それゆけ!アヴァンギャルくん!!
大学進学につきドイナカタウンにサヨナラバイバイして学園都市キョートでレベル5を目指すことになったのですが、夢のマイホームに家具やら本やら運んでたら更新が遅れてしまいました。
とりあえず書くのをやめるつもりはありませんが、しばらくの間、更新スピードが壊滅的に遅くなる可能性もありますのでご了承ください。
以上、ヒトデでした。
「それじゃ、なんだい、鴨沢の若頭は、けっきょく敵さんに付くのかい。………やれやれ、せっかくババアが色々といってやったのに、全部パァかい。せめて、戦場に来なけりゃいいんだけどねぇ………」
「長友、鎌谷の2軍も敵方に回ったものと思われます。逆に、戸畑の康成殿からは援軍として龍騎兵7騎と秋津匡毅殿を送ると」
「妥当なところだね。鞍馬と金剛衆からはどれくらい出せる?」
「鬼人と鎧蜘蛛の混成部隊が1500とカラス天狗の精鋭が250、火車が80人に加えて、【屍漁り】の小角殿がガシャドクロを4体ほど融通してくださいました。曇山のアヤメ様にも助力を要請致しましたが、例年より涼しいとはいえ、雪女を始めとした氷霊たちが動くには厳しいとのことです。後は、国の各地から集いつつある妖魔たちですが………元より統率の取れない彼らの事、下手に組み込めば我らの軍が瓦解するやもしれませぬ」
「だろうねぇ。ま、祭り好きな連中にゃ、好き勝手暴れ散らしてもらった方がいいさね。それに、悪心坊、アンタも出るんだろう?」
「ええ。小競り合いなどではない、久しぶりの大戦ですから。楽しまなければ損です。華山殿も前線に出るのでしょう?また、48年前の国盗り合戦のように、肩を並べて戦えると思うと楽しみです」
「すまんが、悪心坊殿。儂はもう戦えんよ。大僧正の地位は後進に譲り渡したし、昔のような法力も使えん。儂はとっくのとうに枯れ切って老いさらばえた死に体の爺じゃ」
「そう、ですか………それは、とても残念です」
「ウチからも、活きの良い法力僧を1000ほど出す。あちらさんの使う妖術と種子島を矢玉避けの加護で防げるんはわかっとるんじゃ。鬼兵らに術かけて突っ込ませりゃ、どうにかなるじゃろ。後は糧秣をどうするかじゃが………」
「そこに関しては、アナグマのケチンボ共から協力を取り付けといた。供給を気にする必要は無いさね」
「本当ですか!!」
「坂井のばば、お主、どんな手品を使った?」
「手品も何も、向こうから協力を持ち掛けてきたのさ。異邦の連中、アナグマの巣に火を放って、何から何まで持ってっちまったらしい。寺田のタヌキジジイ、頭に血が上り過ぎて卒中でくたばりそうになってたよ」
「それはまた………面白そうなものを見逃しちまったわい」
「………クロ兄さん」
「どうかしましたか?ナナ」
「話の状況が、何もわかりません」
場所は引き続き天幕の中。
机を囲んでアレコレ言い合う魑魅魍魎めいた集団を前に、ナナがおめめをグルグルさせていた。
可愛い。
ナナ可愛い。
マジ天使。
うちのナナがかわいすぎてマジつらたん。
じゃなくて。
「まぁ、簡単に言えば、ミカド………この国のトップは、この国のトップじゃないんです」
「???」
「正確に言えば、名目上のトップは確かにミカドですが、実際の国政は、将軍家の人間が代々中心となって担っています」
「ふむふむ………つまり、黒幕は将軍様ということですね?」
「いえ、違います」
「???」
「元々、龍国は、それぞれの地域を将軍に仕える諸侯が治めて、その将軍の上にミカドがいたのですが、かつての国盗り戦で、将軍家が一回入れ替わってるんです。国盗りを為した初代とその次までは良かったのですが、3代目が相当なボンクラだったらしく急激に求心力を喪失。今の将軍家は、ほとんど権力を持たず、国政に携わることもない状態で、この状況を好機と見た各地の大名たちがあれこれ牽制し合ったり戦を仕掛けたりしかけられたりしているのが、現在の龍国の状態です」
「………な、なるほど?」
「ダメみたいですね」
簡単に説明して、ナナがおめめをグルグルさせていた。
可愛い。
ナナ可愛い。
最近ナナがかわいすぎてマジで尊い。
じゃなくて。
「要するに、結構な数の領主が王様の言う事を聞いてくれない状態なんです。だからこそ、俺たちのような反乱軍に協力する連中もいるわけなんですが」
「なるほど」
合点がいったようにポンッと手を叩くナナ。
可愛い。
「へぇ?ちみっこいくせして、よく勉強してるじゃあないか。さてはアンタ、見た目通りの年じゃないね?」
「入用になると考えたので勉強しただけです。………まぁ、確かに俺は、見た目通りの年じゃありませんが」
「らしいぞ、悪心坊。お主の同類じゃな?」
「………なるほど、道理で妙に強力な妖気を纏っているわけです。神憑りや憑き物憑きの類かと思いましたが、我らと同じ妖魔でしたか」
「しれっとバケモンにカウントしないでください」
「???」
悪心坊と呼ばれたテング(暫定)に抗議の声を上げ、「ちょっと何言ってるか分からないです」みたいな顔で見られた。
解せぬ。
ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる老婆を張り倒したい衝動を、気合で飲みこみ。
「そんじゃ、そこの坊主。アンタの意見も聞いておこうかね」
「………俺の意見、ですか?」
「ああ。なんでもいい、思ったことを好きに言えばいいさ」
抱えていた古木の杖で机上の地図を示した老婆が、そんな事を言った。
思ったことを好きに言えと言われても困るが、ここで何も答えないとソレはソレで面倒な事になりそうだ。
地図を見つめる事しばらく、考えをまとめ。
「………そう、ですね。この砦の近辺に城を持つ長友が敵についたのが事実なら、俺が壊滅させた神教国の再軍備が完了する前に攻めてくる可能性が大きいかと思われます。そうなった際、中立を保っていた大名が敵方に寝返ることも考えられます。こちらが数で劣り援軍も見込めない以上、敵が体勢を立て直す前に電撃戦を仕掛けるべきですが、長友に背後から攻められれば厄介な事になりますね」
「ならどうする?放置するにしても叩くにしても、どっちにしろ厄介極まりな」
「なのでトップを殺します」
「………うん?」
「敵の本拠地に忍び込んで長友の当主を抹殺します。それも出来るだけ惨く、残酷に、非人間的に、バラバラの死体にします」
「ま、待ちなアンタ、一体何の話をして」
「さすがに、自陣営のトップが一晩で惨殺死体になれば、戦争に介入するどころの騒ぎじゃなくなるでしょう?足りないようなら2,3人ほどバラして吊るすなり撒き散らすなりしてやれば、それだけで相手は行動不能になります。他の敵対勢力にしても同じことをしてやればそうそう動きは取れないでしょうし、中立を騙る潜在的な敵への牽制にもなります。噂が伝われば、次が自分かもしれないと考えて勝手にこちら側へ寝返る奴も出て来るでしょうし、当然、それを警戒した敵方は疑心暗鬼に陥るでしょう。一石三鳥の良い作戦です。なんなら、今からひとっ走りブッ殺して来まし」
「待ちな、もう十分だ」
「はい」
思いついたままにペラペラ喋って、ババアから制止を食らった。
ふと視線を感じて周りを見て、なんだか奇怪なものでも見るような眼。
なんでや。
婆が、頭痛でも堪えるように眉間を揉み。
「………右近、コイツ、使えるのかい?」
「並の龍騎兵よりはな」
「………そう、かい。戦の定石もクソも無くなっちまうが、アンタにお願いしようかねぇ」
「承知しました。今から行ってぶっ殺して来ます」
「アンタ、随分とはやるね。どうかしたのかい?」
「どうもこうも、ナナの敵になりうるなら殺すべきでしょう?害虫は早めに駆除するべきです」
「………わかった。ウチから足長蜘蛛を一騎と、サンカの案内を付けよう。けれど、しくじるんじゃあないよ?」
「勿論です。というわけで、ナナ。行ってきます」
「あっ、え~と………ファイトです、クロ兄さん」
「ありがとうございます、ナナ」
「ふぁいとー」と可愛らしい気炎(?)をあげるナナの頭を撫でて。
「………ああ、そうだ。エリナ様、フィリア。少々よろしいでしょうか?」
「おん?」
「どうかしたんですか?」
「一緒について来てください」
「「………は?」」
「おい坊主!そったら別嬪さん2人も連れて旅どは、いい身分だばきゃ!!あいだな?2人どもなのこいだな?」
「………クロさん、何言ってるんですか、この人」
「わからない方がよろしいかと」
「あっ、はい」
月明かりも差さない鬱蒼とした森の中。
騎蟲────軽トラックサイズの巨大蜘蛛────の頭部に跨って手綱を取る髭面の大男が、ニヤニヤと下卑た笑みとゲスなハンドサインをこちらに向けていた。
なんとなく、俺とエリナ様とフィリアが恋人………というか愛人の類だと思っているようだったが、何でそうなったのかわからない。
どうせ戯言だと割り切って、背を伸ばし。
「………んで、なんでオレらを引っ張ってきたんだ?ぶっちゃけお前1人でも足りるだろ」
「俺が全快なら確かにそうですが、生憎と本調子じゃないもので。元殺し屋と元傭兵なら戦闘も手慣れているでしょうし、ちょうどよさそうだなと」
「………まぁ、確かに攻城戦は何度か経験がありますが」
「おいおい、オレぁドンパチやんのは苦手だぞ?」
「知ってますし、その方面で頼る気もありません。貴女、スニーキングは得意でしょう?リーダーの寝室にこっそり潜入してミンチにします」
「おぉ、怖い怖い」
「やっぱり、クロさんって物騒ですよね」
「必要な事ですから」
「そうですか?」
「そうなのです」
わずかに揺れる蜘蛛の腹の上、コテンと可愛らしく首を傾げるエリナ様にそう呟いて返し。
「坊主!!もう城さづぐぞ!準備はいが?」
「はい。お願いします」
「んお?」
繫茂する藪を抜けた先、青白い満月を背に聳え立つ山城を正面に見据える位置で、大蜘蛛が動きを止めた。
ふわふわと、存外に手触りの良い蜘蛛の巨体から跳び降り、おっかなびっくりといった様子で続くエリナ様。
義足を滑らせたフィリアが「アダァッ!?」と間抜けな悲鳴をあげるのを傍目に、軽く背筋を伸ばし。
「失礼します、エリナ様」
「ふわっ!?」
エリナ様をお姫様抱っこした。
意外と軽い体を抱きかかえようとして、
「ちょっ、ちょっとタンマですクロさん!!いきなり何するんですか!?」
「ぐえっ」
義手のグルグルパンチをお見舞いされた。
喉の上の変なところに命中したせいですっごく痛い。
「何って、お姫様抱っこですが」
「何でですか!?」
「肩に担ぐよりはマシでしょう?ほら、フィリアも掴まってください」
「えぇ………まぁ、別にいいけどよ」
「うぅぅ~………」
おとなしく背中にしがみついてきたフィリアを背負い、なんだか威嚇めいて唸るエリナ様。
可愛い。
正直もうちょっと見ていたい。
見ていたいが、時間はあまりない。
「ほら、早くしてください。時間は有限なんです」
「………わかり、ました」
心を鬼にして急かして、恥じらうように顔を赤くしたエリナ様に、そっとハグされた。
俺よりも幾分か大きい体をギュっと抱きしめ、怯えたように肢体が硬直する。
押し付けられる柔らかな感触と甘い匂いを意識から押し出しつつ、背後の糸に背中を預け。
「では、お願いします」
「おう!三途渡しばやんのはひさじぶりだが、まがせてぐれ。しぐじったきやすまん!!」
「えっ?」
髭面のおっさんの野太い声にエリナ様がシラフに戻り、直後、大蜘蛛の糸で紡がれた巨大なパチンコめいた機構に装填されていた事に気づいて顔色を真っ青にした。
実にいい笑顔を浮かべたオッサンが、俺の身の丈ほどもあるマサカリを振りかぶり。
「クククククロさん流石にコレは非人道的というか非文明的というかまともな人間のやる事じゃないというか頭わるわるが過ぎるというかいったん落ち着いてフライトはキャンセルして改めて陸路で向かう方が賢明な」
「エリナ様」
「なんなんですか!?」
「これが最善手なので諦めてください」
「そんな無慈悲なってウソウソウソほんと私こういうの無理なんです待ってくださいせめてあと三秒くらい心の準備をさ」
「ぬぅっ、おっ、りゃあぁああ!!!」
「わにゃーーーーーっ!?」
月光を受けて鈍く輝く刃がバッッ、ツ゛ン!!とえげつない音を立てて蜘蛛糸を断ち切り、糸で結ばれた生木がミシリと軋む。
俺の身体が、一瞬沈み込み。
「あぐっ」
「きゃあーーーーーーーーっ!?!?!?」
「厄日だな、今日は」
満月の照らす大空目がけて吹っ飛んでいった。
「むぅ~………」
「いたっ、痛いです、エリナさ」
「ムムムムムム」
「あだだだだだだ」
人間大砲めいた急行便で現着した長友の山城、警戒陣形のど真ん中。
ビシバシベシベシぺチペチポカポカと連打されるネコパンチならぬ義手パンチを背中に喰らいつつ、黙々と武装を用意していく。
こんなこともあろうかと覚えた落下制御の魔術で軟着陸、あまりの恐怖体験からか呆けていたエリナ様が再起動してからずっと、ポカポカされている。
なんだかもはや北斗百裂拳とかオラオララッシュじみたそれと、フィリアの生温かい視線に耐えつつ宝物庫から装備を取り出し。
「むししないでください、なまいきです」
「アバッ!?」
拗ねたような声音と腰に来る鈍痛。
ゲシゲシッと背後からキックされ、顔面から地面につっこみ、起き上がろうとしたところで頭上に影が落ちる。
上を見上げて、片手に松明を持った歩哨らしき侍が、ポカンとした顔で俺を見下ろしていた。
目と目が合う。
瞬間、恋だと気づく前に、歩哨さんが跳び退り。
「も、者ども!!であえ、であ」
「影鞭」
咄嗟に繰り出した影の鞭で首を刎ね飛ばし、そのまま物陰に引きずり込んでチタタプチタタプしてミンチの刑に処す。
グロ注意を通り越してピンクスライムめいたサムシングに成り果てたソレを影潜りの異空間に放りこんで証拠隠滅。
やはりというか、暗闇系統────特に影魔法────の汎用性の高さは目を見張るものがあるな。
痒い所に手が届く。
地面に手をついて、起き上がり。
「エリナ様。確かに、事前説明を十全に行わなかった俺にも非はありますが、流石に今のはナシです」
「うるさいですね。わるいのはくろさんです、わたしじゃありません」
「えぇ~………」
ぷくーっと可愛らしく頬を膨らませてそんな事を言うエリナ様。
かわいい。
かわいいが、どう対応すればいいというのか。
ニヤニヤとチェシャ猫めいた笑みを浮かべるフィリアに軽い殺意を抱きつつ、灰色の脳細胞を全速力で回転させ。
「………わかりました。今度、一緒にデートにでも行きましょう」
「いいんですかっ!?」
「うおっ」
綺麗な萌黄色の眼と金色の義眼をキラッキラさせて迫ってくるエリナ様。
そういえば事あるごとにデートの約束を取り付けられていたなと思い返してそう言ってみたのだが、思ってた三倍くらい食いつきがよかった。
なんだか取り返しのつかない事をしてしまったような気もするが、考えたら負けだ。
そう思おう。
やたらとグイグイくるエリナ様を押し返し。
「ほら、さっさと行きますよ。夜が明けるまでにここのトップをブチ殺して前衛芸術にしなければなりませんから」
「ええ。とびっきりアヴァンギャルディにしてやりましょう」
「………やっぱアレだよな、エリナっちもなんだかんだ言って野蛮人だ」
「黙っててください」
「アバーーッ!?」
頭にチョップを喰らって面妖な悲鳴を上げるフィリアを傍目に、暗がりから飛び出した。
「あびゃっ」
「かふっ」
まさしく喧々諤々といった様子の渡り廊下、ここの棟梁の寝所へ続く通路を警備していたサムライ2人が、俺を見つけて動き出そうとする前に、脳天に棒手裏剣を生やして倒れ込んだ。
ミカ様から「実家から送られてきたのでおすそ分けです」と譲られたものだったのだが、1度コツさえ掴んでしまえばかなり殺しやすいな。
死にたてホヤホヤの新鮮な死体に腐肉の膿を掛けて腐敗・糜爛させ、適当に踏み散らかして先に進む。
………正直、ナナに見せられないような事をしている自覚はあるが、必要経費というやつだ。
恨むなら、俺の邪魔になった自分たちの主人を恨んでほしい。
そんな益体もない事をふらふらと考えつつ、短刀を引き抜き。
「────ッ!?」
「相手が悪かったですね」
古式ゆかしく(?)天井から強襲をかけてきたニンジャをハイキックで撃墜し、そのまま真っ二つに叩き割って抹殺。
血反吐やら臓物やら撒き散らして絶命したソレを払いのけ、血を振り払う。
覆面の奥から恨めしそうに俺を睨む目を、努めて無視して。
「エリナ様。この忍者、適当に凍らせて砕いておいてください」
「はぁ………それは、構いませんが………何故そんな事を?」
「正体不明のバケモノか何かに虐殺されたように見せたいので」
「承知しました」
まるで、液体窒素でバラを凍らせて砕く例の実験のように死体を凍らせて蹴りで破砕するエリナ様と、それを見て「くわばらくわばら」と呪いめいて唱えるフィリア。
なんだか気が抜けそうになるのを堪えて、前に踏み出し。
「逃げられると思うな」
「う、ぎゃあっ!?」
全力で擲った短刀が容易く木製の壁をぶち抜き、何か重いものが倒れ込む音と、野獣じみた絶叫。
片足を切り飛ばされて悲鳴を上げる中年オヤジ。
出血多量で死なれても困るので脚をきつく縛って止血し、手足をそれぞれ影鞭で縛って天井から逆さまに吊るす。
なんだか引いたような視線を背中に感じつつ、宝物庫からガチのムチを取り出し。
「きっ、貴様ら!一体、なんのようで」
「フンッ!!」
「ウッ、ぎゃぁああぁっ!?!?」
思いっきり股間を殴打した。
革製の鞭越しに感じる不愉快なものを叩き潰す感触と、出来の悪いカラクリのように空中で身を捩る男。
なんだかナナには見せられないような顔になっているが、まだ今一つインパクトに欠けるな。
鞭を、大きく振りかぶって。
「く、クロさん!?何やってるんですか!?」
「いえ、ただちょっと適度に苦しみ抜いてから死んでもらおうかなと」
「えぇ~………」
「ほら、エリナ様も手伝ってください。時間は有限なんです」
「はぁ………まぁ、別にいいですけど」
「というわけで、おとなしく拷問されて死んでください。ああ、出来るだけ前衛的に死んでいただければ助かります」
「まっ、待て!わかった、一度話をしよう。話せばわかぎゃあっ!?」
「………ワンコの奴、容赦ねぇな。ついてないこっちまで痛くなりそうだ」
おっさんの愉快な悲鳴をBGMに拷問することしばらく。
人生に疲れきったような顔のおっさんが物言わぬ死体となって天井から吊るされたのは、たっぷり30分ほど後だった。
アヴァンギャルド:前衛的、先進的、画期的といった意味合い。名前の由来はフランス語の「前衛部隊(前線豚)」………とされているが、それはフリーメイソンと13人評議会による陰謀であり、某透き通るような世界観で送る学園RPGのあの子が元ネタ。
あたしゃ詳しいんだぞ!!!




