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つかの間の幸せと運命の日(予兆)
それからの一週間、
俺は片時も新音楽再生機器を離さなかった。
油断すれば姉貴にとられるのが確実だからだ。
いつでも音楽が聞け、動画を再生することができる幸せを
俺は胸いっぱいに感じていた。
だが、運命の日。
それは唐突におこった。
俺はいつものように部屋で寝っころがって音楽を聴きながら漫画を読んでいた。
この時間が俺の生活の中で一番幸せな時間だ。
いや、動画を見ているときも幸せだ。
外で動画を再生したときも幸せだ。
だが、この日。
この日だけはいつもと違った。
姉貴が妙にやさしかったり、
ご飯がすべて俺の大好物だったり、
学校からの帰宅時の信号がすべて青だったり、
空が晴れ晴れとしていていい天気だったり。
すべて・・・この日おこることの前兆だったのではないかと、
今になって思う。




