魔法使いは夢を見た
うまく書けていないかもしれませんが、温かい目で読んでくださると幸いです。
最近、幼い頃の記憶を夢でよく思い出す。頬を撫でる風、今は…もういない父さんの大きな手に握られて歩く道。
そう、それは父さんとよく散歩に出かけていた時の記憶。
──ハヤテはさ、どうして魔法が嫌いなんだい?
そう聞かれたとき、俺はすぐに『違うよ』と答えた。そう、確かに魔法は嫌いではない。むしろ大好きだ。練習して空を飛べるようになった時の感覚や感情は幼いながらに病みつきになったほどだ。ただ、『友達と遊んでいる方が楽しいんだ。それに魔法の勉強は苦手なんだ。』そう続けると――。
──ハハハハハ!!そりゃそうか。ハヤテもまだまだ子供だもんな!
父さんに腹を抱えながら笑われた。そりゃそうだ。5歳児なんて外で元気に遊びつくして寝ることが一般的だ。勉強は…未だ苦手だが当時なんて縁も所縁すらない。まぁ、これだけは言える。5歳児に対して何言ってんだ、と。
──ごめんごめん。あまりにハヤテの言うことが昔の僕みたいでつい、ね。
不貞腐れる俺の頭に手を乗せ、グリグリ髪をかき乱しながら笑って謝る父さん。あぁ、本当に懐かしくて尊い記憶だ。
──そうだ。そんなハヤテに1つ良いことを教えてあげるよ。きっと喜ぶぞ?
『”良いこと”?』
興味津々に父さんにの足にすり寄ってキラキラした目で俺は父さんを見上げて言った。
──そうさ。ハヤテにとってこれからもきっと大切なことになることだよ。
いまいちパッとこない俺にまた父さんは”子供だもんな”と俺の髪をグリグリかき回しながら笑って言う。
──ハヤテの魔法はね。「 」なんだよ
何か…とても大切なことを父さんは言ったんだと思う。だけどその言葉はちょうど俺と父さんの間を吹き抜けた風にとよって遮られてしまった。『ねぇ、もう一度言ってよ』そう言っても
──んー。ハヤテにはまだ言うのは早かったかな?まぁハヤテがもう少し大きくなれば自分でわかると思うよ。
その言葉を父さんは言ってはくれなかった。問いすがろうとしても口を開けることはおろか、段々景色は白に埋め尽くされていき。
──いつかきっと、ハヤテは………
──凄い魔法使いになれるよ。
「ハヤテ~、起きなさーい!」
「………んん」
夢はいつもここで終わり。母さんの声が鼓膜に響き、起床を促す。
今日は雲1つ無い晴天。
それでも俺は夢の続きを見ようと惰眠を貪る。
拙い文ながらもここまで読んで下さり有難うございました。