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ダンジョン対策

 俺たちは取り敢えず空いてる席に座る事にした。

 全員が座ったところでお姉さんが言う。

 

「そういえば名前聞いてなかったわね、あなたたち名前は?」


「俺がハヤトでこっちがミルです、よろしくお願いします。お姉さんのお名前は?」


「私はガネットよ。よろしくね」


「ガネットさんは他の初心者冒険者にも教えたりとかしてるんですか?」


 ミルが興味深そうに聞く。


「そうだよ。ダンジョンは初めて行った奴とかは勝手がわかんなくて死ぬ奴が多いのよ。私も死にかけたんだけど、運良く助けられたのよ。」


「そういう経緯があって教えてくださってるんですね」


 人には色々な過去があるんだな。かく言う俺は死んだことあるし。


「昔のことだけどね……じゃあ自己紹介が終わったところでダンジョンの注意点を説明していくわね。そもそもダンジョンっていうのは古代の遺産なの、だから超常的な力があって、何もなかった場所に急に現れる事もあるの」


 何もない所にダンジョンが出てくるってどう言う原理なんだろう?

 これは解明されてないことなんだろうか?


「何もない所にダンジョンができるってどういう原理かわかってるんですか?」


 俺がガネットさんに聞く。


「今のところ何もわかってないわ。だけどダンジョンには魔素濃度というのがあってこれがそこに湧く魔物の強さを決めているみたい」


 魔素って言ったら魔物の素になるものか?

 この世界の魔素はどういうものなんだろう?


「魔素ってなんですか?」


「魔素っていうのはそこら中にあって魔物の素になっているものとも言われているのよ。でもダンジョンの魔素濃度は特に濃いから魔物の数も多いし、強い魔物がいるときがあるのよ」


 魔素が魔物の数と強さを決定する重要な要素だということはわかったぞ。

 つまり低ランクのダンジョンは魔素濃度が低いということか。


 それから俺たちはガネットさんからダンジョンの注意点をたくさん教わった。

 纏めるとこうだ。


 一、ダンジョンは魔素濃度が外より高く、魔物が湧きやすい。


 二、ダンジョンに仕掛けられている罠は魔物が自然に沸くように自然に設置されるそうだ。そして罠を確実に見つけるには『罠感知』が必要だが、早覚え出来るスキルではないため実戦で身に付けるしかないという。


 三、ダンジョンの最下層には大抵お宝があって、このお宝はアーティファクトの場合があり価値がとても高い。


 四、最下層にはダンジョン主がいて、お宝やアーティファクトを守っている。


 注意点を教わっていると夕方になっていてスキルの練習がやりやすい時間帯になってきたらしい。


 俺たちはガネットさんの案内で街のすぐ外の平原に来ていた。

 

「もうこの時間帯だとこんなふうに何も見えなくなる、ダンジョンではこれが普通よ。だから私たちは『暗視』とかを使ってダンジョン内での視界を確保するのよ」


 ダンジョンはこのぐらい暗いところらしい。ほとんど何も見えないぞ。これは『暗視』無しじゃ辛そうだ。


「じゃあこれから『暗視』を教えていくわね。今回はこの街で開発された早覚え法であなた達に教えるわ」


「……?早覚え法ってなんですか?」


「昔この街にいた大魔法使いが、なんとか初心者が楽できないかと思って開発した方法よ。まぁ一部のスキルしか早覚え出来ないんだけどね」


 そんな覚え方があるのか……ていうか大魔法使いさん、あんたそういう頭の使い方していいのかよ。

 物臭な人だったのだろう。


「じゃあ早速やってみるわよ」

 

 ガネットさんがそう言うと目が光り始めた。


「これが『暗視』を発動させている状態よ、これに『感覚共有』を使ってハヤトと感覚を共有させるの……じゃあいくわよ!」


 ガネットさんが『感覚共有』を発動させると俺の視界も昼間と変わらない状態になってきた。

 『感覚共有』を使えばパーティメンバー全員に『暗視』の効果を共有することもできるな。

 このスキルは大分便利そうだ。


 早覚え法を使った後のスキルの習得の仕方は至って簡単だ。

 ギルド会員証には自分が習得可能なスキルが見れる欄がある。ここにスキル名が書かれていて、頭の中で念じるとスキルポイントが足りている限り、一部の例外を除きどんなスキルでも習得できる。

 必要数スキルポイントはいちいち調べないといけないのだが、今回はガネットさんが教えてくれた。


 俺はカードを出してみる。どうやらスキルは一度自分が使っている状態になれば、習得可能になるらしい。

 なるほど、これが早覚えか!


「どう?スキルは習得可能になってる?」


「はい。『暗視』と『感覚共有』が習得可能欄に入ってます」


「よし、それじゃあこれで最低限のスキルは教えたわね。この先、今のあんたたちのような困ってる仲間がいたら助けてあげなさい。これはあたしとの約束よ」


 ちなみに『敵感知』は持ってる事にしたのでガネットさんから教わったスキルは『暗視』と『感覚共有』だけだ。


 ガネットさんからはたくさんのことを教えてもらった。いつか恩返しができる日が来るといいな。


「それじゃ、あたしは先に帰るわ。あんたたちはスキルの練習をちょっとしてから帰んなさい」


「「はい!ありがとうございました!」」


 そう言ってガネットさんを見送った後、俺たちはスキルの練習をした。

 ついでにスキルポイントが余っていたのでミルの感覚を共有して『魔力操作』を覚えておいた。

 『魔力操作』を使えば剣に魔力を帯びさせたり、体中に魔力を通して身体能力を上げたりする事が簡単にできる。もちろん練習する程、上手く操作する事が出来る。


 練習もできたので俺たちは『暗視』と『感覚共有』を使って街まで帰った。

 宿に戻ると俺たちは夕食を食べて寝る事にした。


 明日はいよいよダンジョン探索だ。

 この度は「異世界転生したのに魔王がいません!」を読んで頂きありがとうございます。


 趣味で初めて書く小説ですので、拙い部分がかなりあると思います。

 御意見、御感想、御評価を頂ければ幸いです。


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