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龍に生まれた少年は、異世界令嬢の奴隷になる  作者: 御星海星
異邦にて巨魁は朽ちる
60/78

連盟結成!武士とニンジャとパラディンと!!


来週投稿できないので今のうちに。

それはそれとしてアーマードコア6の実況が面白いんじゃ。

スロー♡スロー♡クイッククイックスロー♡素敵です、ご友人♡






「………つまり、どういうことだ?」

「クーデター返しです」

「なるほど?」



 とりあえず話の出来るメンバーと当事者を連れてきて、天幕の中。

 ひとしきり説明が終わった後で、アサカ様が不思議そうに首をひねった。



「要するに、俺たち征伐教会も一枚岩じゃないということだ。特に、最近はな」

「………?えっと、どういうことです?クロ兄さん」

「簡単に説明するとですね、継庭(ツグワ)の次期当主がクーデターを起こした際に、神教国の征伐教会が手助けしていたんです。近代兵器と数の暴力で電撃的に政権を乗っ取り、そうやってできた隙間に征伐教会が入り込んで、今の新政府が出来たわけでして。バーナード様は、その征伐教会の副長に当たるわけですが」

「俺の目的は、ヴェスト………アルトハイム神教国征伐教会筆頭列聖聖人の弾劾と抹殺だ。そのために、今の政権が邪魔なんだよ」


 構図としては、新政府側と組んでいた征伐教会の2番手が、組織を乗っ取ろうと画策し、自分たちがかつて追い落とした旧政府軍の幹部の子供と接触した形になる。

 バーナード曰く、征伐教会内部の勢力で裏切りに賛同したのは、今回の護衛任務に就いた聖騎士───神教国の精鋭部隊───の内、およそ半数。

 元より自分たちだけでヴェスト何某の抹殺を実行しようとしていたが、俺たち反政府軍の人間が帝国からの使節団にいることを知って、今回の計画を企てたのだとか。

 長ったらしく説明はしたが、要約してしまえば、



「えっと………つまり、悪い人同士で喧嘩したんですか?」

「悪い人、か。………まぁ、そうなるだろうな」



 こうなる、と。

 コテンと首を傾げたナナに簡単に説明して、ナナのなにげない悪口に軽くへこむバーナード。

 俺だって、同じような事を言われたら向こう一週間は再起不能になるだろうし、仕方ない事ではあるが。



「悪い人どころか、腐れ外道ですよ。はっきり言って、この場で殺してやりたいくらいです」

「………その、すまない」

「すまないと思っているなら首吊って死んでください」

「………すまない」

「ヘイストップだミカちゃん!!女の子がしちゃいけない顔してるぞ!!」



 いつものほんわかした微笑はどこへ行ったのか、気の弱い爺なら殺せそうなレベルの眼でバーナードを睨むミカ様に、いたたまれなくなった変態がストップをかける。

 ミカ様が帝国に来た経緯を考えれば、当たり前の気もするが………。


「大体、私はアサカ君がいつも通りおバカなのも納得いかないんだけど?」

「そうか?」

「そうだよ!私たちが国を追われたのだって、もとを正せばこの人たちのせいで」

「そう言われてもなァ………」


 ナチュラルに罵倒されたアサカ様が、困ったように頬を掻いて。


「ほら、俺達が負けたのだって、言ってみればコッチが弱かっただけだし」

「ぐぅ」

「そもそも、戦に卑怯も何もないだろ?どんな手段を使われようが負けは負けだ、そこに変わりはないし、それに」

「………それに?」

「俺だって、腹が立ってないわけじゃない。使えるなら利用するが、そうでないなら首を刎ねるだけだ」

「………うん、わかった」

「………そっか、そうだよな、そうなるよな」


 ミカ様を宥めていたアサカ様がいきなり舌撃をぶちかまし、泣きそうな顔のバーナード。

 なんというか、憐れだ。


「もうやめたげて2人とも!!おじさんが死にそうな顔してるから!!」

「おじさん、そうか、おじさんか。君たちから見たら、確かにおじさんだよな」

「ごめんバーナードさん!そんなつもりじゃ」

「ざまぁみろ」

「ミカちゃん!?」


 「ケケケッ」と不気味な笑いを零したミカ様に、変態が悲鳴を上げた。

 なんだか場が混沌としてきたが、この程度でへこたれるほど軟弱な俺ではない。

 なんとか気を取り直して。



「アサカ様」

「どうした?クロ殿」

「とりあえずは、バーナード様の提案を受け入れるかどうか、受け入れるなら計画の再調整を、そうでないなら()()()()()()()も含めて、決定するべきかと」

「………処分、か。そうだよな、こんなおじさんが、信用されるわけないもんな」

「アンタは黙っててください」


 そうだ。

 なんとなくギャグみたいなノリで流してしまいかけたが、この問題は今後の計画を進めるにあたって、非常に大きなターニングポイントと言える。

 個人的にはバーナードを信用していいような気もするが、ナナの安全が絡んでくる以上、妥協は許されない。

 寡兵気味な反乱軍にとってこの土壇場での増援は吉報と呼べるが、それも増援が信用できればの話。

 目の前の大男に腹芸が出来るようには思えないが裏切りの可能性は捨てきれないし、バーナード以外の人間がスパイだという可能性もある。

 もしそうなった場合、ただでさえ数で劣る反政府軍の敗北は必然。


 正直、受け入れるリターンよりリスクがデカすぎる。

 が。



「………俺は、皆さえよければ、受け入れるべきだと思う」


 瞑目していたアサカ様が、案の定、そう呟いた。


「その意味は………理解しているようですね」

「ああ。だがそれでも、この状況で協力者が増えるメリットは大きい。それに」

「それに?」

「………バーナード殿が、どのような思いでこの計画を立てたのか、俺は知らない。知らないが、眼を見れば十分だ。バーナード殿の眼は、譲れない一線を護るために戦う人間の眼だ。俺たちと同じ眼だ。ならば俺たちは同胞だ。俺たちは、龍国の武士は、同胞を決して裏切らない」

「要するにそれは、信頼するに足る論理的な証拠は、何一つない、と。そういう事ですか?」

「ちょっと少年!言い方が」

「大丈夫だ、クラリス女史。理屈づくめで考えるなら俺が間違っている事くらい、百も承知だ。

 ………皆にも改めて伝えさせてもらうが、この戦いは、もとより俺たちの問題だ。皆が巻き込まれる謂われはないし、付き合いきれない、命が危ないと感じたのなら、俺たちのことは捨てて逃げてくれ。場合によっては、俺を売ってくれても構わない。一つだけ言わせてほしいのは、この戦いは、俺たちの矜持を護るための戦いなんだ。たとえ勝ったとして、道に背くような事があれば、それは何の意味もなかったことになる。我儘で済まないが、其処だけは、覚えていて欲しい」

「つまり、自分のプライドのためにナナを危険に晒すと?俺の目の前でそれを言う事がどういう意味か、理解して、そう言ったのですか?」

「クロ兄さん!アサカさんも、そんなつもりで言ったわけじゃ」

「そう、だと言ったら?」



 正面から問いただして、俺の眼をまっすぐに見つめ返す、黒色の瞳。

 わずかに緊張したような色を帯び、それでもなお揺るがない、鋼鉄の意志。

 研ぎ澄まされた抜身の太刀を思わせる視線に、思わず口角が吊り上がった。



「………何がおかしい?」

「いえ、予想以上に面倒くさい友人を持ったなと思いまして」

「めんどっ」

「面倒くさいのは事実でしょう。少しばかり()()()()貰いはしましたが、今更尻尾巻いて逃げかえる気は更々ありませんし、友人を見捨てるなど以ての外です。そんな事をすれば、それこそ俺はナナに顔向けできなくなる。………そもそも、この土壇場で逃げるような人間なら、この場に来てすらいないかと」

「だな」

「ですね。アサカ様にはカティアお嬢様がお世話になってますし」

「まぁ、そりゃそうだよね。あわよくば和服のキレイなお姉さんとイチャイチャできるかもしれないしグヘヘへへ」

「お前はマジで黙ってろ」

「私にだけ辛辣!?」


 気持ち悪い笑みをこぼす変態を罵倒して。



「バーナード様、龍国で待ち構えている敵軍の総数は分かりますか?」

「新政府軍の総兵力が25万、実働兵員は5万ほどだ。教会の兵力はおよそ750名ほどだが、全員が対龍奇跡論兵装を装備している。一筋縄では」

「その程度なら問題ありませんね。まさか自国の首都で大軍を展開するわけにもいかないでしょうし、俺たちが相手するべきは教会の兵士千人以下と敵の幹部級連中、その他ザコに限られるでしょう。どうにでもなります」

「ちょっと少年?さすがに一個旅団規模の軍隊とドンパチは無理だと思うな、お姉ちゃん死んじゃうかも。それとも、なにかウルトラCでもあったりして?」


 ありのままの事実を述べて、戸惑ったように首をかしげる変態。

 『うるとらしー』が何かは知らんが。


「俺が教会の兵力とその他ザコを請け負えばそれで解決です」

「わーお、脳筋さんだ!!」


 失敬な。


「普通に考えて、これが最適解かと。俺の耐久力なら敗北することは無いでしょうし、時間をかけて少しずつ削っていきます。それなら、ナナに危害が及ぶ可能性も少ないでしょうし」

「………やっぱり、そこはナナさんが優先なんですね」

「もちろんです、兄ですから」

「私的には、もうちょっと普通にして欲しいんですけど………」

「ナナは可愛いですね」

「わぷっ」


 僅かに頬を赤らめ、どこか気まずそうな、いじらしい様子で可愛い事を言うナナを愛でる。

 可愛いナナ可愛い。

 写真を撮れないのが悔やまれる。


「やっぱり、少年も結構アレだよね」

「これくらい普通では?」

「クロさん。はっきり言って、クロさんの過保護は相当です。ぶっちゃけシスコンです」

「はぁ………」

「ただのシスコンならまだしも、クロさんは暴走しがちなので見ていて危なっかしいんですよ」

「暴走した覚えはありませんが?」


 ちょっとばかりの暴力沙汰はあったが、それだけだ。

 何も問題はない。


「しばらく前に帝都で話題になった連続強盗犯、たぶんクロさんですよね?身長はどうやってごまかしたんですか?」

「えっ」

「なに?アレ少年だったの?」

「………さて、なんのことやら」

「クロ兄さん、そんなことしてたんですか?」

「ナナに危害を加えようとしたので釘を刺しただけです。何も問題ありません」

「むしろ問題だらけな気がするんですけど」

「彼らは犠牲になったのです。犠牲の犠牲に」

「何言ってんの?」

「すみません脊髄でしゃべってます」

「なるほど脊髄なら仕方ないね」

「仕方ないんですか?」

「仕方ないんです」

「なるほど?」


 きわめてIQの低い会話をしつつ、ポットから注いだ茶を飲み干して一息つき。


「………話が逸れてしまいましたね。とりあえず、互いの軍の提携について話をしましょう………といっても、共同戦線を張るのは不可能でしょうが」

「まぁ、それはそうだろうな。俺たち聖騎士には聖騎士の戦い方があるし、それはそちらも同じだろう。こちらとしても、ヴェストの排除さえ叶えばそれでいい。教会騎士が戦線に参加しないなら、やり方はいくらでもあ」

「その件だが、1ついいか?」


 ムリして共同戦線を張るよりも好き勝手に戦った方がまだマシということで話がまとまりかけて、アサカ様が手を挙げた。


「アサカ様、どうかなさいましたか?」

「継庭当主、森兼定に多勢を向けるのは、やめた方がいい。下手をうてば被害が拡大することになる」

「敵の首魁はそれほど強いのか?そのような報告は入っていないが………」


 不可思議そうにそう言ったバーナードに、首を横に振るアサカ様。


「いや、奴の剣の腕はそれほどではない。問題は『心の一方』だ」

「それはどういうものなのでしょうか?毒や暗殺術の類なら、そこまで恐れる必要もないかと思いますが………」

「あれは………何と呼べばいいのかわからないが、あえて言うならば瞬間催眠術の類だろうな。理屈は分からんが、何かされたと気づく前に意識が飛ぶ。胆力や気力で耐えきれるかもわからんし、事前に知って備えておくかしなければ一瞬で持っていかれる。おまけに射程範囲も広いと来た。討つなら、少数精鋭で挑むしかないな」


 催眠術、か。

 食らったことがないのでわからないが、魔力以外の術理に由来する技術なら、俺にも通用する可能性がある。

 口惜しいが、ある程度の耐性が期待できる、アサカ様たち龍国のサムライに任せるべきか。


「ヴェストに関しても、挑むなら少数精鋭で戦うべきだ。あいつは下位の龍2体を単騎で殲滅している。生半可な戦士では蹂躙されるぞ」

「えっと………要するに私たち、すっごく強い2人相手に2正面作戦するってこと?さすがにヤバくない?」

「最悪、俺が赫華(インフェルノ)で全部消し飛ばします。問題ありません」

「いやダメでしょ………っていうか少年、ひょっとして禁呪使える系男子?」

「禁呪使える系男子は知りませんが、インフェルノだけなら使えます。もっとも、一度使えば何もできなくなるので、多用できる手ではありませんが」

「というか、クロさんがインフェルノを発動する状況って、結構マズくないですか?」

「荒野か何かならともかく、城下町でインフェルノを使われれば、まず間違いなく全員死ぬな」

「最悪でも相討ちに持っていけますね?」

「そういう事です、エリナ様」

「クロ兄さん、相討ちじゃダメだと思います」

「それもそうですね、今のうちに術式を改造して指向性を持たせておきましょう。いざとなったらゼロ距離で叩きこんでやります」

「禁呪の改造って、やろうと思ってできるものじゃないでしょ」

「納期までには何とか仕上げます。………決戦予定地点の地図と、要注意人物の概要をください。とりあえず、誰が、どの場所で、誰を殺すのか、それだけでも決めてしまいましょう」

「あの、クロ兄さん、私は」

「ナナは後方でお留守番です」

「………はい」


 しゅんとしたナナの頭を撫でて、広げられた地図に目を落とした。






















「………つっかれた」



 1人呟いた言葉が、夕暮れ時の空に溶けていった。

 規則正しく緩やかに鳴る潮騒の音と、水平線を茜色に染めながら沈んでいく太陽。

 磯の香混じりの生ぬるい風が、ゆるりと頬を撫でていく。

 いやに重い目を閉じて、テトラポットに寝っ転がる。



 癒し枠のナナはお嬢様の看病に行き、定期的に毒を吐くミカ様とそのたびに動かなくなるバーナード、征伐教会の女聖騎士にナンパを掛ける変態の3バカに苦しめられつつもタスクをすべてこなしたと思えば、突然乱入してきたクソジ────アサカ様のお爺様と随伴の牢人のせいで計画を最初から組み直すハメに。


 正直言ってこのまま死体のように眠ってしまいたいが、オーバーワークが祟ったのか若干ハイになった脳味噌はそれすら許してくれやしない。

 いっそ。



「全部ほっぽり出して、逃げちまうか」

「じゃあなんでそうしないの?」



 予想外の返答に思わず起き上がり、目の前でメスガキが浮遊していた。

 何を言っているのかわからないと思うが、俺も何が起こったのかわからない。

 超スピードだとかそんなチャチなものじゃない、とてつもなく恐ろしい物の片鱗を味わった気分だ。

 とりあえず。


「お前、なんでここにいるんだ?」

「私も龍国に行くから」


 問いただしてみて、さも当然といった顔でのたまうメスガキ。


「………言っとくけどな、遊びで行くわけじゃねぇんだ。お前が居ても邪魔なだけで」

「里の代表で行くから。ちゃんと仕事だから」

「ファック」


 やりよったなジジイ共。

 今度会ったら全身の鱗を剝いでや。



「ねぇ、何で逃げないの?」

「逆に聞くが、何で逃げると思った?」


 不思議そうに首をかしげるメスガキに問い返し、呆れたような眼を頂戴した。

 なんでや。

 なんでこっちが悪いんや。



「お前、あのおっかないお姉ちゃんの奴隷なんでしょ?拘束術式もガッタガタだし、逃げようと思ったら、オオカミちゃんだけ連れて逃げられるよね?」

「無理だ。そもそもそんな事をする理由がな」

「嘘でしょ?」



 どす黒い中に金色の煌めく瞳が、真正面から俺を見据えていた。

 いつになく真剣なソレに、思わず溜息をついて。



「………はっきり言って、全部ぶっ壊して逃げようと思ったら、いつでも逃げられるな。帝国も龍国も戦争も、全部纏めて燃やしちまえばいい。ナナを攫って兄妹2人で逃避行ってのも、面白そうだし」



 正直な話、帝都上空から火炎の息吹(ファイヤブレス)赫華(インフェルノ)を連打するだけで帝国は滅びるし、龍国も大差ないだろう。

 戦争なんて、ちょろっと突撃して軽く暴れてやればそれでジ・エンドだ。

 お嬢様と会えなくなるとナナは悲しむだろうが、その程度、記憶噛み(メモリーバイト)と薬剤の投与でどうにでもなる。

 実際、俺が全てを破壊したところで、問題などありはしないのだ。



「じゃあ、なんで」

「でもなぁ………ナナ、楽しそうなんだよなぁ」

「はぁ?」

「お嬢様と話してる時とか、一緒に寝てる時とか、ずっと笑顔だしよ、何でもないような事でも、楽しそうに笑っててな」

「それがどうかしたの?」

「確かに、俺はお嬢様が嫌いだ。わけわからん事するし、しょっちゅう無茶ぶりしてくるし、頭悪いし、性格悪いし、おまけに死ぬほど面倒くさい。だが、ナナはお嬢様が好きだ」

「だから?攫って逃げればいいじゃん」

「そうしたいのはやまやまだが、ナナの意志に反するんだよ。ナナの人生はナナの物だ。どう生きて誰を選んでどう死ぬかは、ナナが決めるべきだ。ナナのために俺が出来ることは全てするし、ナナには幸せになって欲しいが、ナナの人生は俺の物じゃない」


 なによりも、ナナは1度、お嬢様に告白している。

 それを否定して横から掻っ攫うということは、ナナの全てを否定することに他ならない。

 そんなことできるわけがないし、兄としてするべきじゃない。



「………ねぇ、1つ聞いていい?」

「なんだ?」

「なんでそこまでできるの?龍が、血の繋がりも何もない人間のために」

「なんでって………俺がナナのお兄ちゃんだからに決まってんだろ。むしろ、他に理由があると思ったのか?」

「いや、普通はそれだけの理由で動かないでしょ」

「他の奴がどうかは知らんが、少なくとも俺は動くな。ナナのためだし、俺、ナナのお兄ちゃんだし」

「そういうものなの?」

「そういうものなの………まぁ、守る奴のいないお子様には分からんだろうな」

「子ども扱いすんな」

「だって子供だろって痛い痛い痛いからやめろ」


 

 ぺちぺち殴ってくるメスガキを振り払って立ち上がり。



「つーわけで、余計なことすんなよ?変な事したら燃やすからな?」

「う゛っ」

「クロさ~ん?何やってるんですか~?」


 適当に脅しをかけてメスガキに釘を刺し、最近聞きなれた俺を呼ぶ声。

 振り返って、首をかしげて佇むエリナ様。

 じっと見透かすような萌黄色の瞳から、目を逸らし。


「なんでもありません、エリナ様。ただの野暮用です」

「そうですか?ならいいんですけど………」

「そろそろ戻りましょう、ライカ様。明日は早いですから」

「えっ、キモッ」

「沈められたいんかクソガキィ!!」

「上等だやってやんよ!雷電少女(スパークガール)!!」

「かかってこいやワレェ!!大地剣(グランドソード)!!」

「ちょ、クロさん、一回落ち着いてきゃあっ!?」



 港に設営した仮設拠点に帰るよう促して、舐めた口を利くメスガキ。

 悲鳴を上げて吹っ飛ぶエリナ様を無視して雷を纏った突撃を正面から受け止め、そのまま海に飛び込んだ。







 ちなみに、その後突如として発生した雷雨、暴風、高波、氷雪、局所的な地震によって、龍国への出立が一日遅れる事となった。



 俺とメスガキはエリナ様にしこたま怒られた。


 ちくしょう。





このあともう一本だけあげるかも?




次回予告



突如乱入してきたおっさんにダークリング(意味深)を狙われながらも、主人公一行はついに龍国へ辿り着く。

跳梁跋扈するNINNJAにサムライ、魑魅☆魍魎!!

インフェルノめいた混沌の真っただ中、一匹の狼が乱世を駆ける!!!



「MY NAAAAME IS! GYOUBU MASATAKA ONIWA!!!」

「ロバァァ――――トォォ!!!」

「あし・・・・な・・・」

「ムリですムリムリムリ!!私死んじゃいますってうきゃーーー!?!?」

「意外と余裕あるわね?」

「ちょっとご主人様!見てないで助け「おはこんにちはろ!忍者でぇす!!」くぁwsdfgtひゅjこlp」



次回「オオカミ危機一髪!仕留めろ芦名の森!!」



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