3月12日 対抗軍
シルビィーさんに連れられてきた場所は
まるで城のように大きい施設だった
「ここが私たちの本拠地だ
今から私らのボスに合わせてやる」
「俺はここで待つよ、部外者がいると面倒だろ?」
といいタカナリさんは外で待機するらしい
シルビィーさんに連れられて、会議室のようなところへ通された。
部屋に入ると、その中では男が大量の書類の向こうで
中央の椅子に鎮座している
「君がヒサトだね?シルビィーから話は聞いているよ
私はアソギ、この組織のリーダーをやっている
ふっ、ふふふ、ふふふふふふ」
不気味な笑いに思わず引き攣った表情をしてしまう
なんだコイツ。
「気にすんな、奴はそれっぽいセリフが言えて
テンションが上がっているだけだ」
シルヴィーさんが身も蓋もないことを言う
「しょうがないだろ、私には楽しみが少なすぎる
ちょっとしたことにだって嬉しく感じてしまうんだ」
「じゃあその書類の山を誰かに引き渡せばいいじゃないか。
そもそもあなたがやる必要のない仕事を自らやっているだけだろう」
「『そう』じゃあないんだよ。
私はこの仕事を苦痛とは思っていないし
むしろこの行為に幾つもの『価値』を見いだして
いるんだ
自分のために他人の仕事をしているんだ」
「それが贖罪だとでも言い出すのか?」
二人の表情が険しくなる。
贖罪...アユタと関係する事かな?
「そうだね、そしてこの行為が贖罪にならない
こともわかっている
私はただ、自分を守るためにこれをやっている」
シルヴィーさんは深いため息をついた。
「アユタに会ってやれと言っても
お前は聞かないんだろうな」
「アユタ自身が望んでいないことだからね」
少しの静寂が訪れアソギさんがこちらを見る
「ああ、すまない君を置いてきぼりにする
ところだったね、さっきの話は興味があるなら
後でシルビィーから聞いてくれ
それより、君は私に用件があるんじゃないかな?」
用件...そう、俺の仲間のことだ
今まであったことをアソギさんに話していく
「そうか、それでここに協力を仰ぎたいと
いいよ、でも二つ君にはやってもらうことがある。
一つは私たちの作戦に参加すること
あそこから抜け出せたんだ相当な実力はあるだろう
元々シルヴィーから話は聞いていたしな
だから君を作戦の一部に組み込む
そうすれば成功率はさらに上がるだろう
それにこれはそっちにとっても問題はないだろ?
いち早く前線で仲間達を助けられるんだ」
一つ目の条件、これは呑んでいいな
元からそのつもりだったし
「そして二つ目は...アユタと仲良くしてやってくれ
これは...私からのわがままだ」




