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鬼の選択
洗濯ではない。
数時間後
かつて、勇者と呼ばれたモノを見ながら、鬼は立っていた。(注意:勇者も生きてます)
どれくらいたったのだろうか、
薄暗かった城内は朝日によってほのかに照らされ、
ピチチという小鳥の声が聞こえてくる。
朝日に照らされた城の部屋には、
かつて人々に恐れられたモノと
かつて人々に崇められたモノと
かつて鬼の怒りを買い、制裁をくらった
3つのモノが横たわっていた。
鬼の拳からは先刻の真新しい血が
ピチャリピチャリとしずくをしたたらせ、
服や腕、顔についた血は赤黒く乾き、ひび割れていた。
「帰れないというのなら、」
静かな城内に赤黒い鬼の声が響く。
「俺が・・・この世界の魔王になってやるよ。」
こうして、
人々を苦しめていた魔王は打倒され、
世界は勇者、魔王、山田を下僕にもつ
鬼によって支配されるようになったのでした。