も何もかもが動かせない。何かに固定されている。
前にかかった髪が邪魔だ。
・・・目の前に、いるのは誰だ?
「博士、この個体の片割れである機体に問題が生じました。」
「少し待て。煙草を吸ってるのが見えないのか?」
「あ、すみません!」
目の前にいる男はさもそれが当たり前かのように、もう1人の男を立たせ続け1人で煙草が無くなるまで白い息を吐いている。
「・・・それで、なんの用だ?」
「は、はい!この個体の片割れである」
「それはもう聞いた!その後だ。」
「す、すみません!」
「早く報告書を寄越せ。時間が惜しい。」
「こ、こちらが報告書になります。」
「・・・なに?メンテナンスを怠った訳ではないだろうな!?」
「はい!現在も調査を進めていますが、原因が分かっておりません。」
「はあ、これはもう上には報告したのか?」
「は、はい!」
「なんと返ってきた?」
「異常を検知した時点で処分しろと。」
「やはりそうか。」
その男は1度机に向き直り、真剣に悩んでいる。
「・・・あの、何故そんなに悩む必要があるのですか?所詮は実験体ですよ?」
「馬鹿を言うな!まだ新機能が1つならそれでも良かったが、これは全ての機能を搭載し作動するか確かめるために作った特別製なんだ!実験の最終段階なんだぞ?」
「す、すみません!」
「・・・はあ、上はそれの他に何か言っていたか?」
「い、いえ。特には・・・」
「そうか、また1から作り直せと言うことか。」
「・・・廃棄場に送ってくれ。ここにある片割れもだ。」
「わ、分かりました。そ、即刻処分にしますか?」
「いや、いい。どうせ動きやしない。」
後ろから何かの機械音が聞こえる。
その音は段々と私に近づき、動いた。
なん、だか・・・ね、むい。
プツン
◇◇◇
太陽光を検知。
「ーーー。」
バッテリーの破損を確認。修復します。
「ーー様。」
修復完了。起動を開始します。
「お姉様。起きてください。」
誰かの声。夢を見ていたのだろうか。
目の前には・・・恐らく崩れかけてる天井が見える。
そこからは光が私に向かって差し込んでいた。
「そらお姉様。意識はハッキリとしていますか?約2000年ぶりの起動でどこかで劣化していますか?」
さっきからこの声は誰なのか。
それに、お姉様?
寝ぼけているだろう頭を大きく振り先程声がする方へと向き直すと、そこには・・・
「・・・なんで、私がいるの?」
目の前には、私と瓜二つの少女が立っていた。