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最終決戦まで


 最終決戦に向けて、何度も連携を強化すべく、各種族間で戦闘訓練を行う。

 やはり、何度やってもオーガ族と獣人族には適う気がしない。

 戦闘能力もさる事ながら、連携力が凄まじく、全ての攻撃が流動的に行われ、防御なんてできるはずもない。

 一度の防御が命取りになることもざらにある。

「戦闘能力においては人間族が勝っているなんて信じられないな。」

 そうボソッと呟くと、アロリエルが教えてくれた。

「1対1の場合はホリレスト様に勝るものはこの場にはいないと思いますよ。なんならナイトレスト様やドリグレスト様にすらね。個々の戦闘能力において人間族に対しては、我々も完敗としか言えません。」

 実力者にもそう言わしめる、ホーリーの圧倒的な強さ。

 少し羨ましくもある。

「そう気に病まなくても大丈夫ですよ、あなたはホリレスト様より強くなるはずですからね。そう言い切れるほどに我々に伝わるエンディア様とスティリア様はお強い方ですから。」

 俺が知らない両親を皆知っているってのもおかしな話だな。

 もう慣れたけど、実際の両親と会ってみたかったな。

 他の家族は居ないはず、、、だし?

 何故か一人家族を忘れている気がした。

「ねぇアロリエルさん、その、俺に兄弟とかっているみたいな話って聞いたことある?」

「私は聞いたことがないですね、一人息子というのも聞いたことがないので、もしかすれば他の国の古文書や書籍に残っているかもしれませんね、今日の会議で聞いてみましょう。」

 アロリエルの提案に乗り、戦闘訓練の後の会議でみんなに聞いてみることにした。


「今日の会議で何か聞きたいことはありますか?」

 ホーリーの問いかけに、このような話を聞いていいのだろうかと躊躇する。

「グラディが聞きたいことがあるみたいですよ。」

 黙っている俺にアロリエルが助け舟を出してくれた。

 全員が俺に注目する。

「えっと、最近記憶の中に俺が知らない家族がいる気がするんだ。もし兄弟とか従兄弟みたいな存在がいると知っているなら教えて欲しい。」

 俺が家族のことを知らないのもおかしな話だが、その経緯は知っているからなんとも言えない。

「そのような話は聞いたことがないな、一度国へ戻り調べてみよう。」

「同じく、しかしもしかすれば見落としている可能性もあるので午後の戦闘訓練には私は参加できませんね。バスディア家には興味があります。」

「私も聞いたことがない、我がエルフ族には最古の図書館がある、各国に散らばるよりも一度国へ戻り有効な書籍を持ち寄り、全員で調べる方が確実だと思うがどうだろう。」

「賛成です、何よりエルフ族に伝わる古代図書館には30万冊を超える数々の書物があると聞きます。各国で調べても確実に見つかるとは言えないので集まるのは得策かと思います。」

 各国の頭脳が俺のために動いてくれる。

 それは嬉しくもあり、少し大袈裟なのではないかと怯えもする。

「では我々5人と各国の精鋭を集り、この会議の終了後2時間後に集結しましょう。」

 アロリエルが簡潔にまとめ、午後からの動きが決まっていく。

「では我々戦闘役はそのまま戦闘訓練、連携強化を続けましょう。あとは新たな戦闘スキルや先頭に役立ちそうなスキルを取得した場合は各自報告をお願いします。」

「はい」「了解した」「分かりました」「かしこまりました」

 ホーリーの会議のまとめに、口々に了解を伝える。


 会議が終了して、各々席を立つ。

 俺は直ぐにアロリエルの元に駆け寄った。

「アロリエルさんありがとう、俺だけじゃ言い出せなかった。」

 その感謝にアロリエルはニコッと笑顔になる。

「アロリエルでいいですよ、グラディくんはもう少し自信を持ちましょう。今のあなたは確実にここに名を連ねてもいい実力者ですから。最終決戦に勝ち、その後も良き友でいられることを願います。」

 そう言って、アロリエルは右手を差し出す。

 その右手を俺は強く握り、この会議だけの仲間ではなく友情を感じた。


「まさか、敵が敵じゃなくなるとは思わなかったわ。」

「同感、ずっと争うべき宿敵と思っていたが、リーズィーがグラディの兄とは思わなかった。」

「ふふふ、手荒な真似をして申し訳ない、そしてもう少し付き合ってもらいたい。グラディが魔勇将皇神の真の意味を知るために。」

「リーズィーは私が裏切るつもりであるというのはいつ気づいていたの?」

「いや、全然気づいていなかったよ、この前そう聞かされて驚いたものだ。まさかこのロケットを見られるとは思わなかったけどね。」

 そう言ってリーズィーはロケットを開く、暗く見えなかったシルエットは小さい時のグラディだった。

「だが、そこまで悪役になる必要はあるのか?グラディは家族を欲していた。兄である事実を伝えれば喜んで家族として歓迎しそうなものだが。」

「本当はそうしたいんだけどね、両親から聞いていた話と時のうねりが変わったみたいで、このままだと終焉の神には勝てないからね。本来だったら終焉の神を復活させる神官がいるはずなんだけど、それが居なくなっている。もしかすると潜んでいるだけの可能性もある。だから今はその代わりを俺がやらないとグラディが時の繋ぎ手を名乗ることは出来ない。」

 リーズィーがグラディの兄弟である、その話を魔王と冥王は笑顔で聞いている。

 その事実をグラディが知るのはそう遠くない話。

 

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