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五回目の天国  作者: マルキ
3章 遺跡
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3月?日 三人組

「おー、やっと俺ら以外に人がおったなぁ

しかもあちらも三人組っぽいし」


前からきた三人組のうち一人は

糸目で関西弁を喋る、わかりやすく怪しい青年だった


残りの二人は長身の女性たちでどちらも着物を着ていて、一人は物静かなイメージあり、

もう一人は雰囲気だけでカリスマ性を感じるような

人物だった


「ん?話し合いする気はないん?」


こちらが武器を構えたので相手も警戒をした


「...言葉を交わして何が分かるの?

意味のない時間でしょう?」


ルルアがバッサリと言い捨てる


「ま、それもそやな。姐さん、やっていい?」


糸目の青年がカリスマ女性に聞く


「元からそのつもりやったし。

全力でやったりや」


まあぶつかることになるよね...


タイシはカリスマ女性、ルルアは物静か女性と

それぞれ戦闘を開始した。


僕の相手は糸目の男だ


男は腰の日本刀を抜き、僕は構えた槍を強く握る


「ほな、お手並拝見といこか」


男はそう言うと、足で地面を思い切り蹴って飛び上がる

そして、浮き上がった状態から空中を蹴って

こちらに飛び掛かろうとしてくる

身軽そうな動きと空中を蹴るという行為から

きっと何かの能力だ。


僕は槍を前に構えたまま、相手の攻撃のタイミングを

見切ろうと、全神経を集中させる


僕は戦闘は得意ではないから、自分のぺースだの

戦い方だのはもっていない。

だから、相手の攻撃を"いなす"ことに全力を注ぐ

相手の能力が搦め手系ではなく、機動力系ならば

相手の動きさえ読めればこちらも加速を使って

反応することはできる。


しかし、空中から突進してきた男は

途中でまた空中を蹴って、地面に降りてきた


「おっと、あぶないなぁ

このまま突っ込んどったら、その槍に串刺しにされてしまうとこやったわ」


...男も冷静だった

それでも僕のすることは変わらない、

それしかできないのもあるけど...


「流石に正面からいくのはむりよな

じゃあ、これでいこか」


男はまた飛び上がったと思うと

空中キックを多用して、僕の周りを高速でまわり始めた。


これじゃあどの方向から攻撃が来るかわからない...


「さっきからワイばっかり喋っとるやん

なんか返事してくれへんの...


って、表情見るにそんな余裕無さそやな」


相手は以前として余裕のある態度だ

僕の周りを周っているうちに

もう数十回は能力を使っているはずなのに

息切れをする様子はない。


コスパのいい能力なのか、はたまた本人の体力が多いのか

どっちにしろ耐久戦に持ち込むことは難しいそうだ


それならば、攻めるしかない。

こちらから槍を刺しにいけば相手は同じ軌道を

ずっと周っているわけだから

槍が刺さらなかったとしても、

突き出された槍に引っかかって隙をみせるだろう。


そう思って、その軌道に槍を突き出した


「そう来るのを待っとったわ」


槍を突き出した瞬間、槍の先が相手の刀によって斬られて、槍先がなくなってしまった


「これで棒だけになってもうたな、少年」


大丈夫、焦る必要はない

共有からシルヴィーさんの『巻き戻し』の能力を使って槍を修復させよう


...いや、修復した後にリュウさんの能力の『切断接合』を借りて、あの技をやろう

油断している敵には刺さりやすいはずだ


そう思って、槍を修復したのちに能力で同じところを切断した


「ん?なんか一瞬元通りにならんかった?

...気のせいか。

さて、少年はどう動く?」


僕は切断した槍先に残った少しの柄の部分を持つと、

リコの能力の『加速』でそれを投げる


男はその速さに驚きながらも易々と避け切った


「あー、少年。

子供なのに能力持っとんのか、悪い子やなぁ

そうよな?今の挙動『加速』の能力よな?」


能力の一つがバレたけど、流石に複数能力を

持ってるとは考えないみたい


『切断接合』の能力はその能力でなんでも斬れるけど

任意のタイミングかしばらくすると元に戻る能力。

この"戻る時"の戻り方は体積の大きい方か

能力者が指定した方に引き寄せられるように戻る。


それを駆使して、位置関係を僕の持っている

かけた槍と、放った槍先の間に相手がいるようにすれば

勢いよく戻ってきた槍先は相手を貫くことができる


それを狙って僕は少し移動した

そしてその位置関係になった瞬間に

もう一度能力を使った。


「なんやその動きは?」


僕の謎の動きに相手は疑問を持ったようだけど

もう能力は発動している


戻ってきた槍先は相手を貫く...

はずが...


男は間一髪で避け切った


「あー、なんか変やと思った。

いや変というか、何度も見たことあったから

避けれたんやけど

というか、能力がふたつ?いやそんなはずは...

じゃあさっきの加速は見間違いか?」


男は何かを言っているが、僕にはよく聞こえなかった

避け切ったとしても姿勢は崩れている。

そして、こっちの槍の強みはリーチ(射程距離)。

槍先の戻った槍で、相手の刀を弾いた。

その刀はタイシとカリスマ女性が戦っている方に

飛んでいき、二人の戦いに巻き込まれた

刀は一瞬で粉々になった。

あっちレベルが違いすぎる。


「こっちが武器を失ってもうたか。

こうなりゃ、ヤケじゃ!」


相手は武器を失って、焦燥感からか

そのまま突っ込んできた


ここの距離からでも槍は届くけど、

避けられると少し危険だ。

どうせ相手は素手なんだから、もう少し近寄ってきて

絶対当たるタイミングを狙う。


そう思ってその機を伺っていると...


「少年、忘れてたんとちゃう?

ここが夢の中やってこと」


男は失ったはずの刀を持っていた

それに気づいて止めようとしたが...

距離的に不可能だった。

その刀に僕は、腹を横に切られた


「自分で武器出したんやから知っとったやろ?

ここが夢の中やっちゅーことは。


ていうか、ワイらがぶつかった理由は

『ここが能力による夢のなかで夢から出るために、その能力者と思わしき人物を片っ端から倒すため』

やろ?なんでこれが夢ってこと忘れるん?」


痛みはまだ来ないけど意識が薄れていくのを感じる

怖くて見れないけど、僕のお腹は開かれているんだろう

内臓も出てきているかもしれない。


...ここで終わるなら、せめて!


僕は精一杯、体を動かして槍を男に刺す。


「おお、それで動けるんか

大した根性やけど、槍の長さが足りんかったな」


槍を持つ手を右手だけ離して

槍の後ろを全力で押す。

そうしてさらに突き出た槍は男の体に届いた


「...やるやんけ」


僕と男は同時に倒れ込んだ。

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