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五回目の天国 (能力ものの冒険もの)  作者: マルキ
1章 記憶喪失〜仲間加入
3/51

3月5日 能力

朝起きると、昨日のスキンヘッドのおっさんは

朝食を用意してくれていた


「ありがとうございます。」


俺は感謝を述べる


「あー、いいんだよ

俺も昨日は疑って悪かった。


俺の名前はイロン、短い間だろうがよろしくな」


そこから少しイロンさんと会話をしながら食事をする。

昨日の警戒していた態度から一変して

気のいい兄ちゃんくらいの雰囲気を感じた。


用意された朝食も簡素なものでなく、焼き鮭やら味噌汁やらの何処か安心感が湧き出るような少し豪華な朝食だった。

町の雰囲気こそ違えど文化圏は案外俺らの祖国と似ているのかもしれない。

まぁ記憶はないんだけど。


...昨日アポ無しで来たばかりだというのにこんなものを用意できるだろうか?

そんな疑問が一瞬頭をよぎったが自分でもなんでそこでそんなことを考えたのか分からなかった。

用意してくれたんだから感謝して食べるのが礼儀だというのに。


俺とイロンさんの会話が終わると例の箱が

話しかけてきた


「よう、おはよう。

昨日は色々あったが、

何か俺に聞きたいことはあるか?」


色々聞きたいことはあるが

記憶を失っているのは俺だけじゃない

ヤワラとタイシもこの話を聞くべきだ


その箱を持ち、二人を探す

二人は談合室のような所でくつろいでいた


「おはよう、ヒサト。

よく寝れた?体の調子は大丈夫?」


ヤワラが俺の心配をする


「うん、俺はもう大丈夫だよ。

ところで...二人はどれくらい覚えてる記憶ある?」


椅子に座りながら質問する

二人とも俺と同じように

ほとんどのことを覚えていなかった


例の箱にその件について聞こうとしたら

返事がなかった。

その箱をコンコンと叩いてみる


「おお、すまん寝てた。この機械は

電力の消費をなるべく抑えるために

すぐに節約モードになるんだ。


それで?何か聞きたいことはあるか?」


とは言われても逆に聞きたいことが多すぎて

何から聞けばいいのかわからない


「誰から聞く?」


他の二人に最初の質問を委ねる


「じゃあ俺から」


タイシが質問する


「よくわかってないんだが

とりあえず、俺らの出身はどこなんだ?」


「中央国、この町と敵対関係にある国だよ」


その回答に対して俺がさらに疑問を投げる


「え?なんでわざわざ敵対国にきたんですか?

記憶を失う前にどういう経緯が

あったのかがわからないんですけど」


「そうか、記憶を失ってるのか。

まあなんというか、ヒサト、お前のおじいちゃんの

ためのおつかいみたいなものだ。」


...なんか引っかかるな、記憶を失ってることに

そんなにノーリアクションでいれるか?

もっと俺らのことを心配してくれてもいいんじゃないか?

まるでなにかそうなることを知っていたかのような...


まあいいや、記憶のない今の状況じゃ俺たちに味方してくれる存在ってだけで信じる理由になる。


名指しされて俺のおじいちゃんが出てきた

覚えてないけど、俺のおじいちゃんは

俺らになにをさせたいんだろう


記憶のない身ではあるけど俺のおじいちゃんという

言葉だけで、なんだか嫌な予感がした。


「おつかい?」


「そう。まあだけどその前に、

この町でやることがあるからそっちからだ。」


「...わかりました」


記憶がないうちじゃあ拒否権はないような

ものだけど...


それにしても結構重要なこと求められてる気がする

めんどくさいことは嫌いなんだけどなぁ

ま、しょうがないか。


「でもなんで敵対国に?」


ヤワラが質問する


「そのヒサトのおじいさんが町長と面識があって

信用し合っている関係らしいから

とりあえずここにきたんだ」


「その、町長とは話はついたの?」


さらにヤワラは質問する


「何言ってんだ、ゴルディさんは

快諾してくれただろ」


ゴルディ?ゴルディってまさか...


「ゴルディってあの金髪の幼い子供?」


「外見上はな

そうだ、これも言わなきゃな。


この世界には"能力"があるんだ

漫画とかでよくある特殊能力な。

あれは巻き戻しの能力だ」


「能力!?」


三人とも急に出てきたファンタジーな言葉に驚く


「実は俺のこの箱もその能力に関するアイテムで、

収能システムって言うのを改造したんだ。

この箱には能力がしまえる。


って言っても基本的に犯罪者から能力を

没収するのに使うんだか」


「じゃあ俺も能力を使えるの?」


お願い使えろ、使えてくれ、使いたい


「いいや、使えない。そもそも中央国では

能力の存在が秘匿されている。

だか、能力を手に入れる準備を進めている

というか、そのためにこの国に寄ったんだ」


今使えないのはちょっとガッカリだけど

そのうち使えそうだ。


まじか...特殊能力とか聞くとどうしても興奮が

抑えられないのが厨二心なんだ。

能力に目覚めるってのはゲームとかでもありがちな展開だけど、あれは何度体験してもワクワクが止まらない。

実際に自分がその体験ができるってんだからその興奮も加速するってもんだ。


「こんなもんでいいか?整理はできたか?」


お前は何なんだとか俺のおじいちゃん何者なんだとか

聞きたいけどそれは記憶が戻ればわかるか


「そうだ、アンタのことはなんて呼べば?」


「クニヤってよんでくれ」


名前から言動まで人工知能とは思えないな


「おい、そろそろ行くぞ」


イロンさんが部屋に入ってきた


「どこに?」


クニヤさんが答える


「能力を授かるとこにだ」

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