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まおー様は絶望の未来を歩む  作者: 粘々寝
2章:姫騎士レイディアナ
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2章 第29話:姫騎士の凱旋

こっからはまたスーパーレイディアナちゃんタイム(酷い目にはあわないよ!あわせる側だよ!)

ーーーーーーーーーーーーーーー…

イーストエンド 騎士国領 

ーーーーーーーーーーーーーーー…


 中央まで進出してきたユーミン遊牧民国の尖兵、大よそ800前後が駐留していた駐屯地を破壊した姫騎士と百騎兵一向は敵の中継地点を絶つ事に成功した。これにより、退路を断たれた馬賊達は略奪中の村や町に孤立して統制を失うことになり、百騎兵もしくは騎士国の中央領主連合に各個撃破されていくことになる。この事で、大よそ千人の馬賊と数百の戦奴(騎士国の農民や騎士)達は命を落すことになった。だが、騎士国で戦える者達もそう多くは残っていなかった。大よそ300という僅かな騎士達が現状の騎士国を支えていたのだ。それは、今だ2000以上の余剰兵を残すユーミン遊牧民国と戦うにには、あまりにも頼りない兵数だった。

 そのため、突如現れ、たった百騎を率いて強力な騎馬弓兵の軍勢を打ち破った姫騎士レイディアナは人々に歓迎され、賞賛されることになる。騎士国の各地の村々を解放して回った彼女は英雄として騎士国に迎え入れられる事になったのだ。かつて、流行り病を患った時にはスカージの村に堕としたことなんてまるでなかったかのように。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


 かつて住んでいた騎士王の治める城下町を、百騎兵と姫騎士は歩んでいた。

 凱旋の見物に来た民間人達が列を作り、歓声を上げている。

 それは、城まで続く人の道だった。


「帰ってきたのだな、私は」


 そう呟くと深紅の瞳から涙が零れ落ちる姫騎士であった。

 一度堕ちる所まで堕ちた彼女にはこの歓声はあまりにも眩しかったのだ。


 姫騎士に続き百騎兵の中にも感極まっている者達がいる。

 ただし、アーメットに阻まれてその様子を見ることは適わない。

 彼等もまた、様々な事情で堕ち、この場に帰ってきたものだった。


 ふと、子供が蒼銀の甲冑の騎士達に「騎士様だぁー」と無邪気に駆け寄ってくるが、

 漆黒の槍を背中に携える銀騎士は優しく手で押しとどめた。

 すぐに母親らしき人が駆けつけ「申し訳ございません。子供が失礼を…どうかお許しください」

 と頭を何度もさげながら子供の手を引っ張っていった。

 銀騎士は何も言わず手を振った。


 城下町から城に向かうまでの間、黄色い歓声は留まる事を知らない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…


 私は、城内の会談室で王の代理の大臣や領主達と姫騎士は顔を合わせていた。


 騎士国に援軍として駆けつけるに至った筋書きはこうだ。


 流行り病を治す術を見つけた私は、

 周りの者達に治療を施して軍勢を編成したことにした。


 あの村の惨状を知っている者なら、即座に嘘だと分かる陳腐な話だ。

 あの村で武器や防具なんて用意できるわけもなければ、

 騎士国が危険な事なんて知る術もないのだから。


 でも、あの村には誰も近寄らないから。あの御方以外には。


「…それで、流行り病を完治した者達を集めて帰ってこられたというのですか」


 …あの御方が言うには完治、ではなく無毒化しているだけらしいので、

 私自身は流行り病を保持しているままなのだ。他の獣魔達も同様に……

 だから、本来は人との接触も極力避けなくてはいけないのだそうだ。

 だが、そんな事言うわけにもいかない。隠し通す必要がある。


 接触と飛沫にさえ気をつければ感染す事はない病気なのだから。

 ……これらの法の整備は今後必要となっていくだろう。


「そうだ。騎士国が危ないと聞いたので居ても立ってもいられなくなってな」

「そうでしたか。我々も民達も皆、貴女の事を案じておりました」


 ……嘘をつけ、最初からそんな事一度たりとも思った事はないだろう。


 流行り病を患った時、言われもない謗りを受けたのだから。

 私は忘れてなどいない。あの侮蔑に満ちた瞳も、言葉も。

 だが、今はそんな事を気にしている猶予はない。


 あまり会話を続けると顔に出てきてしまいそうなので、

 手短に本題を切り出す事にした。


「今、騎士国は窮地に立たされている。国で一丸となってまとまり、蛮族共と対抗していかなくてならない」

「そうです。ですので今、民衆は強い王を求めております。そこで……」


「分かっている。先王、お父様の後を私が引き継ぎ王となりましょう」


「「おおぉ……」」


 当初の目論見どおり王となる事を切り出せた。

 大臣達の感心する様子から見ても感触は悪くない。


「ただ、今の私は国を治めた経験がない。その辺は貴殿らの手を借りたいと思っている」

「ええ、お任せください。騎士国の未来のため精を尽くしましょう」


 ……呆れる程、あっさりと話は決まってしまった。

 それもそうか、この国は滅亡寸前だものな。

 諸侯の中では騎士国を見限って裏切りを働いた者もいるくらいだ。

 

「ああ、共に騎士国の未来のため努力しよう」


 王とは最後に責任を取る立場であるから逃げる事はもはや適わない。

 敗北した時には150年前の姫騎士と同じ末路を辿る。

 それは少し、怖いと思った。


「しかし、レイディアナ様は以前と大分雰囲気が変わられましたな。髪を切られたせいでしょうか」

「そうだな。私は変わってしまったよ。"何もかも"、な。貴殿らはあの時のまま壮健そうでなによりだ」


 一昔前は何も知らなかった。綺麗な物しか見てこなかった。

 今は騎士国の現状を知っている。汚い物も散々見てきた。

 そして、私自身、何もかもが汚れきってしまった。

 その事についてはあまり後悔してはいない。むしろ、良かったとさえ思っている。


 ただ、お父様が今の汚れきった私を見たら何と言うのだろうか。

 それだけが少し、心残りだった。


「ところですまないが、貴殿らに提案があるのだ」

 

 まず、行わなければいけないのは獣人達との休戦。

 食料の譲渡を条件に停戦協定をあの御方と結ぶ必要がある。

 これは、あの御方の操り人形である私がやらなればいけない役目だ。


 食料を渡すのは辛いが、元々獣人達が力ずくで奪っていた分を渡すだけなのだから。

 死人は出ない分全然良い。……はずだ。

 幸い、問題となるオーク達に渡す生贄はこれからは大量に手に入る。そう、大量にだ。


 騎士国で賄えないならば奪えばいいだけなのだから。簡単な話だ。

 奪うのであれば、奪われる覚悟くらいはしておいてもらわなければ困る。


 ユーミン遊牧民国…私の愛する国を冒涜した罪は重い。その身を持って贖わせてやる。

こっからあと数話で2章のオチに入ります。

モノローグマシマシでお話進めちゃいますけどまぁいいよね!

くっ…殺せ!辺りからこのオチが読めてたりするんじゃないかなと思ってたり。


2章の話一点に絞って設定とキャラを練って重厚なストーリー作った方が良かったかもしれない。

まぁ、終わりを見据えるとそんなチンタラ話を作ってられないというのが現状……小説作るのは難しい


遊牧民国なんてご都合主義感バリバリだしね!

今は単なるモブモヒカン王国だけど後で後付で設定増すからよ!

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まおー様の対勇者戦線の設定

ネタバレありだけど設定気になったらこっち見てね

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