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存在


 最終決戦が明後日に迫る。

 2日前から連携力の強化と共に俺の家族の検索をみんなはずっとしてくれている。

 智謀が高い5人と各国の叡智が集ったことにより10以上はある古代図書館の古文書は読み漁られていく。

「これはもしかしたら家族の示唆では無いですか?」

「これ関係ないですかね?」

「この人はもしかしたら知っているかもしれませんよ?」

 古文書に書かれている手がかりを片っ端からピックアップしていく。

「エンディア様とスティリア様には2人の子がいるというのは確定だな。」

 賢絃が全ての検索結果から確定事項をまとめる。

「しかし、もう1人の生息は不明だ。これをグラディに伝えるべきかどうか。無駄な期待になるかもしれない。」

 ナイトレストはグラディを気にかけ、事実を伝えるかを悩んでいる。

「話すべきだろう。グラディのひとつの光になる可能性もある。光は幾らあっても困るものでは無い。」

 アロリエルは話すべきと考えているようだ。

 グラディにとってこの事実は光にも闇にもなる。

 それを全員憂いているようだ。

 しかしアロリエル、ホピリスは光になると考えている。

 ネロムとナイトレストは闇となると考えていた。

 あとは賢絃の意見により話すか話さないかは決まる。

「話すべきだな。今のグラディはそう簡単に堕ちはしない。あとはアロリエルとホピリスが賛成派なのも理由だな。その二人から賛成が出ているのならば特に心配は無いと考えられるだろう。その二人はグラディと仲がいいからな。」

 そう、反対派と賛成派の違いはグラディとの仲の良さ。

 賢絃はそれを見抜いていたようだ。

 アロリエルは最近ではグラディの良き友になっている。

 ホピリスは以前からの仲の良さで今でも相談相手になっている。

「とりあえず今日の会議で報告しようか。」

 全員で賛成し、会議に向けての報告を考えていた。


 その頃のグラディはホーリーに吹っ飛ばされていた。

 宙を舞う俺を見てホーリーやドーリーは笑っている。

 やはり兄弟だな。

「コノヤロウ、もう1回だ!」

 その光景は弟グラディをからかう兄ホーリーの姿と言っても違和感はなかった。

「そろそろ休憩したら?お茶にしましょ。」

 リレイヤがお茶とお菓子を持って休憩を促す。

「お兄様はグラディのことが本当に好きなんですね。私の方が血の繋がっている弟なのになぁ。」

 ドーリーは少し嫉妬しているようだ。

 まぁ兄弟間での喧嘩はここ数年出来なかったらしいから兄を取られている感じがするんだろうな。

 ドーリーはしっかりしているが、俺よりも年下だしな。

「まぁまぁ、ホーリーはちゃんとドーリーも可愛いと思ってるわよ。多分グラディに対しては兄弟ってよりもおもちゃって感じかもよ。」

 と笑いながらリレイヤは言うが、少し傷つくなぁ。

「おもちゃってなんだよ。」

 と頬を膨らませる。

 その姿に吹き出すホーリー、つられて笑う俺に連鎖してリレイヤ、ドーリーも笑っていた。

「仲がいいな。私たちも話に混ぜてくれ。」

 別部屋で訓練していたスレイとセバルも合流した。

 今のこの場に種族の王が4人集まっているって何度考えても信じられない。

 今話していると頼りになる兄や姉、友人のような感じだ。

「そういえばリレイヤ、リフュレスってもうここには現れないのか?」

 その問いかけにリレイヤは頷いて、

「うん、昨日までは多少の連絡は取ってたんだけど、急に最終決戦まで連絡は控えるって言われちゃって。」

 スレイは少し残念がっていた。

「ちぇー、リフュレスも含めて女子会したかったのに。」

 その言葉にセバル、ホーリー、俺は少し嫌な予感がした。

「もちろんセバル達の格好良さや格好悪いところの暴露しあいだけどな!」

 ですよねぇ〜、その3人なら恋バナだよね。

 3人であちゃーと顔を覆った。

「まぁそれも決戦の終了後ね。それよりそろそろ会議の時間じゃないかしら?」

 いつの間にか時間が経過していて、毎日の会議の時間になっていた。


 会議室に全員で移動をしながら、わちゃわちゃと話し、時々ホーリーがドーリーや俺にちょっかいをかける。

 少し嫌がりながらも、笑いながら会議室のドアを開ける。

「種族の王は余裕だな。」

 賢絃の煽っている顔に少し苛立ちを覚えた。

 全員が着席して、会議が始まった。

「まずは以前グラディから依頼されていた、バスディア家に他の家族はいるかという調査に関しての報告から。結論から言うとグラディには兄もしくは弟がいることが確定した。エルフ族に伝わる古代図書館で、その場にいる全員で確認したから、その情報に間違いはないだろう。」

 俺に、、、兄弟がいる。

「嬉しいのはわかるが、もう少しグラディは気持ちを隠せるようになろうな。」

 ホーリーの言葉は図星で、俺は相当嬉しかった。

 それでも完全に思考がバレていることは恥ずかしくて、顔を赤くして俯いた。

 その言葉に会議室は笑いに包まれていた。

「とりあえず我々はこの調査を一旦打ち切り、連携力の強化に務める。最終決戦は明後日、明日は全力で強化に務めるぞ。」

 もう決戦は目の前まで来ている。

 絶対に勝つ。


「最終決戦は明後日ね。私たちの演技にグラディは気づけるかしら。」

「多分無理だろ」「気づかないだろうね」

 その時グラディはくしゃみをしていた。

「まぁ、とりあえずバレないように、そしてグラディがちゃんと覚醒するように演技するよ。あなた達ふたりにも負担をかけると思うけどよろしく。」

 今のグラディ達にとって敵とは思えない会話を弾ませる3人。

 果たして本当に最終決戦は起こるのだろうか。

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