第9話 決勝と聖剣
エイジ・アルファンの秒殺劇
数十分前のこと
「スキル・エラーね………」
身分証明書を見つめながら何気なく呟く。タトンノの試合の時に追加されたスキルだ。
「これもとんでもない効果だよなぁ」
一時的にスキル、魔法、能力を封印する。この効果は全てのスキルなどより優先される。
オォ………アリエネェ、マジパネェ。だが根本的な問題がある。
「いくらスキルが増えてもステータスを強化できるのが[運で決まる戦闘力]しかないのがミソだよな」
解放されてないスキルもまだある。使ったことないバフもある。
取り敢えず優勝だけする。後のことはその時の俺に任せよう。
そんな決意をした瞬間、不意に風が吹いてくる。花びらと一緒に。
「なんだ?これ………」
そしてまたあの声が聞こえてくる。胡散臭そうな男の声が。
『流石と言うべきかな……?だけど君の能力は今回でもう一つ………………いいや今見るべきは試合じゃない。その介入者だ』
「またか…お前は誰なんだよ!介入者ってなんだよ!!」
叫ぶだけ叫ぶが………虚しく響くだけ、言い回しや声の質………何処のマー○ンだよ。
頭をかきながら試合を観に行く。
「シリアスはいらねぇぞ………もう、な」
俺は観に行った。そして試合開始
んでその数秒後
「勝者 エイジ・アルファン!!!!!!!!!」
うへぇ
出ましたヘンな声
「勝てっこねぇだろ、あれ」
エイジ・アルファンは試合開始と同時に魔法式を複数展開。気がついたら勝者になってた。
アイムさんの宣言を聞きその場を去るエイジ・アルファン。俺もここにいる意味はないとその場を去ろうとフィールドから目を離す瞬間。
こちらに向き笑みを向けてくる。宣戦布告なのだろう………お前のしたことは俺にも出来るという。
「良いぜ乗ってやる」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
かなり叫んでるね………だけど君を放っておくわけにはいかないんだよね。まぁまだ会えないんだけど、これからも話させてもらうよ。
その前にメルンナのダンジョンからの刺客だ。さぁどうするのかな。
この世界は君を受け入れた。元の世界は君を見放した。
真実はない、君がいることが真実だからね
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さぁさぁさぁやってまいりました!!!!!!決闘大会決勝戦!!!色々言いたいことはあるっちゃありますが………2名に出場してもらいましょう!!!」
ドカーーンとか派手なやつではなく普通に転移魔法が起動され俺とエイジが出現する。
「右サイド!!【豪腕】を蹴っ飛ばし、規格外の体現者ユウヤ・ウヅキ!!!!!!」
体現者とか言い過ぎだろ………とか思っている。規格外ではあるかもしれんが
「左サイド!!秒殺の申し子、謎を示した男エイジ・アルファン!!!!!!」
目を瞑りながら微動だにしないエイジさん。いや俺も何もしなかったけどさ
「行きますよぉ〜!!!決闘大会決勝戦開始ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
アイムさん最後までお疲れ様です。
心の中で司会者のアイムさんに感謝を述べつつ鉄の剣を鞘から引き抜く。目の前の相手も同じように腰から鉄の剣を出し構えてくる。
「こっちから行かせてもらうぜ!」
身体強化 チェイン5
剣術強化 チェイン5
小手調べで適当にチェインは全開だけど
未だに構えたまま目を開かないエイジの懐に入り斬りあげをする。だが突如目を開いたエイジが構えてた剣で俺の斬りあげを防いでくる。
別に驚きはしなかった、身体が強化されてるので大抵の動きはスローだ。大抵は。大剣より重さは来ないので適当にそのまま上にあげエイジの懐をガラ空きにする。
脚力強化 チェイン5
衝撃波強化 チェイン5
必殺 バフキック
「そぉれ」
タトンノをぶっ飛ばした、必殺バフキック。悪いがさっさと決めたいんでね………
だが願いは虚しく勢いが失われていき、余裕で止まってしまう。
「かなり強い………剣技も素人じゃない。君は何者かな」
問いかけながらこちらへ歩いてくる。 金色の粒子を纏いながら
「何者かって聞かれても……な」
「答えてる暇はないと思うけどね」
刹那エイジの体が視界から消える。
気配探知強化 チェイン4
身体強化であがった動体視力に加え、気配探知を強化する。掴んだ気配を元に振り返る。
「うぉっっ………!!!」
振り下ろされた剣をすんでのところで受け止める。
「こんぐらいの攻撃は止めてもらわないとね、じゃあまだ行くよ[擬似魔法]発動!」
擬似………魔法?そんなもんまであんのかっと
繰り出される斬撃を剣で捌く。斬撃は繰り出されるほど速さ、重さを増していく。
このままじゃあ押しきられる。腕も辛いし。
「[運で決まる戦闘力]」
無意識に声に出す。それと同時に左下にバナーぽいものが現れる。
攻撃:509
防御:164
耐性:475
敏捷:86
魔力:73
魔耐:125
今回はかなりいい感じになっている。このスキルを使うと一日中このステータスになるが一日一回しか使えない。
ステータスがあればバフで超強化出来る。まぁもうバフを振れるほどヨッユッウはねぇけど
「ふん!!!」
振り払うように最後だと言わんばかりに捌きを終わらせる。そして距離を取り息を整える。
つい数日前まで戦闘なんてしてなかったしそもそも体動かしてなかった。それに比べてエイジはまだまだ余裕のご様子。裏山っす。
「あんた本気じゃないだろ?擬似魔法だっけか?もっと使ってこいよ」
はい煽ってしまいました。うん、まぁいいや。こっちには[封じ手」がある。
「分かった。行くぜ[擬似魔法:全魔装]」
粒子がさらに大きくなり、こちらへダッシュしてくる。まぁ視界から消えてくれても良かったのだが。
「マジダッシュね………」
剣を振るい衝撃波を起こしまくる。それを粒子を霧散させ無効化してくる。
んじゃ……仕方ねぇ。フィールドが抉れるほどの衝撃波を起こすが、それすらも無効化される。
「計算通り」
分かりきっていた、無効化される事は。てことで拳をフィールドに叩きつける。予選でやったやつとは違う。単純にフィールドをぶっ壊すためだ。
地面に亀裂が入り、崩壊を始める。エイジとはというと粒子を収束させ爆発させる。それに触れた瓦礫は爆散していく。その瓦礫は石飛礫のように俺の方へ降りかかってくる。
「なーんでこっち来るんだよ!」
取り敢えず衝撃波で石飛礫を破壊していく。
体力的にはかなり限界に近い。
「破壊してるだけじゃダメだぜ?」
「なッッ!!!!!!」
突如して現れたエイジがそう行ってくる。そしてさっきの蹴りを返すように俺に蹴りを入れてくる。
避けようとするが石飛礫は止まず蹴りをもろに食らう。
「グォォッッ!!!」
石飛礫に当たりながら場外するかどうかのギリギリで止まる。
身体強化してなかったらボロボロだな、これ。
骨は折れてはいないが満身創痍だ。それに対してエイジ外傷はあるもののはまだまだ余裕といったところ。
「はぁ…はぁ…ちっと不味いな」
「もう限界じゃ………ないのかい?だけどこれで最後だよ」
そんなことを言ってくる。どういう事だ………?と聞き返す前に目に映った光景が語っていた。
エイジの周りにある粒子が剣へと集まっていき黄金の剣と化していく。
そして
「[聖剣代行]」
ボソリと溢す。観客には聞こえないだろうが俺にははっきり聞こえてた。
「これで………終わりだぁぁぁぁぁ」
空中を斬るようにあげていた剣を振り下げる。直後金色のビームぽいのがこちらへ向かってくる。某なんたらカリバーのごとく。
あんなもん喰らったら流石にやばいと思い逃げようと思うが体が動かない。
「どういうこった………??!??」
意味不明な現象のもと負けを覚悟する。
ピコンッ
視界の左側にデカデカとバナーが表示された。