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遥か彼方のパトリア ~西方航海録~  作者: 備後来々
第2章 東南アジア
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ep.16 金眼の神託

 大騒ぎの後、カイリ達三人は船の一室に集まった。ツァンは別の個室で休ませている。海賊の息子という出自も去ることながら、神託も宿しているという。歳はまだ若く、カイリより二つ下らしい。


「とりあえず、あいつが回復するまでは面倒見てやろうと思う」


 カイリは二人に告げる。二人の反応は対照的だった。クロエは特に構わないといった反応。逆にエルネストは不安そうだ。その気持ちは分からないでもないが、海賊の息子といってもまだ子どもだ。自業自得としても、野垂れ死にされるのはなんとも寝覚めが悪い。


「う~ん。……仕方がないですね」


 ツァンが回復してまた襲ってくるようなことがあれば、その時は追っ払うという条件でエルネストも渋々了承した。ツァンの父親とはどんな海賊だったのか。これ迄どうやって生きてきたのか。疑問は多々あるが、まずはツァンが怪我を治してからだ。


 どちらにしても、交易品を積み終わったらマカオに向けて出港するのでツァンに逃げ場はない。カイリはクロエを連れて部屋を出る。そのままデッキまで移動した。


「で、あいつの神託は何なんだ?」

「“金眼(きんがん)の神託”。金銀財宝の在りかが分かる能力みたい」

「……それは、すごいな」


 カイリは感心する。そんな能力があるのか。ならば、ツァンは大金持ちに成れるのだろうか。既にカイリはクロエの神託について、アルメイダから聞き及んでいることを彼女に伝えている。相手の神託をその本人に告げることで罰は受けない。


「そんなに甘くないよ」


 クロエは答える。神託を宿しているだけでは、その恩恵を百パーセント受けることはできない。努力は必要ということだ。神託のことを知らなかったとはいえ、カイリも幼い頃の弓の修練があるからこそ銃をスムーズに扱えたといえるだろう。


 クロエの能力については、アルメイダをのぞけばカイリしか知らない。だから、神託について話す時は基本的に二人である。ちなみに、エルネストは神託を宿していなかった。クロエが目をつけたのは、年が近く真面目そうだったかららしい。


 クロエは人を見る目があると思う。一時、一人で生きてきたことの影響もあるだろうが基本的に物事をよく見ている。歳こそカイリの三つ下だが、これからも頼りになること間違いない。


「海賊っ子の様子でも見に行くか」

「……うん」


 二人はツァンの休んでいる個室へ向かう。

クロエが後ろからカイリのシャツを摘まんでくる。多少の不安はあるのかもしれない。大丈夫だ。カイリはクロエに優しく声をかけた。 

お読みいただきましてありがとうございました。

明日もよろしくお願いします。

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