表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/131

51話

誤字脱字等ありましたら、よろしくお願いします。

 次に目が覚めた時には再びギルドの中だった。本日二度目の死に戻りである。

 ベッドから降りてリビングルームに向かうと、先ほどの二人の他に四人掛けサイズのソファをまるまる占拠して寝転がっている人物がいた、レイさんだ。

 

「んあ? キントウがいるのね」

「どうもです、シャツありがとうございました」


 お礼を言いながら空いているソファに座る。とりあえず二人が来るまで待っていよう。


「キントウ君また死んだんだ?」

「またかよ」


 別の場所から二人の声が飛んでくる、いきなりもう一体の蛇が出て来たんだからしょうがないだろ。死ぬときに起きたことを話すと、またまた考え込んでしまった。

 それとほぼ同じタイミングでユリアさん達も死に戻ってきて、ベッドルームから出てきた。


「また負けた……」

「なかなか手ごわいモンスターですね」

「お疲れ様」

「キントウ、また先に死んだでしょ!?」

「いや、これには訳があってだな……」


 そのまま反省会になり、俺が殺された時の状況を説明する。二人とももう一体の蛇には気がついていないようだった。


「だから、突然もう一体の蛇が横から出てきたんだよ」

「でもユリアさんの探知には引っかかってないよ?」

「それはそうなんだけどさ……」


 あの時、ユリアさんの魔力探知には一体しか探知出来なかった。あのサイズからしてラットとか見たいに探知を潜り抜ける技とかは持ってないみたいだし、どこから現れたんだ?

 三人で首を捻っていると、横で話を聞いていたヘムジンさん達も会話が耳に入ってきた。


「まだ掲示板にはそんなモンスターの情報は載ってないんだよね、新種っぽいね」

「それにしてもデカイ蛇か、俺あの蛇行の動きがあまり好きになれないんだよな。特に尻尾の動き方が気色悪い」

「でも意外と美味しいらしいのね」


 マスターは蛇が苦手なのか、アガサが聞いたら蛇の玩具で悪戯とか仕掛けそうだな……

 ん、尻尾? そういえば、あいつの尻尾って見てないよな? 頭から半分くらいしか俺たちに見せてなかったし、てっきり森の木に絡みつかせて踏ん張っているのかと思っていたんだけど。白と押し合いになっても負けなかったし。


「ユリアさんは蛇の尻尾見てませんか」

「いえ、見ておりませんがそれが何か?」

「一つ、気になることがあったので」

「気になることって何?」

「ええっと、まだ仮説なんですけど──」


 俺が推理した仮説を二人に話す。いきなりもう一体が現れた謎も、尻尾を見てないこともこれなら辻褄が合うはずだ。

 早速確認しに行こうと思ったが、今日はもう遅い時間だったので明日に持ち越すことになった。


△ ▲ △ ▲


 翌日、放課後すぐにログインして三人で森へ向かう。今日も昨日と同じ地点で蛇を探していると、一時間くらい経ってからその巨体は姿を現した。

 木々の隙間を縫うようにスルスルと近づいてくる蛇はやはり、体の半分しか俺たちには見せず、尻尾の方の半分は森の中に隠れたままだ。


「それじゃあ、お願いします」

「了解しました」

「すぐ戻ってくるんだよ?」


 蛇との戦闘が始まる直前、俺はユリアさん達と別れ、蛇の尻尾がある位置まで森の中を大きく迂回するように進む。俺の予想が正しければ、尻尾を確認するだけで充分のはずだ。

 途中、他のモンスターを見かけるが全て無視して先を急ぐ。俺がこうしている間もユリアさんとアガサの二人であの蛇を相手にしている。早く戻らないと戦力的にまずいかもしれない。白だけでも置いてくれば良かったのかな。


 やがて、森の中に不自然な物体の影を見つけた。あの横長のは蛇の胴体だろう。近づきすぎないようにその胴体に沿って進むと、影の太さが変わりそこで途絶えていた。あれが尻尾で間違いないだろう。

 蛇に気付かれないようそっと近づき、尻尾を確認する。

 

「……やっぱり」


 尻尾があるだろうその部位には、もう一つ蛇の頭が付いていた。


△ ▲ △ ▲


 話は戻って昨日の二回目の死に戻りのあとの反省会で。


「ええっと、まだ仮説なんですけど、蛇の尻尾って頭になっているんじゃないですかね?」

「「……どういうこと(でしょうか)?」」


 ハモりながら聞き返してくる二人。俺も頭の中が少しこんがらがっているので話しながら整理していくことにした。


「まず、ユリアさんの探知には一体しか引っかかってないんだよね」

「はい、間違いは御座いません」

「で、俺は別のもう一体の蛇に襲われたんだが」

「キントウの見間違いじゃないの? それこそ尻尾の攻撃を勘違いしたとか」

「いいや、あれは蛇の頭だった。そして俺たちは蛇の尻尾を見ていない」


 二人とも頷く。ここまでが今ある情報の整理だ。

 

「ここで戦っていたのが本当に一体だとしたら? と仮定する」

「それでさっきの尻尾が頭って話に戻る訳ね」

「そう、もしかしたらあのモンスターは尻尾がある位置にはもう一つ頭があるのかもしれない」


△ ▲ △ ▲


 昨日の会話を思い出しながらユリアさんたちの所へ戻る。確認が出来た以上、蛇と戦う必要は無い。というより、三人じゃ歯が立たない。ただでさえデカイ蛇を相手するのにいっぱいいっぱいなのにもう一体増えたとなると、いくら同じ体とはいえ、無理があるだろう。

 ここは一時撤退して掲示板に情報を流そう。そのうち他のプレイヤーも蛇を見つけるだろう。


 ユリアさんとアガサの下へ戻ってくると、防戦一方でジリジリと削られているようだった。やっぱりここは退くべきだな。もう死にたくない。


「あ、キントウ! どうだった?」

「予想通り、もう一個頭があった。もう確認も出来たし逃げるぞ」

「ええっ、なんで「了解しました」ユリアさんまで!?」

「当たり前だろ、相手は二体で一対なんだぞ、同時に来られたら確実にまた死に戻りだ。俺が殿をするから早く逃げろ。ギルドで会おう」

「アガサ様急ぎましょう」

「ちょ、待ってよ! そんな死亡フラグみたいな事言わないでぇぇぇ~!」


 ユリアさんに引きずられるようにしてその場から逃げるアガサ。

 俺は白を呼び出し、いつでも戦えるように体勢を整える。蛇はこちらを見下ろせるくらいまで首を持ち上げ、上から俺たちに向かって突進してきた。

 二人で横に飛び回避する。


「あれ蛇ですか?」

「蛇だね」

「殺るんですか?」

「殺るというか、時間稼ぎというか……」

「時間稼ぎ?」


 白が怪訝な顔で訊いてくるが蛇の攻撃が再び襲ってきて話が中断される。再び回避し、俺たちと蛇の間には距離があいた。このタイミングかな。


「じゃ、後は任せた!」

「はぁ!? 何ですかそれ!」


 白を置いて回れ右で全力で逃げる。隙を突く様に逃げたから白は付いてこれずに蛇の相手をしなくちゃいけないはずだ。白には悪いが俺が逃げる時間を稼いでもらおうか。


 やがて蛇が追ってこないだろう場所までやってくる。白は俺と離れすぎるとヤバイみたいなこと言ってたけど大丈夫だろうか?


「それじゃ装備解除、っと」


 白を装備欄から外す。武器扱いの白だから出来る技だ。これで蛇と戦っていた白は消えただろう。蛇はすごくビックリするだろうな。問題は一人残していった白が怒ってないかどうかだが……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ