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悲劇は終わらない。
永遠かと思われるくらい長い叫びが途切れたころ、
「お、おい。だ、大丈夫か?」
自称勇者がさすがに心配して声をかけてきた。
俺はその言葉に応えず、
目にたまった涙をぬぐい、
少し離れた場所にある《XP-1》を見た。
実は俺は目がいいのだ。
そのため、少し離れた場所に物があっても
細部まで細かく観察することができる。
《XP-1》は角を損傷し、かけているものの、
メモリー、画面ともに使用には問題ないようだ。
不幸中の幸い。
心に大きな傷を負ったが、
《XP-1》自体を失ったわけではないことに安堵した。
だが、俺の心はさらなる大きな傷を負うことになる。
「・・・召喚!!」
更なる悲劇の扉は
魔王のその一言によって開かれた。




