第2話 冒険の始まりと微妙な能力
状況を整理しよう
まず俺は布団へ入り
目が覚めたら異世界へいた
そして警備員の人へ導かれ
ギルドに行き身分証明書を発行した
ここまではいい
問題はこれからだ
ステータスが全部0なのだ
念のためもう一度見てみよう
ユウヤ・ウズキ 19歳 男
Lv.0
攻撃:0
防御:0
耐性:0
敏捷:0
魔力:0
魔耐:0
【スキル】
[運で決まる戦闘力]Lv.0
[桁違いの能力量]Lv.0
【特定の条件で解放されます】
[封じ手]
[勝利への切り札]
[0よりも1へ]
[触れた者への影響]
[強者の余裕]
やっぱ0だ
どっからどう見ても0なのだ
ガクッとその場に膝をつき心の呟きを漏らしていく。
残酷な事実を写している身分証明書を見ながら。
「ステータス全部0とか………マジかよ」
今まで読んだラノベや漫画だとチート能力を得ている主人公が大半だが、ステータス0は聞いたことない。少なくともオレは。
「はぁ………諦めよう、これも運命だな。ていうかここにあるスキルって押せばどんな能力か分かんのかな?」
そう思い取り敢えず[桁違いの能力量]というスキルを押してみる。するとゲームなどにあるバナーが目の前に出現する。
「たく………ゲームみたいだな、えっとどれどれ………………………………なっっ??!??」
またもや驚愕に目を見開く。出現したバナーにあった詳細にだ。
[桁違いの能力量]Lv.0
全てのスキルのバフを使用可能。チェイン数により効果向上。掛け合わせなども可能。ただし同じバフは5回まで。
バフに関しては以下の通り(なおこの他にもバフは存在する)
攻撃強化
防御強化
耐性強化
魔術耐性強化
敏捷強化
身体能力強化
精神強化
状態異常付与
状態耐性
状態変化
武器能力付与
封印耐性
衝撃強化
衝撃耐性
ダメージ軽減
ダメージ半減
自動回復付与
相性解除
魔力自動回復状態付与
硬質化
これが全てが0というステータスとともにもらった、能力
微妙だけどやっぱチートなのか?
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オレは今武器屋に来ている。理由は明白、ダンジョンへ行くにはまず身だしなみからだ。流石に寝巻きにパーカーはやばい。
ということで(メンナさんに聞いた)武器屋に来ていた。ここには防具などもあるらしい。
「さっさと選びますかね」
店に入り周りを見渡す。そこには如何にもザ・ファンタジーなものがあった。
オレは生唾を飲み支援金を握りしめる。幸いなことに支援金があるため召喚されたてのくせに金には余裕がある。
「さぁ………買い物だ」
約20分後ーーーーーー。
「中々だな………こりゃ」
満足していた。そりゃもう満足していた。装備選びに迷っていたわけではないが、L v.0なため色々と制約があったのだ。
そんなわけで今のオレは黒の生地のシャツに革製のズボン、フード付きのロングコートを羽織っているという状態だ。
そして背中に斜めに背負う形である鉄の片手剣だ。最後に腰に携帯用のポーチがある。
「これで少しは冒険者だろ………んじゃ冒険開始と行きますか!」
そう言いオレの………雨月 裕也の異世界での冒険は幕を開けた。
歩み始め向かう目的地はもちろんメンナさんがいるギルドだ。
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ギルドにてーーーー。
「ん?こりゃ見違えたね。ユウヤ」
服装を一新した姿をみるなり面白がる笑みを浮かべてくるおばさんことメンナさん。
「一気に冒険者らしくなったね?かなりいい感じだよ」
「そりゃどうも、装備も揃えたしダンジョンへ向かう前にクエストで金でも稼ごうかと」
「なるほどね………あんたかなり異質だから、これ特別に受けさせてあげるよ」
一枚の紙を差し出しくる。それを受け取り目を移す。
「魔猪十匹の討伐………二万ゼニーか、これ受けさせてもらうよ」
何か裏がありそうだったが受けることにした。魔猪を十匹狩れば二万ゼニーなら楽なもんだ。
バイトよりも楽だなとか思ってるオレにメンナさんは笑みを不敵なものに変え伝えてくる。
「実はね魔猪は今逃走時期なんだよ………何故だが分かるかい?それはねキメラが魔猪を狩るために来るからだよ」
「はぁ………?要は新人冒険者にその強そうな魔獣を倒してこいと」
「出会ったらでいいよ、因みに緊急クエストでもあるから報酬は倍以上に膨れ上がるから」
「安全な方向で行きたいもんだな………まぁ行ってくるよ」
その言葉を残しギルドを出る。途中、メンナさんがゴソゴソやってた気がするが気にしないでおこうと思う。
魔猪の出現先は【メルンナの森】だ。それを確認しスキルを使用する。もちろん使用するのは[桁違いの能力量]だ。
「身体強化 チェイン2」
そう呟くと体が光り始める。瞬間光は消える。だがオレには分かっていた。バフにより強化されていることに。
足に力を入れそのまま地を蹴り大地を駆ける。予想はしていたもののかなりの速度が出る。
「本当は馬車で行くらしいが、今回はスキルの能力試しってことで」
そんなことを思っていると既に森は目の前に見ていた。