3月?日 乱戦
「あなた、能力を使えるの!?」
そう言われて、どう説明しようか迷う
「えっと...これは友達の能力の『共有』っていう
能力で、その能力を利用して能力を借りてるっていうか...」
それを聞き、女性は驚愕の表情をしていたが
その後冷静な表情に戻った
「なるほど、『共有』の能力で能力を
共有できることもあるのね。
それは法律ギリギリな気がしなくはないけれど
緊急時にはしょうがないわ
とはいえ、人から借りた能力を使って
能力障害にならないのかしら?
コピーなどの能力を使用して他人の能力を使い
能力障害を起こしたケースは少なくないのだけれど」
能力障害...
たしか、元々能力者はその能力に応じて
能力を使いやすいように体の仕組みが少し変わるけど
体が変化しきっていない状況で使うとなる障害だったはず。
そっか、他人の能力を使えば
自分はその能力に適した体のはずがないんだから
そのリスクも背負うってわけなんだ
幸い、僕は今のところ何もないけど
「それは気づきませんでした」
考えが足りていなかった
「そう...まぁ何も異常はなさそうだし、
とりあえずその能力は使っても大丈夫そうね」
倒した男はそのまま寝かせておき、
遺跡の奥へと二人で進んでいく
「なぜ、あの男は私たちを襲ったか
わかったかしら?」
それについては見当もつかない
僕は首を横に振る
「あなたの考察も聞かせて欲しいのだけど...
まぁいいわ、時間もそこまでないわけだし
私が解説してあげる。
あの男の考えははここを夢の中や、能力の中の空間だということから
そしてそこから脱出するためには原因を対処しないといけない
原因とは、その能力の使用者。
その能力者を倒してこの世界から出るために躍起になってるわけね
でも、この能力の主が丁寧に本体のことを教えてくれるわけがなく
本体はどれかわからない状態。
だからこそ、誰から構わず襲い出したのだと思うわ
そして、そんな混乱している状態のわけだから
そんなやつの問いに答えたところで
意味がないと思って、私は返事をしなかったってわけ」
なるほど...じゃあこの遺跡の中はかなりの
乱戦になるのかもしれない
そう考えていると目の前からまた男が現れた
その男は壁に手を触れながらこちらにやってくる
「あなた達はこの夢の元凶?」
そう聞いてくる
「聞いて何になるの?
元凶だろうがそうでなかろうが結局
私たちを倒そうとすることは変わらないくせに」
女性は言う
「それもそうだ
じゃあ、いくよ」
その言葉が発されると同時に
僕と女性は壁に引き寄せられた。
まるでそっちが重力の方向だと言わんばかりの力だ
まさか、壁に触れてたのはこのため?
「なかなか慣れないでしょ?
下以外の重力ってのは
不思議でちょっと気持ち悪いよね」
そういうと男は武器を出現させた
その武器の形状は...僕と同じ槍だった
「君の槍を見てからなんとなく使いたくってね
せっかく夢だし公平を期すために同じのにしてみたんだ」
男はそう言っている側で、僕は壁に打ち付けられて
武器すらまともに持てないでいた
バン!
なんとか少し態勢を立て直せた女性は
また銃を出現させ、男に打った
その弾丸は男が出した手のひらに命中したが、
その瞬間に軌道が曲がって僕らと同じように
壁に打ち付けられた
「小さいものならこうやって大きめの重力もかけれるんだよねぇ」
解説しながら男は動けない僕らに近づいてくる
そして男は女性の銃を槍で弾いた
その槍で弾いたときに女性の服の袖が少し切れた
女性の袖の切れ口からは腕に傷の跡が見えた




