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驚きの形

 最近、学校に行くのが楽しい自分がいた。


 俺の中で、なんだか中学に戻ったような気がしていた。


『おはよ!』


 裕也は、機嫌が良いのかヤケにニコニコと、周りに幸せを分け与えるような笑顔を振りまいていた。


『裕也君、おはよ。』


 朝は、いつも綾音はいる。


 それに…


『おっはよ!裕也君。』


 早苗もいる。


 早苗は、クラスは違うけど綾音と気が合うのか、すぐに仲良くなった。そして今に至る。


 早苗と初めて会った時の綾音の顔!あれは傑作だった…



 数日前…


 裕也は、楓と綾音に早苗が同じ学校にいる事を話した。


『楓、綾音!驚かないで聞いてくれ…。』


 早苗と会った次の日、早速二人に早苗の事を話した。


『え〜!』


 二人同時に…。


『ホント?どこのクラスなの?』


 綾音は、今すぐにでも会いに行きそうな勢いだった!


『後で、皆で行こうよ!でも…、優希の事は、内緒にしてほしいんだよね…。』


 裕也は、引きずっていた。優希の事は忘れられる訳もなく…。微妙な気持ちには変わりなかった。


 その言葉に、二人共言葉を無くしていた。




 お昼休みになり…


 顔も見た事がない綾音は、一人ドキドキしていた。


 綾音は、窓から教室を覗く…、隅々見回していた。


『いないよ?』


『そんな事…。』


 裕也も、教室の隅々まで見回した…


 あれ?いないな〜。


 クラスは合ってた。何でいないんだ?


 楓も探してみたが…、やっぱり見つからなく…。


 ポンポン…、誰かが裕也の肩を叩いてきた…。


『裕也君?どしたん?』


『わっ!』


 そこにいたのは早苗だった!


 早苗は、裕也の声に驚いたのか、目をまんまるにし、キョトンとしていた。


『早苗か〜、めちゃ驚いたよ…。』


『こっちの方が驚きだよ!ニコッ。』


 裕也は、恐る恐る綾音の顔を…


 綾音は、驚きのあまり一時停止状態で止まっていた。


 楓は、その綾音の顔を見て、一人爆笑していた。


 その笑い声で、我に帰った綾音。すかさず…バシッ!


『いっ!痛いな〜!』


『楓!笑いすぎ!』


 楓と綾音はじゃれあっていた。


『あ!そうだ!紹介するよ。俺の仲間。楓と綾音だ。楓は一回会ってるよね!ショップでも働いてる。』


『ん?前に、一回会ったよね!三神楓です。よろしくね!』


『綾音です。よろしくね。にっ!』


『早苗です。安藤早苗です。…裕也君の友達なんだ!ニコッ!よろしくお願いします!』


 とりあえず、顔を見た綾音…。休み時間もなかったので挨拶だけして教室に戻った。


『凄いね!めちゃ似てたね!』


 興奮気味の綾音。


『確かに凄かったね!綾音の驚いた顔…ププッ!』


 楓のその言葉に…


『こら〜、楓!』


 仲良くやってけるといいな…。昔みたいになれたら…、と思った。


 ……少し胸が痛んだ。

 学校が終わるとバイト!


 今日は、楓もバイトの日なので一緒に行く事になった。


『今日、H.R早かったな!』


『そだね!』


『楓?今日、綾音もショップ行ってもいい?』


『ん?いいよ!』


 最近、バイトが休みだとショップに顔を出す綾音。なれてきたせいか休みの度、来るようになった。


 店まで、歩くと結構ある!でも、楓達と話しながら行くと早いものだ。


 磯の香りと波の音、気持ち良い夕陽。海沿いを歩きながら思う。


 この時間が長く続けばいいのにな…


『マスター!こんちゃ〜!』


 店に入る裕也と楓。その後に、綾音がコソコソと付いて来る。


『お!やっと来たな!サーファー坊主……と、綾音ちゃん!』


 綾音は、結構マメに来るようになり、マスターにも、スタッフにも覚えられていた。


『こんにちわ…にっ。』


『お前達は、早く準備しろよ!綾音ちゃんは、ココ!』


 マスターは、コーヒーに凝っていて綾音が来ると新商品を飲ませる。綾音の事、かなりのお気に入りのようだ…。


『いつもスミマセン…。』


 綾音は、すかさず楓の事をチラ見…


 楓と裕也は、遠くから羨ましそうな目で見ていた…。


 綾音は、それを見て楽しんでいた。


『マスター!俺達も飲みたいな〜!』


『バカ!お前達は、客じゃないだろ!ね!綾音ちゃん!にっ!』


『そですね!にっ!ちゃんと働きなさいよ!クスッ。』


 綾音だけ特別扱い…、って訳じゃなく、マスターは、二人をイジメて楽しんでいた。

『わっ!マスター!これ、おいしいです。』


『でしょ!それ、なかなか手に入らない代物なんだよね!』

『いつも綾音ばっかし…。ズルいよ…。』


『ふふっ!お前達も飲むか?今日は、特別だよ?』


『え?いいんすか!』


 許しをもらった二人は、嬉しさが顔から滲み出ていた。


 お客さんがいないうちに……、ぷは〜!


『すげ〜うまいっす!』


『はい!バイト代から引いとくね!あはは…!』


『そんな…。』


『あはは…。』


 イジメを好むマスター。さすがに、少し可哀想と思う綾音…。でも、皆、この雰囲気が好きなんです。

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