とある少年は森を彷徨う
説明っぽいの入ると文章固くなるな~。駄文で申し訳ないです。
時刻は夕暮れ時。辺りは次第に暗くなっていき静かな夜が森に訪れようと……
「う~ん……迷った。」
しなかった。寧ろ騒がしくなりそうな予感のする夜になるだろう。森の中、1人の和服姿の少年が歩いている。
―――――………。
「あぁ、もうわかってるって。君たちが悪戯好きで僕を彷徨わせてるくらいさ。」
顔つきは16,7歳程だろう。顔つきは少し大人びているようにも見えるがそういう人はごまんといるだろう。時折誰もいない方を見て話していることを除けば至って普通の少年だろう。
「僕をどこに連れていきたいの?」
―――――………。
「え~それは困るな~。」
笑いながら、少年はまた独り言を言う。よくみると周りの木々が少年の独り言に合わせてざわめく。まるで少年の話し相手が自分たちであるように。何故、少年がこんなところに1人でいるのか。理由は単純。行く宛が無いからだ。ただ思うがままに歩き、夏を描いていく。
*
――………。
「うん?」
”上を見て”と言われて、空を見上げれば橙色の空と雲が見えた。それに空を飛んでいる少年。
――――――………。
「”もっとよく見て”って?」
別段、特に変わったことは見当たらないだけど。そう思っていたのだが、どうやら彼らが言っているのはその空を飛んでいる少年のことらしい。青い髪に少し幼い顔つきの少年は、恐らく自分と同じくらいの身長。歳に関しては圧倒的に自分が上だろうな、と苦笑を漏らした。長く時を重ねたから自分は物事に鈍感になってしまったらしい。少年はこの森の丁度上を通るように飛んでいる。
「でも、なんで彼を見ろって?」
―――――………。
「あ~、そういえばここ魔力のたまり場だもんね。」
周りの木々たちが元気すぎるのもそれが原因だったりする。魔法を扱うには自身のそして大気にある魔力も必要で、どちらか一方が欠けてしまうと魔法は成り立たなくなる。魔力は人だけでなくこうして木々、植物などにも色々と恩恵をもたらすのだがここはそれがかなり濃い。だから木々たちが元気すぎてさっきから耳を塞ぎたくなるほど語り掛けてくる。
「ここの魔力が濃いのは周りの大気からも集まってるからなんだね。」
―――――………。
木々が一斉に葉を縦に揺らした。肯定だ。………じゃあ何で少年のことを気にしたのだろう。
「…あ!!」
すぐに気づいたが、どうやら遅かったらしい。
「――――――!?」
少年の方を見れば既に落下が始まっていた。声は聞こえないが悲鳴をあげているだろう。何故落ちているのか、空の方には魔力が無いからだ。森が周りの大気からも魔力を集めるということはその周りでは魔力が薄くなるか無くなる。つまり魔法が使えなくなって飛べていられなくなるのだ。
「ホント、僕も鈍感になったなー。たかだか数百年生きた程度なのに。」
思わずため息をついてしまった。っと、こんなことをしている場合じゃなかった。とりあえず少年の落ちるであろう場所に向けて歩き出した。
拙い文ながらここまで読んで下さりありがとうございました。