9話
誤字脱字等よろしくお願いします
二時間ぶりに西口の近くの雷さんの店に戻ってきた。さて、防具は出来てるかな?
「雷さん、できました?」
「ああ、もうできてるぞ。ほれ持ってけ」
そういってトレード画面に防具を乗せてくる。それを受け取り早速装備してみた。すると俺の体が一瞬光ったと思ったら新しい装備に包まれていた。
首を捻って体の隅々を見る。第一印象は全体的にグレーという感じだ。胴は灰色のパーカー、フードの縁に灰色の毛が施されている。ズボンも灰色。七分丈くらいの長さしかない。
そして手にも灰色のグローブが装備されていた。しかも手の包まれている部分が指の第二関節までしかない、いわゆる指ぬきグローブというやつだ。ちなみに靴も変わっていてこちらも灰色。スニーカーっぽい。しかし灰色といっても一色で塗りつぶされているのでは無く、色の濃い所と薄い所が所々にあっていい感じにコントラストになっている。装備覧の防具の詳細を見てみる。
防具名:灰山狼のパーカー レア度2
防具種類:胴
効果:Agi+5
耐久値:100%
防具名:灰山狼の七部丈パンツ レア度2
防具種類:腰
効果:Agi+7
耐久値:100%
防具名:灰山狼のグローブ レア度2
防具種類:腕
効果:Agi+6
耐久値:100%
防具名:灰山狼のスニーカー レア度2
防具種類:足
効果:Agi+5
耐久値:100%
おお、見事にAgi特化だな。逆にVitに少しも補正がない。ちなみに防具を装備できるのは、頭・胴・腕・腰・足の5つとアクセサリーが5つまでである。頭の防具が無いのはパーカーが頭装備にも含まれるからだ。
「本当に回避特化のステータスですね」
「だから回避盾だといっただろう。気入らなかったか?」
「いえ、そんなことないですよ。むしろこれで良かったです。鎧みたいにゴツい感じのは嫌だったんで」
「そうか、実は皮を使った皮の鎧にするか悩んでな」
「それで、お代はいくらくらいに?」
「そうだな、初回製作と素材持ち込みだったから全部で1万でどうだ?」
「それって相場的にどのくらいですか?」
「まぁ、俺が作る中では安い方だろう。攻略組の奴らならあわせて5万はかかるだろうし」
「えっ、いいんですか!?」
「これからも俺の店を使ってくれるならな、いわば先行投資だ」
「ありがとうございます! そのうち知り合いとかも連れて来るんでよろしくお願いします」
「わかった。あとそろそろ店が買えそうだからそん時は連絡する」
「あ、一ついい忘れてたことが。近々俺のリア友が雷さんの近くで商売始めるんですけど、少し面倒見てやってくれませんか? あいつ、ちょっと問題があって……」
「聞いてるよ、今のところポーション作れる唯一の【調薬】持ちなんだろ? そんくらいなら任せておけ」
「ありがとうございます。それじゃ」
再びマーケットに戻ってベンチに座り今のステータスを確認する。レベルも上がってるからポイントの割り振りもしないとな。
そういえばコージはどうしたるかな、あとで連絡してみよう。
キントウ Lv.12
装備 点棒、点棒、灰山狼のパーカー、灰山狼の七分丈パンツ、灰山狼のグローブ、灰山狼のスニーカー
残りポイント35
Str:12
Vit:12
Agi:40(+23)
Int:12
Min:12
Dex:17
Luc:47
()の中が装備の補正分だろう。AgiがLucに追いついてきてるな。雷さんの防具のおかげだな。さて、今回もAgi、Dex、Lucにふりますか。
キントウ Lv.12
装備 点棒、点棒、灰山狼のパーカー、灰山狼の七分丈パンツ、灰山狼のグローブ、灰山狼のスニーカー
残りポイント0
Str:12
Vit:12
Agi:47(+23)
Int:12
Min:12
Dex:24
Luc:68
それとレベルが10を越えたのでスキル枠が一つ増えた。どんなスキルを覚えるかスキルリストを見てみたけど、特に欲しいものが無かったので今はそのまま放置する。まぁ、スキルはイベントとかクエストの報酬で貰えたりもするらしいので急いで取る必要も無いだろう。
時刻は午後8時半。ステータスの確認も終わったのでコージーにコールする。今なにしてんだろ。
『キントウか。どうしたの』
「お前今レベルいくつ?」
『あと少しで12になりそうだけど、どうかした?』
「そろそろ東の山のボスに挑もうと思ってな、一緒に行かないか誘おうと思って」
『わかった。なら少ししたら行くから待ってて』
「東口に9時な」
『了解』
コージに連絡したあと、りんご飴にもメッセージを送っとく。返事はすぐ来たが、あいつ大丈夫かな。レベルとか聞いてなかったから少し心配だ。会った時に聞いておこう。
△ ▲ △ ▲
午後9時俺とコージ、りんご飴は東口に集まっていた。コージはりんご飴に会って少し緊張してるようだ、話すうちに慣れるだろ。あいつ女子と話すの苦手だけど。
「じゃあ、改めて自己紹介な。俺はキントウ。ジョブは【勝負師】だ」
「僕はコージ。ジョブは【調教】だよ」
「私はりんご飴。ジョブは【治癒魔法使い】よ。今回はキントウに助けてもらったお礼にボス討伐のサポートをするわ」
「そういえば、りんご飴は今レベルいくつなんだ?」
「私は10よ。貴方たちは?」
「俺は12」
「僕もさっき12になったよ」
「案外高いのね……」
「お前こそどうやってそこまでレベル上げたんだよ? ソロだったのに」
「普段はソロじゃないわよ! あの時だけソロだったの。普段は別の人とパーティ組んでるわ」
「そうだったのか、知らなかった」
「あんたこそよくソロでできるわね。【勝負師】ってそんなに強いの?」
「単純に攻撃力が金と運で決まるってだけだ。俺はほとんどLucに振ってるからな、今はまだ戦えるってだけだ。それに基本はコージと組んでる」
「そういえば僕、調教したモンスター増えたんだよ」
「へ~、どんなのだ?」
「東の山の山オオカミと南の森のポイズンマッシュルームっていう毒キノコだよ」
といってステータスを見せてくれる。
山オオカミ Lv.5
Str:9
Vit:5
Agi:12
Int:2
Min:2
Dex:4
Luc:1
ポイズンマッシュルーム Lv.6
Str:4
Vit:5
Agi:2
Int:8
Min:8
Dex:3
Luc:2
オオカミはやはりAgiが高く、ポイズンマッシュルームはIntとMinが高いのか。毒とか振り撒くのかな? 毒って何魔法?
聞いてみたところ、そのモンスター固有のスキルらしい。モンスターもスキル持ってんだな、初めて知った。
「今はネズミんとあわせて三匹か」
「うん、だけど同時に呼び出せるのは二匹までかな。呼び出すのにもMPを使うから。今MPポーションも出回ってないから節約しないとね」
「そうなのよね、MP尽きたら自然回復するまで待たないといけないし、いざって時にMPが無いと苦労するわ」
「まぁ、その問題も解決するから大丈夫だろ」
「それどういう意味よ?」
『実はな……」
りんご飴とコージにマリオのことを説明する。二人とも相当驚いたようだ。
「それって本当!? それならポーションも普及するわね」
「マリオいいなーお金持ちになれて」
「というわけでほら、これはマリオからの餞別だ」
こいつらと集合するまえにマリオのところに行ってもらってきたポーションとMPポーションを二人に渡す。特にりんご飴にはMPポーションを多めに渡しておく。今回の生命線はこいつだからな。
MPが切れられるとこっちも困る。そういやマリオのやつ、いつの間にMPポーションなんか作れるようになってるんだ?
「これなら、ボスも倒せそうだね」
「そうね、たしか適正レベルが10だったから3人なら大丈夫だと思うわ」
「よし、じゃあ行くか」
俺たちは東口から山に向かって歩き出した。調べたところボスは山頂にいる山オオカミのリーダーらしい。どのくらい強いんだろうか?
早く戦ってみたいな。
ステータスを変更しました。
改稿しました