とある世界の、とある国の、とある海竜の話

とある世界の、とある国の、とある海竜の話

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私達の生きるこの世界とは違う、どこか遠く遠くの世界のお話。

どこか遠くの国にある、どこか遠くの海に海竜がいました。

海竜はとても美しい女の子です。その見た目通りとても美しい性格をしています。

海竜の住む場所は昔海に沈んだ美しい都市で、朽ちかけた天使像と時計塔の瓦礫達が海に沈んでからの年月を感じさせます。海面から降ってくる優しい日の光や月明かりが瓦礫達を照らし、とても美しいのです。とても素敵な場所なのです。

ある日、嵐が来ました。海竜は被害に遭わないように海底都市に隠れました。

すると、海底都市の上を進んでいた一隻の船が嵐のせいで沈んできました。海竜はその船の中にまだ生きている人間を見つけました。

海竜は迷いました。目の前にまだ生きている人間がいます。助けてあげたいのです。ですが海竜の掟の中に人間には決して関わってはいけないというものがありました。何故なら人間は海竜の美しい鱗欲しさに海竜をたくさん殺していたからです。

海竜は迷います。けれど心の美しい海竜は、結局生きていた男の子を助けてあげました。男の子を口に咥えて陸地に上げてあげました。

それから数日後の晴れた日、男の子がまた船で海底都市の上にやってきました。そして男の子は言います。僕を助けてくれた心優しい海竜様！僕はこの国の王子です。今回のことで海竜にも心があることを僕は知りました。だから、国中に僕が海竜様に助けられた話をしました。そして国中に海竜を狩らないように命令を出しました。これでこの国の海では海竜狩りは無くなるでしょう。ですので、どうか一目会ってはいただけませんか？直接お礼を言いたいのです！

海竜は王子様の心からの言葉に感動しました。それに、この国の海で海竜狩りが無くなることにとても喜びました。しかし海竜は掟に従い、二度と王子様の前には現れませんでした。

こうして海竜は、この国の海に平和をもたらし、運命の相手と結ばれることなく、大好きになった他の海竜と結ばれ、子をたくさん産み、育てました。大好きな旦那様と子供達に囲まれて、今日も海竜は幸せに暮らしています。

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詩の才能が欲しい