おしおきされる獣人族の少女:後編
>>>とある世界のハザマで――<<<
MCーA:(ヒロイン役)紫式の魔女ことサー・アーサー・ソフィー・ヴァイオレッタ
MC-B:(ラジオとかやってみたい)暴食の魔王ベル様
ベルさま「はいカットぉぉぉ! いやぁ危なかった。何か片足突っ込んでた気がする。ここから怒涛のように『ムーンライトノベルズならやってた』なシーンが続くわけですが、当然のようにここは一般小説なので、鬼のような勢いでカットされる運命なのです。じゃじゃじゃじゃーん! いやぁ、クラッシックは著作権切れていて自由に使えるからいいねッ」
ソフィー「はははベル様。私、ついに新たな体位を習得としてしまいました!」
ベルさま「それでゴリゴリいっちゃうわけね」
ソフィー「ベル様ぁ! さすがにゴリゴリはまだ苦しいからやめてッ」
ベルさま「まだときましたか、まだと! ねぇ聞きましてそこのあなた!」
ソフィー「って、どこに向かってしゃべっているのよ、ベル様」
ベルさま「え? リスナー?」
ソフィー「いや、疑問形で聞かれても答えられないのですが」
ベルさま「そう、この幕間のコントっていわば質の悪いアニメのラジオみたいなものじゃない? ならリスナーで良くないかな?」
ソフィー「ベル様がよければそれで良いかと思いますよ。誰も気にしていないでしょうし」
ベルさま「こういうラジオ形式なものだったら、番組の1コーナーで、リスナーからのお便りとか読んじゃうものではないのかしら?」
ソフィー「お便りっていうとここだと感想とかかしら?」
ベルさま「でもあれって、見るのすげー怖いよね? 見るたびにびくびくしちゃう」
ソフィー「ちゃんと感想に対して返信とかしているんでしょうね?」
ベルさま「とても怖くてそもそも読んでない」
ソフィー「こらー。ベル様、それは人としてダメなんじゃないのかしら?」
ベルさま「私は魔王だからいいのよ」
ソフィー「いやいやいや。魔王としてもダメなんじゃない?」
ベルさま「でもほらー。青年男子から『とってもエロエロですねッ。可愛いです』とか『溜まっているんですね? 一緒にお食事とかどうですか?』とか書かれているとするじゃない。どう答えればいいというのよ。どうにもならないわ」
ソフィー「そんなの、普通に『ありがとうございます』『今度私たちの異世界食堂で食べましょう』とかでいいんじゃないの? ベル様」
ベルさま「ソフィーは天才かッ」
ソフィー「あのね?」
ベルさま「でも、そんなポジティブなのはまだいいとして、『さっさとムーンライトノベルズへ行けこのあばずれ』とか『君の小説にはまだキラキラした感じが足らない』とか言われたら私どうすればいいの? 枕に向かって涙するしか……」
ソフィー「それは……、ごめんなさいとしか」
ベルさま「頑張ってはみたのよ。でも悪役令嬢が活躍する女性向け小説とか見ちゃったりすると、どーしても何かが足りないのがわかるのよ。何かが。私も頑張って『瞳』とか検索してやたら装飾語つけたり、無意味に天気ぶっこんだりして頑張っているのにッ」
ソフィー「ベル様、もしかして根本的に『萌え』を分かってないんじゃ……」
ベルさま「ぎゃー。いやー。よりにもよってリア充に『萌え』不足を指摘されたぁぁ―。おたくから『萌え』を除いたら一体なにが残るというの」
ソフィー「えーっと、希望かしら?」
ベルさま「私はパンドラの箱かッ」
ソフィー「あのぉ。ベル様がパンドラの箱だとするとその前に108の煩悩が世界に向けて解き放たれるわけですが――」
ベルさま「一体私のことをなんだと……。――けっ、どうせ私は居酒屋の枝豆とハイボールで幸せを感じちゃう女ですよーだ。一人寂しく生きていくのさ」
ソフィー「ベル様、そこまで卑下しなくても……」
ベルさま「――というわけで、そろそろ字数的にも良いかなッ! 以上、『おしおきされる獣人の娘』編でした。次回『婚約破棄された公爵令嬢』です」
ソフィー「ついに張りまくった複線が炸裂するわけですね。ベル様はこれ見よがしにこのネタちりばめてましたから」
ベルさま「さぁ、これが終わるとトゥルーラブに向けて一直線ですよー」
ソフィー「以上、幕間MCは私こと紫式の魔女サー・アーサー・ソフィー・ヴァイオレッタと、暴食の魔王ベル様でお送りしました。次のシーンは王子様のお茶会シーンからです。ブックマーク、感想、評価、よろしくねッ☆」
ベルさま「恥ずかしすぎて感想とかたぶん見ないけどね」
ソフィー「いや読めよ」