3話
初戦闘シーンです。
自信ない…
というわけで、やって参りました!初フィールド。
ここは街の西にある門、西口(駅かよ)から出てすぐの草原。ちなみに北口だけ門が閉まってて出られない。他の門から迂回してみても途中で見えない壁に阻まれて今はまだ行けないらしい。なんでだろうね?
△ ▲ △ ▲
「フィールドに来たし、とりあえずやってみるか」
「じゃあ、私はそこらへんで素材を採取してるから終わったら呼んでね」
とマリオは近くの採取ポイントに行ってしまった。
さて、初戦闘いってみますか。
△ ▲ △ ▲
辺りでは他のプレイヤーが剣や杖を持ってあちらこちらで戦っている。やっぱり魔法はエフェクトが格好いいなぁ……
目に前には敵Mob、ぱっと見ネズミっぽいけど……デカいな。大型犬くらいはあるんじゃないだろうか? 西口のフィールドはこのネズミのみでノンアクティブなので俺たちが近づいても逃げようとも襲いかかろうともしない。
「しばらくはこいつで練習かな」
「よし、目指せ!攻略組!」
「おー!」
最初はコージが一人で戦うことになり、ネズミ(草原ネズミという名前らしい)の前に立つ。
相手はノンアクティブモンスターなので、先制攻撃が出来る。
「はっ!」
コージが短剣で数回斬りつけるだけでポリゴンとなって散っていった。最初のフィールドだからかな?
じゃ、俺も試してみますか。
先にトランプを使ってみる。メニューウィンドウを呼び出してそこから装備の項目を開く。そこでとトランプの説明を読んでみる。
武器名:トランプ レア度1
武器種類:トランプ
攻撃力:
耐久値:∞
普通のトランプ。ジョーカーは入っていない。
【使用可能アビリティ】
・ポーカー
「え?これだけ?」
他に何か説明無いの?
もしや、と思って点棒の方も確認してみる。
武器名:点棒(100点) レア度1
武器種類:点棒
攻撃力:0~10
麻雀に使われる棒。点が高いほど、攻撃力が高くなる。
【使用可能アビリティ】
なし
……なんか変だな。おそらくだが武器名の横に表示されている数字は攻撃力だろう。でも0~10ってなんだよ?それによく見たらトランプの方には攻撃力が表示されていないし。
「とりあえず使ってみるか」
先にトランプを装備する。装備すると右手にトランプが現れた。ジョーカーが入っていないそうだから52枚あるのか。
「じゃあ、いくぞ!」
「おう!」
別の場所にいるネズミの近くに行き、トランプを構える。このゲームは頭で念じるだけでアビリティが発動するのでわざわざ声に出す必要はないが、気分で声に出してみる。
「【ポーカー】!」
すると目の前に突然ウィンドウが現れた。
【賭け金を設定してください】【__エン】
「え?何これ」
いきなりすぎてわけが分からない。とりあえずいわれたとおりに試しに10エン賭けてみる。
すると右手のトランプが光って、シュッと何かが飛び出してきたかと思ったら、目線と同じくらいの高さにトランプが5枚浮かんでいた。
【♠5、♥5、♦5、♠3、♣3】【フルハウス】
【フルハウス】というウィンドウが表示されてすぐ、5枚のカード集まって人魂のような光の塊に変わり、ネズミの方にスーッと飛んでいき、ゴッと鈍い音を出してネズミにぶつかった。その瞬間、ネズミのHPが一瞬でレッドゾーンにまで減少し、そのまま0になった。
……え?一撃ですか?
目の前に出てきたウィンドウに獲得した経験値、エンとドロップしたアイテムが表示される。
「どういうことだ?」
「ねえキントウ、お前今何した?」
「いや、ただアビリティ使っただけだけど…」
視界の隅に何やら点滅しているアイコンがあったので開いてみると……
【レート】
ファイブカード×100
ロイヤルストレートフラッシュ×75
ストレートフラッシュ×50
フォーカード×25
フルハウス×10
フラッシュ×7
ストレート×5
スリーカード×3
ツーペア×2
ワンペア×1
こんな表が出てきた。
もしかして、ポーカーの役と賭け金で攻撃力が決まるのか?つまり、さっきと同じ賭け金で【ロイヤルストレートフラッシュ】が出たら、10エン×75で攻撃力は750ってことになる。今装備しているやつにはジョーカーが入っていないから、ファイブカードは出ないけど。
……これってもの凄く強いんじゃ? だって、賭け金と運次第でいくらでも攻撃力を上げられるんだもん。だからトランプには攻撃力が表示されてなかったのか。 まぁ、現在のトッププレイヤー達がどのくらいなのかは知らないけどね。
「お前のジョブ当たりじゃない?攻撃力最強だろ」
「いやでも攻撃する度にエン消費するってかなりコストパフォーマンス悪いと思うんだが」
「それもそうか……じゃあ、点棒の方はどうだ?そっちもいいやつかもよ?」
「そうだな、使ってみるか」
装備覧でトランプから点棒に変更する。装備するとトランプの時と同じように点棒が現れる。八つの黒点が付いた平たくて細い棒だ。でもこれってどうやって使うんだろう?アビリティは無かったし……そこでメニューウィンドウで見た攻撃力の部分に0〜10と表記されていたことを思い出す。
「これも 運まかせってことなのか?」
「それって投げるんじゃないか?」
なるほど、投擲武器か。ってことはこの武器は投げナイフとかと同じで一回投げると無くなる武器か。それならあの安さにも納得がいく。
それなら投げてみるか、と辺りを見回してみると、丁度10メートルほど先にネズミがいたのでそいつにむかって投げつけてみる。
ヒュー、クルクル、ぽてっ。
……あれ?届かないぞ。1.5メートルくらいしか飛ばなかったし、クルクル回ってたから全然攻撃になりそうにない。
「なんでだよ」
「そりゃあキントウさ、お前スキルとってないじゃん。物投げるなら【投擲】のスキル取らなきゃ」
「あ、忘れてた」
そうだ、すっかり忘れてた。トランプとかの性能を見てからスキル決めようとしてたんだっけ。
点棒を一個しか買っていなかったのと、少し休憩したかったので一旦街に帰ることにした。俺たちとは別に採取をしていたマリオを呼び戻して西口に向かう。
「あんたたち、初戦闘はどうだった?」
「僕はまだ調教のスキルを使ってないからわからんが、キントウのアビリティは凄かったぞ」
コージが【ポーカー】の説明をすると、最初は驚いていたが、すぐに怪訝そうな表情になった。
「でもそれって、コスパがもの凄く悪いんじゃない?」
「マリオも気づいたか。そうなんだよ、毎回金を使わなきゃ戦えないんだよな」
「でも、キントウには点棒があるだろ?」
「点棒は消費する武器だからいちいち補給しなきゃいけないだろ」
この【勝負師】というジョブはエンが相当必要らしい。将来貧乏確定だな。唯一幸運だったのは、ステータスポイントをほぼLucに使ってたからポーカーでは強い役が出やすいことと、レアドロップとかが出やすいことかな。
「そういやマリオは何してたのさ?」
「私は、ずっと採取してたわよ」
「どんなのが採れるんだ?」
「そうね、基本的には薬草かしら。調薬を早くやりたいからたくさん集めてきたわよ」
「おー、ポーションできたら売ってくれよな」
「はいはい」
そんなこんなで西口に到着。とりあえずスキル取っとくか。
メニューウィンドウからスキルの項目を開く。まだ一個もスキルを取ってないからスキルスロット5つは全て空だ。
「どんなのにしようかな」
まずは【投擲】だよな。これが無いと点棒が使えない。ていうか、最初に取れるスキル多いな!なんかいスクロールさせれば一番下につくんだ?じゃあ、後は…これと、これと……よし!決まった。
「お、決まったか。見せてくれよ」
「早く見せなさいよ」
「わかったよ。ほら、これだ」
自分のステータスウィンドウを可視化させコージたちにも見えるようにする。でもって、これが俺の取ったスキルだ。
【投擲】【両手利き】【ステップ】【ジャンプ】【獲得エン上昇】
【両手利き】は文字通り両手に武器が装備できるようになるスキルだ。これが無いと、片手しか武器が装備できない。両手に短剣を装備して双剣とか両手に銃を装備して二丁拳銃とかな。
両手剣とかもステータス次第では片手で両手剣を一つずつ装備できるかもな。
【獲得エン上昇】は戦闘に勝利した時に少しでもエンを稼ぐために取った。俺にとって金=力だからな。まさに金は力なり、パワーイズマネー!
目指している戦闘スタイルはStrにステータスを振ってないので、飛距離には自信が無いから近〜中距離でステップとジャンプを使って、敵の攻撃を避けながらトランプと点棒で攻撃するいわゆる回避盾ポジション、みたいな感じかな。
ただ、欠点が一つ……Vitにも振ってないからスタミナが足りません! これは後から考えよう。
改稿しました