表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

ー触った編ー

「本当だよ。触ったんだ」

パパにそう言ったら、また怒られた。

夜中に起きていたから怒ったんじゃなかったの。

まだお風呂あがったばかりだよ。


流れ星に願いごとした話を学校でしたら、みんな今日やるって言ってた。

けいのパパは、夜に起きてても怒らないんだね。いいなーって言われたのにさ。

いいけどね。

僕は今日も願いごとしようと思ってるし。


それはそうと、星さんって冷たいんだね。

学校の帰りにね、おじいさんが畑の向こうに座ってて。

僕「大丈夫?」って聞いたんだ。

そしたら、おじいさんは「落ちちゃっただけだから、少し休めば大丈夫じゃ」って。

でも、やっぱり心配だったから、お水を運んで飲みながら休むのにつきあってたんだ。

それで、おじいさんに「落ちちゃってうえに帰れるの?」って聞いたんだ。

「もちろんじゃよ。帰らないと光をつけててあげられんからね」

って言うんだ。これって絶対、星さんじゃんって思ってさ。

だって、僕が祈っちゃって、その願いごと聞くために落ちてきちゃったんだよ!

いや、聞いてから落ちちゃったのかな。

どっちにしろ僕のせいだと思って謝ったの。

「おじいさん、ごめんなさい。僕がようちゃんに会いたいって言ったから」

「ようちゃんか。それは、明日の次の日のことか。よかったよかった」

ニコニコしてようちゃんのこと話すんだ。

おじいさんは何で知ってたんだろう。

あ、当然だよね。星さんだもん。


なのにパパってば、こう言うんだ。

「溝に落ちてたら大変じゃないか。そのおじいさんは、怪我してないのかな。もっと早くパパに言いなさい。しかし、どこの人だろうね。大丈夫。空ではない。けいは、もう眠いんだな。湯冷めするから早く寝なさい」

って。

怒ったうえにダンゲンしちゃって。

絶対信じてないじゃないか。

僕は、おじいさんに手を貸して立たせてあげたんだよ。

だから、お星は冷たいんだって思ったんだもの。

はっきり言ったよ。

「本当だよ。触ったんだ」


パパは、うーんと唸って考えてた。

「ご近所さんに、おじいさんは多いからなぁ。しかし、うえに、となると星さんかもしれないね。きっと美味しい料理を用意しようと思ったんだろうな。星さんは……」

「おやすみなさい」

やっぱり星さんじゃないか。

パパは素直じゃないんだから。

話し出すと長くなるから部屋に行ったよ。

「ようちゃんに早く会えますように。あ、おじいさんが光をつけれますように」

流れ星は見えなかったけど、念のため。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ