天使との旅立ち
「それってどういうことですか?」
「えっとね勇者ってのはその世界に住んでいる生物がなるんだよね。まぁ細かいことを言えば人間以上の知能を持つ生物。天界の者たちは地上界に過度な手出しをしてはいけないというルールがあるから勇者を召喚するとかもないんだよね」
「で、その世界で勇者が生まれて魔王を倒したってこと、まぁ何百年も経てばまた魔王が出てくるんだと思うんだけどね」
マジかぁ。魔王様、死んじゃったのかよ。
じゃあもしかして強い武器とかいらないんじゃないの?
魔物もいなくなってるとかでさ?
するとミカエル様が見透かしたように、
「でもね、魔物はかなりいるから君が想像しているようなことにはならないと思うんだ」
「そうなんですか!よかったー」
するとミカエル様があるカードを見せてきた。
「これはね、ギルド会員証といってステータスがわかるカードなんだ。これがまた優秀な機能を持っていて、レベルが上がると勝手に能力値を上書きしてくれる、といった便利な機能がたくさんあるんだ。天界から見てもこれを作った人は天才だよ。おっと、話が逸れたね。これが君のステータスだよ。さっき作っておいたんだ。うん、君はとても運のステータスが高いね百万人に一人と言ったところかな?でもそれ以外は普通のステータスだね」
冒険に運は関係なさそうだな……いや待てよ、運のステータスが100万人に1人ということは素晴らしい特性が手に入るということではないのか?
「この???になってるところに特性がはいるんですよね?」
「そうだよ。特性は君が異世界に送られたときに決まるんだよ」
つまりここでわざわざ強い特性を選ばなくても俺の強運によって強い特性が手に入るかもってことだよな。
そういえばミカエル様は何でも持っていけると言っていたよな。
いいこと思いついちゃった。
「そろそろ説明もいいかな?言い忘れてたいたけど、言語とかその辺のことは気にしなくていいよ、私が君の脳に直接書き込んでおくからちゃんと読み書きができると思うよ」
「さぁこの紙に持っていきたいものと契約に同意するサインを書いてね。後、少し痛いかもしれないけど自分の血をこの紙に書いてある魔法陣につけてね」
俺は契約書にこう書いた。
〜契約書〜
私、桐生隼人はこの契約に従い、転生することを誓う。
持っていくもの
ミカエル様
以上
「うん。これでオッケーだよ……って君は何を書いているの!?」
ミカエル様が叫んだ瞬間、血をつけた魔法陣が青く燃え出した。
「嘘でしょ!?契約が成立した!?」
「ミカエル様、ごめんなさい。でも俺よく考えてみたらそこまで特殊能力は必要ないと思ったんでミカエル様と旅に出ることにします!」
とそのとき凛とした女の人のこれが聞こえた。
「人間、その願い承ったぞ!」
「ラ、ラファエル!?」
「よいではないか。たまにはお前も息を抜いてくるがいい!なに大天使長がいなくてもなんとかなるだろうよ」
「さぁ、セカンドライフ楽しんでくるがいいぞ人間」
「ま、待ってよラファエルーーー!?」
「ありがとうございます。ラファエル様!」
俺たちは光の輪に吸い込まれていった。
この度は「異世界転生したのに魔王がいません!」を読んで頂きありがとうございます。
趣味で初めて書く小説ですので、拙い部分がかなりあると思います。
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