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第5話 昇格と参加条件

「冒険者決闘大会?」


「そう。優勝出来れば金はもちろん!ちょっとした景品がもらえるよ?」


どっかの宣伝にみたいにテンション高みに語ってくるメンナさん。胡散臭い。

貼り紙にもう一度目をやり、詳細を読む。


《冒険者決闘大会》


参加冒険者は4つのグループに分かれバトルロワイヤルをする。

それぞれのグループから勝者一人を選出しくじで一対一の決闘を行い、優勝を決める。


なお武器、魔法、スキルなどの使用は可能。不正が発覚した場合、即退場。


優勝景品

【クルセオンの剣】


優勝賞金

二億ゼニー


《参加条件》

ギルドランクが〈Ⅲ〉(スリー)以上の冒険者





うん?俺参加無理じゃね?

感想がこれだ。理由は簡単。




「メンナさん………俺ギルドランク〈Ⅲ〉(スリー)以上じゃないですけど」



これだ。ギルドランクが足りてない、だってついさっき冒険者になったんだから。

だが次のメンナさんの発言が俺に衝撃を走らせる。


「大丈夫!キメラを倒したんだから特例であんたのランクは〈Ⅲ〉(スリー)に昇格しているから」


「んねぇ?」


思わず変な声出た。一日に二回もこんな声出したことねぇよ。

仕方ないと思う、気づいたらランク上がってるとか聞いてない。


「てことで参加するってことね?参加申し込みしとくわ!!!」


「なぁメンナさん………もしかしてこれが目的でキメラが出現するクエストを受けさせたんじゃ」


「頑張ってね?ユウヤ」


だんだん分かってきた。俺がクエストに行くときにゴソゴソやってたのってこれだよな。

要するに俺はこの人にはめられたというわけだ。


うん



なんか腹立つ。




「はぁ…出りゃいいんでしょ。どうせなら賞金欲しいんで優勝しに行きますよ」


「うんうん!!!その意気だ。君はなんかすごそうな力持ってそうだからね、優勝なんて楽なもんだろ」


否定はしない。あるにはある、能力(バフ)が。


「余裕ではないですけどね。取り敢えず了解しました。あぁ………それとメンナさんに聞いときたいことが」


「ん?なんだい?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「あー疲れた」


布団に寝っ転がり、心の声を漏らす。

現在地は宿だ。あの後メンナさんに教えてもらい、この宿「フェルフィン」に宿泊し、夕御飯をすませてこの現状だ。


「まさか………異世界に来ちまうとはなぁ。人生何が起こるか分からんもんだな」


一日が濃すぎて眠気しか出てこない。

正直疲れた。この一言に尽きる。


「残ってるスキルも使えるようになれば………」


最強になれるかなとか思ったがやめた。だって今の二つのスキルで疲れるのに、他のスキルのことなんて考えたくない。


「明日は決闘大会か………寝よう」


寝た。俺が人生で二番目に好きな睡眠だ。

意識は闇に浸った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ん………」


おはようございます、起きました。いい朝ですね。

とか誰にいうわけでもなく心で呟いてみる。虚しい。


「まだもう少し寝れるな………やめよう」


ボサボサの髪を適当になおし、ロングコートを羽織る。

ちなみに宿は二日分支払っているため今日もここで寝泊まりだ。


「朝飯食べるか」


朝飯も作ってくれる(有料)素晴らしい宿なのだ。俺は運がいいとかは決して思わない。



朝飯をすましギルドへと宿を出る。何やら騒がしい。それもそうだ、今日は決闘大会があるからだ。

そんなに盛り上がるのか………とか思う。


「ていうか、この大陸について何も知らんな。俺」


名前も知らないが現状だ。後でメンナさんに聞いてみよう。

参加者はギルドにある転移魔法で飛ばされ、中継はギルドで観れる仕様らしい。

ギルドに着き中へと入る。めっちゃ騒がしい。

こいつら全員参加者かよ。ざっと40はいる。


「おーいユウヤーー!こっちこっち!!!」


大声で俺の名を呼んでくる人ことメンナさんが手招きしてくる。

それの手招きに従い、人混みを掻き分けメンナさんの元へとたどり着く。


「幾ら何でも多すぎでしょ??!」


「私もびっくりした。かんなり多いね」


本人でさえ驚いているらしい。

ここにいる人たち全員がランク〈Ⅲ〉(スリー)以上を持っていると思うと胃が痛くなる。


「多分みんな、優勝景品の【クルセオンの剣】狙いなんだろうさ」


「それ別に狙ってないんだが俺。ぶっちゃけ賞金の方が欲しい」


「【クルセオンの剣】は神具だよ?ここメルンナ大陸の」


マジかよ………。驚きすぎて声出なかった。つーか森の名前と同じなのな。


「参加者の皆さーんここに来てください」


クッソデケェ声がギルド中に響き渡る。うるさい。

その声を聞きメンナさんの方へ振り向き適当に返す。


「神具についてイマイチ知らんから、優勝して手に入れてから教えてくれ」


ダンディに手を振って返しキメる。ちょっと気持ち悪いかもしれない。

そのまま声の元へ行くと検査員に声をかけられる。


「名前と身分証明書(ライセンス)の提示をお願いします」


「ユウヤ・ウヅキです」


名前を名乗ってポーチから身分証明書(ライセンス)を渡す。

それを受け取った検査員はスキャナーで身分証明書(ライセンス)をスキャンする。


「ギルドランク〈Ⅲ〉を確認。こちらへ進んでください」


言われたとおりに進む。そこには参加者らしき人たちが集まっている。

見る限り強者の雰囲気がしている。とても俺がいていい場所じゃない気がする。


「参加者が集まりした。転移魔法を起動します」


え?もうやるの?マジかよ

そう思うよりも早く足元が光り出し視界が白一色になる。


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